プログラミング教育情報
ITリテラシーとは?子どものITリテラシーを育てるには
デジタル時代の今、子どものITリテラシーを育てたい…
社会のデジタル化が進み、さまざまな分野でAIやIoTなどIT機器が利用されるようになりました。身近なところではスマートフォンと生活家電をつなげたり、AIライティングで悩みを相談したりすることが可能です。
内閣府の調査によれば、小学生のインターネット利用率は8割を超えています。このようなデジタル社会を生きる子どもたちは、幼い頃からIT機器との関わりが深い傾向にあります。
そこで重要なのが、IT機器を安全に効率よく活用するために、子どもたちのITリテラシーを育成することです。
今回は「ITリテラシーの意味」と「子どもたちのITリテラシーを育てる方法」を解説します。
小学生からITリテラシーについて正しく学び、安全にコンピューターを活用する方法を身につけましょう。
参考:「内閣府」令和元年度 青少年のインターネット利用環境実態調査結果(速報)
ITリテラシーとは|意味や類似語の解説
ITリテラシーを育てる方法を解説する前に、まずITリテラシーの意味を説明します。また、ITリテラシーに似た言葉である「コンピューターリテラシー」と「情報リテラシー」について、その意味とITリテラシーとの違いもみてみましょう。
ITリテラシーの意味
ITリテラシーとは、ITに関連する通信・ネットワーク・セキュリティの理解、また通信機器を活用する能力のことです。
そもそもリテラシーとは文字を読み書きする能力を指します。最近では「特定の分野の能力・知識を活用する力」との意味で使われるようになりました。
つまりITリテラシーとはITを活用するための能力や知識全般といえるでしょう。具体的には、インターネットを使い適切な情報を得る力・通信機器を使う力・ウイルスやセキュリティの脅威に対処する力があげられます。
コンピューターリテラシーの意味
コンピューターリテラシーとは、コンピューターを使うための知識や技能のことです。
パソコンやタブレット端末、マウス、プロジェクト接続など、ビジネスでよく使われるコンピューターの知識や操作する能力が求められています。パソコンの操作についても、表計算ソフトなどのアプリケーションを活用する力は多くの場面で必要となるでしょう。
より専門性の高い分野では、プログラミング言語や機械の内部を調整する技能が求められます。
情報リテラシーの意味
情報リテラシーとは、存在する多くのデータから、正しいものを選択して活用できる能力や知識のことです。
デジタル技術・情報伝達技術の発展に伴い、インターネット上では多くのデータがやり取りされるようになりました。このように現在は情報があふれています。そんな多くの情報の中から、目的に応じて適切なデータを選択し活用する力が情報リテラシーなのです。
ITリテラシーの能力の一つに、インターネット上の情報を正しく扱う力が含まれています。情報リテラシーとの違いは、その情報源がインターネットのみか、そのほかのアナログ情報まで含まれるかどうかです。
書籍やリアルな人の意見などを含めた情報全般に関する力が、情報リテラシーなのです。
子ども教育でITリテラシーが求められる5つの理由
インターネットを利用できるIT機器が身近になり、子どもたちも小さな頃からスマートフォンなどのIT機器を使う機会が増えました。IT機器の利用開始が低年齢化した現代社会では、子どもたちへの教育でもITリテラシーを身につけることが求められています。
この章では、子ども教育でITリテラシーが求められる理由を5つ紹介します。
- 正しい情報を選別する力を養うため
- 他者の意見に惑わされず、自分で考える力を養うため
- ITリテラシーやITスキルを仕事で活用するため
- 犯罪被害から自分を守るため
- 意図せぬ加害者になることを防ぐため
それでは1つずつ解説していきます。
正しい情報を選別する力を養うため
インターネット上から目的にあった正しい情報を選別する力を養うために、幼い頃からのITリテラシー教育が求められています。
最近では、多くの人が気軽に情報を発信できるようになりました。その影響で、真偽が不明な情報やフェイクニュース、根拠のない主張が飛び交うこともあります。これら煩雑した情報を鵜呑みにして拡散すれば、ネット上だけでなく現実世界でも混乱が生じる可能性があるのです。
