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手先の巧緻性とは?器用な子どもの特徴や能力を養う5つの方法

子どもの将来を広げる能力、巧緻性とはどんな力?

巧緻性とは、手指をうまく使うことを指します。実は、手先が器用な子どもほど集中力や創造力が高い傾向にあるんです。

そこで本記事では、巧緻性とは何か、技巧派な子どもの特徴などを解説します。器用さを養う5つの方法もご紹介するので、お子さんの巧緻性向上に興味がある保護者様の参考になれば幸いです。

巧緻性とは|意味を解説

巧緻性とは、手先や指先をうまく使うことや、スポーツにおいて体を巧みに動かすことを指します。手や指の神経は脳と密接につながっているため、手先を動かすと脳が刺激されます。つまり、巧緻性を鍛えると子どもの発達にプラスの影響を与えるのです。

川端博子教授らの研究によると「巧緻性はさまざまな学習への取り組みと関連する」と報告されています。実際に巧緻性が高い子どもは、工作や裁縫だけでなく計算練習やリコーダーといった学習活動も楽しむ傾向にありました。

そのため、巧緻性の育成は学習意欲・集中力の向上に効果的といえます。

参考:日本家政学会誌「小学生の手指の巧緻性に関する研究」

手先・体の使い方が器用な子どもの特徴

手先・体の使い方が器用な子どもの特徴を4つご紹介します。

  • 創造力が高く、クリエイティブな感性を持っている
  • ダンスやスポーツなどを習得するのが得意
  • 集中力が高い
  • 手順を考えて実行するための論理的思考力が高い

一つずつ見ていきましょう。

創造力が高く、クリエイティブな感性を持っている

手先・体の使い方が器用な子どもは、創造力が高くクリエイティブな感性を持っています。指先の巧緻性が鍛えられているため、脳が刺激されてオリジナリティあふれるアイデアが浮かびやすいのです。

さらに、思い通りに手先を操れれば、思い描くアイデアを実際に形にできます。クリエイティブな感性は、子どもの可能性を高めることにもつながるといえるでしょう。

ダンスやスポーツなどを習得するのが得意

ダンスやスポーツなどが得意な点も、巧緻性が高い子どもの特徴です。優れた筋力や持久力に加えて「巧みな動き」ができる子どもたちは、巧緻性が鍛えられているといえます。

野球でダイビングキャッチをしたり、サッカーでキーパーのいない場所をねらってゴールを決めたり。体を思い通りに動かすためには、皮ふや運動感覚を研ぎ澄まし、素早く動作を切り替えるような巧緻性が求められるのです。

集中力が高い

手先を思い通りに操れる子どもたちは、集中力が高い傾向にあります。しかし通常、子どもが集中できる時間は「年齢+1分」程度です。

子どもは大人よりも、集中力を保つのが難しい点を理解しておきましょう。そして、集中している時間はもちろん「集中の深さ」も重要なポイント。声かけによって集中は遮断されるので、お子さんが集中している際は温かく見守る姿勢が必要です。

参考:新聞科学研究所「子どもの集中力を高めるには?親がやってはいけないことと、おすすめの具体策」

手順を考えて実行するための論理的思考力が高い

論理的思考力とは、複雑な物事を整理して筋道立って考えられる能力のこと。パズルや問題集に取り掛かるとき、正解までの手順を論理的に考えられる子どもたちは巧緻性が高いといえるでしょう。

ほかにも「根拠を考えようとする」や「相手が理解しやすいように工夫して話せる」などが、論理的思考力が高い子どもの特徴として挙げられます。

小学校受験では巧緻性をチェックされるケースも…

小学校受験では、巧緻性をチェックするケースがあります。なぜなら、巧緻性を確認することで、子どもの発想力や創造力を問えるからです。

巧緻性を見るためのテストで出題される内容の例を、いくつかご紹介します。

  • 試験管の指示に従って工作・折り紙を行う
  • お箸を使って豆を別の容器に移し替える「豆つかみ」
  • ヒモを見本通りに穴に通す
  • 洋服をたたむ

小学校受験を検討している保護者様は、お子さんの巧緻性を鍛える取り組みを始めてみてください。

巧緻性を高めるための指の動き

手のひらや指先には、身体の感覚・運動を制御する「末しょう神経」が集まっています。そのため、指先は「第二の脳」と呼ばれることも。つまり指先を意識的に使うと、脳の発達の活性化が期待できるのです。

たとえば、生まれてすぐの赤ちゃんはすぐには手が開きません。時間をかけて徐々に開供養になり、「握る」という動作をマスターしていきます。年齢が上がるにつれて複雑な動作が可能となるため、年齢ごとに取り入れたい指先の動きをまとめました。

年齢指先の動き
0~1歳ごろ握るつまむ
2~4歳ごろ叩くはがす留めるひねるちぎるねじるはめる通すはずす
3~6歳ごろ道具を使う

6歳ごろになると、ハサミや紙を使って工作を楽しめるようになります。年齢に応じた指先の動きを取り入れて、だんだんとステップアップしていきましょう。

子どもの巧緻性を高める方法・遊び5選

子どもの巧緻性を高める方法・遊びを5つピックアップしました。

  • 折り紙
  • 塗り絵
  • 切り絵
  • 工作
  • 紐通し(刺繍や裁縫)

