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ITとはなんの略?知っておきたい子どもとIT教育
デジタル化の時代。子どもの教育に取り入れたい「IT」を学ぼう
近年ますますインターネットやスマートフォンなどのIT技術が発達し、デジタル機器が生活や仕事に深く根付いてきています。小学校でもパソコンやタブレット端末が1人1台配布されたり、プログラミングが必修化されたりするなど、IT教育も進展しています。
これからIT技術がますます発達する社会を生きるお子さんの教育に、ITに関連した取り組みを実施したいと考えている保護者様も多いのではないでしょうか。
今回は、ITがなんの略かなどの解説と、子どもたちがITとの距離を縮める方法について紹介していきます。これからの社会で求められるIT技術を適切に活用できる人材になるために、ITの学びを取り入れましょう。
ITとはなんの略?意味や定義
ITとはなんの略かと、その意味や定義について解説します。
ITとは、Information Technologyの略称で、情報技術と翻訳されています。コンピューターやデータ通信技術を総称していて、パソコン・インターネットなどの操作方法から専門的なシステムまで幅広い技術のことを指します。
ITでは情報の作成・処理・保存・交換などを行い、生活や仕事を助けてくれます。具体的にはネット上での商品の販売や、離れた場所にいる人とのコミュニケーション、アプリケーション開発などを行えるのです。
ITに似た言葉として使われるICTは、Information and Communication Technologyの略称で、情報通信技術を意味します。情報技術のなかでも特に情報の通信や伝達・処理(Communication)に関する技術を指すものです。
ITは生活に溶け込んでいる!身近なITの例
生活に溶け込んでいる、身近なITの例を紹介します。
私たちの生活を便利で豊かにしてくれるIT技術ですが、具体的には次のような場面で活用されています。
- スマートフォンによる電話・メール・インターネット・アプリなど
- 二次元コードや電子マネーによるキャッシュレス決済
- 実店舗のレジによる売上管理
今や当たり前となったこれらのサービスにもIT技術が活用されています。スマートフォンのアプリは、音楽やゲームを楽しんだりするだけではなく、地図やカメラなど生活になくてはならない役割を果たしています。キャッシュレス決済やレジの売上管理によっても、生活や仕事が各段に便利になり、人間の負担が軽くなりました。
子どものIT教育が重要視される5つの理由
子どもたちのIT教育が重要視される5つの理由を解説します。
IT技術は現代社会において、もはや欠かせない存在になりました。これからますますIT化が進む社会を生きる子どもたちにもIT教育が必要ですが、 その理由は次の通りです。
- 将来の雇用機会を増やすため
- デジタルリテラシーを高めるため
- 情報化の時代で活躍できる能力を身につけるため
- AIに淘汰されない仕事に就くため
- 犯罪被害やインターネットトラブルから自分を守るため
それでは、一つずつ理由を解説していきます。
将来の雇用機会を増やすため
子どもたちのIT教育が重要視される理由として、将来の雇用機会を増やすことが挙げられます。
IT技術の発達に従って、AIやIoT(さまざまな「モノ」がインターネットに接続され、情報交換をすることにより相互に制御する仕組み)などによるサービスやビジネスが生み出され続けています。このようなIT技術の発達によって、私たちの生活環境は大幅に改善されました。しかし同時に雇用環境も変化してきています。
これからますますIT技術が発展する社会では、ITに関する知識やスキルを持った人材雇用が増えるでしょう。一方IT技術の発展による作業の自動化で、雇用が減少する分野も増えてきています。