多くの情報がある中で、子どもたち自身がその真偽を考えて正しく選別するためにも、子ども教育におけるITリテラシーの育成が求められているのです。
他者の意見に惑わされず、自分で考える力を養うため
インターネット上に発信された他の人の意見に左右されすぎずに、自分で考える力を身につけるためにも、ITリテラシー教育が大切です。
インターネット上では発信に影響力のある人が多くいます。現実世界でも有名な人もいれば、インターネット上のみで人気のある人も増えてきました。このように人気のある人の発信には、見る人の思考に影響を与える力があります。
ただしこれらの情報には、不確かなものも多く実際とは異なる内容もあるわけです。ITリテラシーを子どもたちが学べば、これらの情報をそのまま信じて惑わされることを防ぎ、自分で考えられるようになるでしょう。
ITリテラシーやITスキルを仕事で活用するため
子どもたちが成長したとき、ITリテラシーを活用して仕事に取り組むためにも、子どもたちのITリテラシー教育が求められています。
AIやデジタル化が進み、多くの仕事でIT技術を活用する場面が増えました。特にパソコンの操作や活用はさまざまな仕事で求められるでしょう。
パソコンをビジネスに活用する際には、セキュリティ・ウイルスに対処する力や正しい情報を得る能力が必要です。このような能力がないと、正しい情報を安全に扱う信頼できるビジネスが難しくなるでしょう。
子ども教育でITリテラシーを学べば、将来子どもたちがITリテラシーやITスキルを活用した仕事に生かせるのです。
犯罪被害から自分を守るため
子どもたちが自分自身を犯罪の被害から守るためにも、ITリテラシー教育が大切です。
2021年の内閣府による調査では、小学生の9割以上がインターネットを利用していることがわかっています。そんな中、2021年のSNSに起因する被害児童は1,812人にのぼりました。ここ数年はおよそ2,000人前後の子どもたちが被害にあっています。
これらの被害はインターネット上の匿名性を利用し、子どもたちをだますことが多い傾向です。インターネットの危険性や犯罪の手口を知れば、子どもたちは自分自身を犯罪から守れるでしょう。
参考:警察庁「令和3年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」
意図せぬ加害者になることを防ぐため
子どもたちが加害者になることを防ぐためにも、ITリテラシー教育が求められています。
インターネットはその匿名性から、リアルな付き合いでは言わないこと、やらないことをしてしまうリスクがあるのです。例えば、怒りに任せた誹謗中傷の書き込みやネットいじめがあげられます。
匿名であっても特定される可能性があることや、怒りなどの負の感情があるときには一度インターネットから距離をとるなど、加害者にならないための知識を学ぶ必要があるのです。
生まれたときからITが身近な世代の注意点
今の子どもたちはデジタルネイティブとよばれ、生まれたときからIT機器が身近にある世代です。小さな頃からIT機器を利用している今の子どもたちは、ITリテラシーが高いと感じられます。
一方で幼い頃よりIT機器が身近にあったことで、ITリテラシーが低いこともあるのです。この章では、生まれたときからITが身近にあることで生じる、以下の注意点について解説します。
- 無料配信に慣れ、コンテンツにお金を払う意識が低い
- ITを通じて自己発信・自己表現する習慣が一般的
- 自分でゼロから調べる・創る能力が育ちにくい
- Web情報を鵜呑みにしやすい
それでは1つずつ解説していきます。
無料配信に慣れ、コンテンツにお金を払う意識が低い
小さな頃からITが身近にあったことで、無料配信に慣れてしまいコンテンツにお金を払う意識が低いという注意点があります。
現在は、動画などWeb上のさまざまな無料コンテンツが増えました。そのためコンテンツにお金を支払うことに抵抗があるのです。
有料コンテンツでは資金源ができるため、正しい情報やより有益なデータを得られるでしょう。また無料にこだわれば違法なコンテンツの流通を促進しかねないため注意しましょう。
ITを通じて自己発信・自己表現する習慣が一般的
生まれたときからITが身近にあることで、インターネットを利用し始める年齢も若年化しています。このように小さな頃からITを利用していた子どもたちにとって、ITを通じた自己発信や自己表現は一般的なのです。