「小学校受験の対策」や「巧緻性を鍛えるためのトレーニング」とすると、お子さんが抵抗を感じる可能性があります。楽しみながらお子さんが取り組めるように、遊びを通じて巧緻性を高めてみてください。

折り紙

小学校受験の際に、巧緻性をチェックするテストとして出題されるケースがある折り紙。紙を折ったり開いたりする「指を使った繊細な動き」や、見本通りに折るための「集中力・観察力」が求められます。

折り紙は作品作りを楽しみながら、技巧を高められる遊びです。ぜひお子さんと一緒に取り組み、巧緻性の向上に励んでみてください。

塗り絵

塗り絵では、好きな色を塗るおもしろさや塗り絵を完成させる達成感が味わえます。はみ出さないように色を塗るには手指の筋肉を調整する必要があるので、器用さ・忍耐力などが養われます。年齢やレベルに合わせた難易度の塗り絵を選べば、飽きずに取り組めるでしょう。

「魚は青色がいいんじゃない?」や「髪の毛は黒色か茶色にしたら?」とアドバイスするのは、できるだけ避けてください。お子さんの好きな色・感性を尊重することで、創造力を伸ばせます。

切り絵

切り絵の作成は、ハサミやカッターなどの道具を使う練習になります。少し複雑な指の動きを伴う道具の活用は、巧緻性を高めるのにうってつけです。

道具の使い方によってはケガをする危険性があるため、最初に注意点をお子さんにしっかりと説明し、保護者様が見守りながら取り組むようにしましょう。

工作

既存のおもちゃを使用しない遊びは、ゼロから価値を生み出す「クリエイティブな能力」を育みます。自作した作品を飾れば部屋が明るくなるだけでなく、お子さんは目にするたびに達成感を感じられるでしょう。

親子で一緒に工作に取り組むと、自然と会話もはずみます。楽しみながら取り組むことで、お子さんのモチベーションアップも期待できますよ。

紐通し(刺繍や裁縫)

刺繍や裁縫で紐通しをすると「つまむ」や「通す」といった、巧緻性を鍛えられる動きを練習できます。ビーズを使った細かい動作は難易度が高いため、最初は大きなものに紐を通すことから始めてみましょう。

慣れてきたら徐々にビーズの大きさを小さくしていくのがおすすめです。お子さんの成長に合わせて選択してみてくださいね。

家事や掃除のお手伝いでも、巧緻性は鍛えられる!

家事や掃除のお手伝いといった日常生活のなかでも、技巧は高められます。手先を器用にするトレーニングとして、日常的に取り入れられる動作は以下の通りです。

  • お菓子の袋を開ける
  • ゼリーのフタを開ける
  • 包み紙を開ける
  • 飲み物のフタを開ける
  • ボタンをかける
  • ジッパーを上げ下げする
  • 靴下をはく
  • 靴のマジックテープをはがす
  • 野菜のヘタをとる
  • 野菜の皮むき
  • 洗濯物を洗濯バサミで留める
  • お皿やお箸を配る

お子さんのためを思って、ついつい何でもしてあげたくなる保護者様は多いかもしれません。しかし、お子さんが挑戦できる機会を増やすことが大切です。最初は保護者様がサポートをして、少しずつ一人でできる範囲を広げていきましょう。

パソコン・タブレット学習で巧緻性を育てる方法

パソコン・タブレット学習で、巧緻性を育てる方法は主に3つあります。

  • イラスト・DTMなどの創作作業
  • プログラミング学習
  • タイピングの練習

巧緻性を育てる方法を、具体的に解説していきましょう。

イラスト・DTMなどの創作、作業

DTMとは「Desk Top Music(デスクトップミュージック)」の略称で、パソコンを使用して音楽を作成・編集する作業のこと。パソコンやタブレットを使うと、イラストやDTMなどの創作活動に取り組みやすいでしょう。

最初からオリジナルの絵や音楽を作るのは難易度が高いので、イラストをなぞったり既存の曲をコピーしたりすることからチャレンジするのがおすすめです。

プログラミング学習

タイピングやマウスを活用するプログラミング学習は、巧緻性を鍛えられる方法のひとつです。巧緻性のほかにも、論理的思考力や問題解決能力などが身につきます。

2020年度より、小学校でプログラミングが必修化されました。大学入学共通テストでは、プログラミングに関する知識を問う「情報」科目が2025年度から追加される予定です。プログラミング学習は根本的な学習意欲を向上させ、将来的な入試にも役立ちます。

タイピングの練習

タイピングは10本の指を使用するため、巧緻性を高めるのに効果的です。近年では、タブレットや電子黒板などを導入して教育をデジタル化する「ICT教育」が急速に普及しています。

タイピングのスピードが速ければ、周りの子どもたちと学習スピードにおいて差をつけられるでしょう。タイピング練習ができる無料ツールもあるので、活用してみてください。

子どもの技巧を高める習い事はプロクラ」

巧緻性とは手や指、体を巧みに使いこなすことです。器用な子どもたちは学習意欲が高い傾向にあるため、小学校受験において巧緻性が問われることがあります。

巧緻性を鍛えるのに効果的な遊びは、折り紙や塗り絵、切り絵などです。そのほか、プログラミング学習やタイピング練習でも、器用さを養えるでしょう。

プロクラは、楽しみながら学べるプログラミング教室です。プログラミング学習を始めるならば、ぜひプロクラにおまかせください。

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