これからの社会で活躍する人材になるためには、IT技術の発展に伴った雇用構造の変化に対応することが大切です。そのため子どもたちには、IT教育によりIT技術への理解や興味を深めるとともに、創造力・問題解決力を育む取り組みが重視されているのです。
デジタルリテラシーを高めるため
デジタルリテラシーを高めることも、子どもたちのIT教育の目的の一つです。
デジタルリテラシーとは、デジタル技術への理解を深め、正しく有用に活用する能力のことです。近年インターネットやタブレット端末・スマートフォンなどのデジタル機器が急速に発達しています。これらは私たちの生活に溶け込み、なくてはならないものになりました。
政府が主導しているDX(デジタルトランスフォーメーション)により、デジタル技術は今後ますます生活や仕事の上で重要になるでしょう。このような時代を生きる子どもたちは、IT教育を受けることでデジタルリテラシーを高めることが重要なのです。
情報化の時代で活躍できる能力を身につけるため
子どもたちのIT教育を重要視する理由の一つに、情報化の時代で活躍できる能力を身につけることが挙げられます。情報化の時代とは、情報の動きが物理的な動きよりも早くなった時代のことを言います。近年は、インターネットやAIなどのIT技術の発展にともない、情報の伝わるスピードが各段に速くなりました。
これからますます情報化が進む時代を生きる子どもたちには、情報収集・分析・発信を行う能力が求められます。これらの能力を身につけるために、IT教育が重要であると言えるのです。IT教育では、IT技術の使い方だけではなく、IT技術がもたらす社会的・倫理的な課題や可能性についても学ぶことが大切です。こういった課題や可能性を学ぶことで、情報を正しく効率的に活用する能力が身につくでしょう。
AIに淘汰されない仕事に就くため
AIに淘汰されない仕事につくためということも、子どもたちのIT教育が重要視される理由に挙げられます。
現在AIはさまざまな分野で、人間の行っていた作業を担っています。2015年のオックスフォード大学などの調査結果では、今後10〜20年の間で約半数の仕事がAIに代替が可能ともいわれているのです。
ITを学ぶことでAIの仕組みを理解し、AIとの協働が可能になるでしょう。またAIにはない創造力や人間ならではの感性を活かしてAIを活用したり、AIの行動を人間的な倫理観に基づき判断する人材が必要とされます。こういったITによる倫理的な課題についてもIT教育では学べるのです。
参考:野村総合研究所「日本の労働人口の 49%が人工知能やロボット等で代替可能に」
犯罪被害やインターネットトラブルから自分を守るため
子どものIT教育を重要視する背景には、子どもたちを犯罪被害やインターネットトラブルから守る目的もあります。
インターネットは生活に便利さや楽しみを生み出すツールです。しかし、同時にインターネット上には犯罪や金銭トラブルなどに巻き込まれるリスクも潜んでいます。このようなインターネットトラブルから子ども自身を守るためには、IT教育が欠かせないのです。
IT教育とは、IT技術をどう使うかを学ぶだけではありません。インターネットで得た情報の信頼性を判断する力やプライバシー・セキュリティ対策の知識、ネット上のマナーなどを学ぶことでもあります。
このように、子どもが安全にインターネットを利用するためにも、IT教育が重要なのです。
日本ではプログラミング教育が導入
日本でもIT教育が重要視されるようになってきました。2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修化されたり、生徒一人ひとりへのパソコンやタブレット端末の配布がされたりしています。またICT支援員のサポートにより、相当数の小学校がITやプログラミングの教育を実践できるようになりました。
一方、日本ではプログラミング教育の科目化という点で課題を残しています。小学校教育ではプログラミング教育が必修になったものの、科目化は見送られました。中学校では「技術」の科目内でプログラミング教育が行われるにとどまっています。
▶︎詳しくはこちらの記事でも解説!