IT上の自己発信や自己表現には、著作権侵害のリスク・依存・詐欺のリスクがあります。発達途中の子どもたちにとって、これらの脅威はより強く表れるでしょう。
生まれたときからITが身近にあることから、気軽に自己発信しやすい環境にあります。だからこそ、ITリテラシーを学び、安全に活用する知識を身につける必要があるといえるのです。
自分でゼロから調べる・創る能力が育ちにくい
生まれたときからITが身近にある現在の子どもたちは、自分で調べたり創造したりする力が育ちにくくなっています。
スマートフォンの普及や通信環境の向上に伴い、私たちはどこにいても疑問点を気軽に調べられるようになりました。AIの発達により、簡単な相談さえインターネット上でできるのです。
小さな頃からこのような環境で育った子どもたちは、自分でゼロから考えて調べたり、創造したりする力が育ちにくい特徴があります。自分でゼロから調べるとは、疑問点を観察・検討・実験・考察などの手順を追って調べる力です。その過程で創造性も養われるでしょう。
どこにいてもスマートフォンを使えばすぐに答えがわかる現代社会において、自分でゼロから調べたり、創ったりする能力が育ちにくくなっているのです。
Web情報を鵜呑みにしやすい
生まれたときからITが身近にあると、Web上で得た情報を鵜呑みにしやすい特徴があります。
インターネットの普及やWebの発達により、多くの人が情報を気軽に発信できるようになりました。その影響で、信頼できない情報や詐欺まがいの発信も存在しています。このような情報にだまされないためには、信頼性を吟味する力が必要です。
純粋な気持ちでSNSやインターネットの利用を楽しんでいる子どもたちは、これらの情報も信じてしまう可能性があります。Webを使って小さな頃から検索する子どもたちは、Webで得られた情報を鵜呑みにしてしまいやすいのです。
同年齢でも、ITリテラシーに格差が生まれることも…
ITリテラシーは、同じ年齢の子どもたち同士でも格差が生まれやすい状況にあります。
小学校でもITを学ぶ授業が導入されるようになりましたが、授業内容のレベルは学校ごとでばらつきがあります。授業内容や教員の理解度が学校によりさまざまなのです。またパソコンやタブレット端末などを使った授業の頻度も学校ごとで異なります。
保護者様のITへの理解度も子どもたちのITリテラシーに影響を与える可能性もあるのです。GIGAスクール構想でパソコンやタブレット端末の一人1台支給が進んでいます。家に持ち帰ったIT機器を使おうにも、不慣れな子どもたちにとっては指導者が必要な場面もあるでしょう。そんなとき保護者様のITへの理解が低いと、困ったときに助けてもらえず、IT端末をスムーズに活用できないのです。
さらに家庭において、IT機器がお子さんも使える環境にあるかもITリテラシーの向上に関係します。アプリや検索機能などを楽しく使用しているうちに、機械の操作や情報の扱いに慣れるのです。
以上のことから、ITリテラシーの習得のためには学校に任せるだけではなく、家庭での教育も進めると良いでしょう。
子どものITリテラシーを育てる5つの方法
子どもたちがIT機器を使って、情報を収集したり安全に発信したりするためにはITリテラシーが必要です。学校での教育には限界があるため、家庭での取り組みも大切です。
この章では、子どもたちのITリテラシーを育てるための方法を5つ紹介します。
- 個人情報とセキュリティにおける危険性・対処法を教える
- 子ども自身にデジタル機器をカスタマイズしてもらう
- ソフトやアプリなどを通し、デジタル機器に親しみを持ってもらう
- 保護者がロールモデルになり、正しい使い方を実践する
- 社会におけるモラルやルールを教える
それでは1つずつ解説していきます。
個人情報とセキュリティにおける危険性・対処法を教える
子どもたちのITリテラシーを高める方法として、個人情報とセキュリティにおける危険性や対処法を教えることがあげられます。
子どもたちが巻き込まれるインターネットトラブルには、不適切なサイトによるセキュリティ問題やSNS・ネットショッピング利用による個人情報の漏洩があげられます。
トラブルを防ぐためには、保護者様の同意のもと課金したり、検索結果をフィルタリングしたりして、トラブルの実例を親子で学ぶことが有効です。