イギリスでは2013年から「computing」として科目化され、初等教育から教科として一貫したIT教育を取り入れています。このように日本のIT教育は、諸外国から見ると遅れを取っているのが現状です。
参考:CITP COMMUNITY「日本のプログラミング教育の課題とデジタル人材に関する考察」
IT教育を教育現場に取り入れるメリット
IT教育を教育現場に取り入れることで得られるメリットを解説します。
IT技術を教育の現場に活用することで、より効果的な学習につなげていくことが期待されています。具体的に得られるメリットは次の通りです。
- 効率的な学習がかなえられる
- リモート学習が可能になる
- 教員の事務的負担が軽減される
- 一人ひとりに寄り添った学習が可能になる
それでは一つずつ説明していきます。
効率的な学習がかなえられる
IT教育を教育現場に取り入れることで、効率的な学習がかなえられます。
これまでの教育では、生徒それぞれに対応する際に非常に手間と時間がかかっていました。IT教育では、インターネットやコンピューターを使ってさまざまな情報や知識にアクセスできます。また、オンラインでのコミュニケーションや協働学習も可能です。
これらの技術により、生徒は自分の興味や学習の習熟度に応じた学びを行えます。そのため学びの理解が深まる上に習熟スピードが上がり、学習が効率的になるのです。
リモート学習が可能になる
リモート学習が可能になることも、IT教育を教育現場に取り入れるメリットの一つです。
リモート学習とは、インターネットやコンピューターを使って、遠隔地にいる人にも授業を提供することを意味します。リモート学習には、ウェブ会議システムなどの遠隔教育システムが必要です。これらのシステムは、映像や音声をやり取りすることで、双方向のコミュニケーションを実現します。
リモート学習により、登校できない生徒や遠隔地に住む生徒にも教育を提供できたり、災害時や感染症による非常事態時にも活用できるようになりました。時間と場所にこだわらないリモート学習ができるようになったことで、学びの制限が減り、広く学習が可能になったのです。
教員の事務的負担が軽減される
IT教育を教育現場に取り入れると、教員の事務的負担が軽減されます。
教員の事務作業には、授業準備・採点・成績管理・連絡帳や出欠帳の記録や管理など、教育活動に直接関係しない業務が挙げられます。
これらの業務は、教員の時間やエネルギーを奪い、教育に集中できない原因となっているのです。IT教育を導入すれば、デジタル資料を使うことで紙の教材準備・配布といった業務が減らせます。また生徒の学習状況をコンピューターから取得したり、自動採点を行えるでしょう。
このようにIT教育を教育現場に取り入れることで、教員の事務的負担が軽減され、教育に専念できる環境を整えられるメリットがあるのです。
一人ひとりに寄り添った学習が可能になる
一人ひとりに寄り添った学習が可能になることも、IT教育を教育現場に取り入れるメリットといえます。
一人ひとりに寄り添った学習とは、児童生徒の個性や能力・興味や関心・学習進度・理解度などに応じて、最適な学習内容や方法を提供することです。従来のクラス一斉に行う授業では、一人ひとりの学習状況に寄り添った学びを提供することが非常に困難でした。
IT技術を利用することで、生徒それぞれが学習状況に応じた学びを実施し、学習履歴の記録ができます。それにより、今後の最適な学習内容や方法を提供し、フォローアップが可能となりました。IT教育を教育現場に取り入れることで、一人ひとりに寄り添った学習を提供可能となり、子ども本来の能力や資質を育めるのです。
IT教育の課題・問題点
IT教育の課題や問題点について解説します。
IT教育は、子どもたちそれぞれが最適な学びを実現するメリットがあるのと同時に、情報活用能力やプログラミング能力を育めます。しかし、IT教育には以下のような課題や問題点も存在します。
- 機材の導入にコストが生じる
- 学校によって実施内容に差が出やすい
- 教員の育成や授業内容の定着までに時間がかかる
この章では、これらのIT教育における課題や問題点について一つずつ説明します。
機材の導入にコストが生じる
IT教育の課題・問題点に、機材の導入にコストが生じることが挙げられます。
IT教育を実施するには、コンピューターやタブレットなどの情報機器、またネットワーク環境の整備やセキュリティ対策を行う必要があります。しかしこれらをすべてそろえるためには、かなりの金銭的負担がかかるでしょう。
またIT教育を指導する教員にも、その方法や技術を習得させるための研修やサポートなどを実施する必要があります。これらは予算が限られている学校にとって大きな負担となり、IT教育を阻む原因ともなるのです。
学校によって実施内容に差が出やすい
学校によってIT教育の実施内容に差が出やすいことも、IT教育の課題や問題点です。
IT教育を実施するには、機器やネットワーク環境の整備だけでなく、教員のITリテラシーや授業改善の意識も重要です。1人1台の端末配布はおおむね完了し、学校によっては、IT機器を活用して個性や習熟度に応じた学びを実現しています。
しかし中には、教師が一方的に知識を伝えるだけの授業にとどまっている学校もあるように、学校や地域間で格差が生まれているのも現状です。
このようなIT教育における実施内容の差は、今後ますます拡大する恐れがあります。IT教育は、社会で求められる資質や能力を育むために必要なものですが、その機会が平等に与えられていないのが現状なのです。
教員の育成や授業内容の定着までに時間がかかる
IT教育の問題点には、教員の育成や授業内容の定着までに時間がかかることが挙げられます。
IT教育を実践するためには、子どもたちを指導する教員自ら操作・活用方法を習得し、どのように授業に取り入れるか検討する必要があります。
IT教育では、子どもたちそれぞれの学習状況に応じた学びや分野横断的な学習、主体的な学びの支援などが期待されています。しかしこれらのことを実現するためには、教員がその方法を学んだり、他の教員とのネットワークを築いたりといった取り組みが必要です。
このように、IT教育を実現するためには、教員の育成や授業内容の定着までに時間がかかることが問題となっているのです。
子どもとITの距離感を縮める4つの方法
子どもたちとITの距離感を縮める方法を4つ紹介します。
現代の子どもたちは、小さいころからIT機器が身近にある状況で生活しています。このような機器は私たちの生活を豊かにしてきました。しかし、身近にIT機器がありつつも使い方をきちんと知らない子どもたちも多いのではないでしょうか。
IT機器を実際に扱うことで、その操作方法や有用性、危険性を学べます。ITを日頃から活用することで、最新のテクノロジーに強い人材を目指しましょう。
この章では、子どもたちとITの距離感を縮めて、より親しめる方法を4つ紹介します。
スマートフォンだけではなくパソコンとも触れ合ってもらう
子どもたちとITの距離感を縮めるためには、スマートフォンだけではなくパソコンの操作に慣れることが大切です。
スマートフォンやタブレット端末などは、タッチで操作できることから小さな子どもたちでも簡単に扱えるというメリットがあります。その反面、スマートフォンやタブレット端末だけではIT技術の習得が難しいのです。
この情報化が進む社会に必要なスキルを身に着けるためには、パソコン操作の習得が必要でしょう。複数情報の検索やプログラミング構築などの際、画面の大きさやキーボード操作による作業が有利なのです。
こういった面からも、ITとの距離を縮めるためには、スマートフォンだけでなくパソコンの操作に慣れていくことが大切です。
好きな環境設定やコンテンツを楽しむ
好きな環境設定やコンテンツを楽しむことも、子どもたちとITの距離感を縮める方法としておすすめです。
IT機器は子どもたちにとって楽しく魅力的なものです。しかし中には難しいと感じ、苦手意識を持っている子どももいるのではないでしょうか。自分の好みや目的に合わせたカスタマイズをすることで、苦手意識のある子どもでも前向きに楽しめるでしょう。
たとえばパソコンでは、壁紙・アイコン・フォントなどの環境設定を変えたり、お気に入りのサイトやアプリ登録ができます。これらの設定変更などを通じてITスキルの向上にも役立つのです。
SNSやブログを通じて自己発信を行う
子どもたちとITの距離感を縮めるために、SNSやブログで自己発信を行うことも良いでしょう。IT機器は情報を受け取るだけではなく、自分の考えを発信する手段でもあります。
SNSやブログを使えば、世界中に自己発信できます。これによって自分の意見を伝える力だけでなく、ITリテラシーも身につけられます。ITリテラシーとはインターネット上の情報を正しく安全に活用する能力を意味します。インターネット上にあふれた情報の中から正しいデータを見分けたり、犯罪に巻き込まれないで安全にインターネットを利用する能力を、実体験を通して身につけられるでしょう。
IT関連の習い事に通う
IT関連の習い事に通うことも、子どもたちとITの距離感を縮める方法の一つです。
小学校でもプログラミングやIT教育などが活発になってきましたが、実際にIT技術の発達した社会で活躍する人材育成という点では足りない部分もあるでしょう。
IT関連の習い事に通うことで、子どもたちがIT技術に触れる機会が増え、ITに対する興味関心を育てられます。IT関連の習い事には、プログラミング教室やロボット作り、動画制作などのジャンルがあります。これらの習い事に通うことで、子どもたちのIT機器に対する恐怖感を取り除き、自分の力で活用できる技術が身につくのです。
子どもにITを身近に感じてもらう習い事なら「プロクラ」
今回は、ITが何の略称かなどについての解説と、子どもたちがITとの距離を縮める方法を紹介しました。
IT技術はこれからますます発展していくことが予想されています。このような社会で活躍する人材になるためには、子どもたちがITを身近に感じ、好奇心を持って学ぶことが大切です。
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