子ども自身にデジタル機器をカスタマイズしてもらう
子どもたちが自分自身でデジタル機器をカスタマイズすることで、ITリテラシーを高められるでしょう。
子どもたちができるデジタル機器のカスタマイズには、パソコンの背景やアイコンの変更・アプリやゲームの作成・キーボードやマウスを好みのものに変えるなどの方法があります。
このようにデジタル機器をカスタマイズすれば、自分の好みを表現できデジタル機器に愛着が持てるでしょう。またカスタマイズする工程で、操作方法や各名称など新しい発見も期待できます。
場合は、壊さないようにやり方を調べて安全にデジタル機器をカスタマイズしましょう。
ソフトやアプリなどを通し、デジタル機器に親しみを持ってもらう
子どもたちがITリテラシーを高めるには、デジタル機器を何度も活用して親しみを持つことが大切です。そのためには、子どもたちにとって楽しめるソフトやアプリの活用が役立ちます。
パソコンをはじめとしたデジタル機器は、一見とっつきづらく子どもたちにとって興味を感じられないこともあるでしょう。パソコンやタブレット端末にお子さんの好きなソフトやアプリを入れれば、楽しみながら無理なくITリテラシーを高められます。
お絵描き・ゲーム・楽しい動画が見られるソフトやアプリが子どもたちにも楽しめるでしょう。
保護者がロールモデルになり、正しい使い方を実践する
子どもたちのITリテラシーを高めるためには、身近にいる保護者様がロールモデルとなり、IT機器の正しい使い方を実践する姿を見せると良いでしょう。
ロールモデルとは、考え方や行動が他の人にとって手本となる人物を指します。ITリテラシーにおけるロールモデルとは、パソコンやスマートフォンなどのIT機器を正しく利用している人物を指すのです。
キーボードやマウス操作のお手本を見せながら教えてあげたり、実践を通してSNSとの付き合い方を解説したりすると良いでしょう。
社会におけるモラルやルールを教える
社会におけるモラルやルールはオフラインだけでなく、オンライン上でも大切です。やってはいけないこと、相対する人との好ましい付き合い方をその都度教えてあげることが、子どもたちのITリテラシーを高めるために必要です。
社会におけるモラルとは、時間を守る・ウソをつかない・他の人に迷惑をかけないなどを指します。一方ルールとは、やってはいけないと法律などで決まっていることです。インターネット上におけるルールは、個人情報を漏らさない・著作権を正しく取り扱うなどがあげられるでしょう。
オンライン上であっても、使っているのは同じ人間です。このことを忘れずに、インターネット上でも実生活と同じモラルやルールを守るように教えてあげましょう。
ITリテラシーの教育でプログラミングが注目されている理由
子どもたちへのITリテラシー教育でプログラミングが注目されている理由は、プログラミングの際に、IT系の知識を活用する必要があるためです。
プログラミングを習得するためには、プログラミング言語の勉強だけではなく、パソコンの操作・IT用語・インターネットの活用が必要です。プログラミングの中で、これらの技術が学べます。
子ども向けのプログラミングアプリやプログラミング教室は、楽しくプログラミングできるよう工夫されています。これらを利用して子どもたちがプログラミングを学べば、楽しみながらITリテラシーを身につけられるのです。
ITリテラシーを楽しく育む習い事なら「プロクラ」
今回は、ITリテラシーの意味と子どもたちのITリテラシーを育てる方法について解説しました。
ITリテラシーとは、ITの活用に必要な知識や技能全般を指します。生まれた頃からIT機器が身近にある子どもたちは、安全にITを活用するためにITリテラシーを高められると良いでしょう。
ITリテラシーを高めるためには、IT機器に触れる機会を多く持たせてあげつつ、保護者様の適切な指導も必要です。また子どもたちが楽しくITリテラシーを身につける方法としてプログラミングも注目されています。
「プロクラ」はマインクラフトの世界で楽しみながらプログラミングを学べる教室です。プログラミングを実践しながら、パソコンの操作やIT関連の名称なども学び、ITリテラシーを身につけられるでしょう。
ぜひこの機会に無料体験教室に参加してみてくださいね。
関連記事