プログラミング教育情報

子どもに社会問題を教えたい!伝えるべき日本の課題や教育への取り入れ方

混沌とする現代社会…日本の問題を子どもに伝える方法は?

現在、世界はさまざまな社会問題を抱えています。複雑な社会問題はすぐに解決することが難しく、子どもたちの将来にまで根強く残っている可能性が高いです。

お子さんが世界や日本の課題を「自分ごと」としてとらえ、社会問題を掘り下げて考える姿勢を身につけることは、人生を生き抜いていくうえでの大きな力になるでしょう。また、自分の興味や関心について知るにあたっても、さまざまな社会問題を把握しておくことは有効といえます。

現代社会が共通して抱えている要素

日本や世界が抱える社会問題の背景には、現代社会が共通して抱えている要素があります。まずは、現代の社会が目指すものや流れについておさえておきましょう。

グローバル化

現代社会は、グローバル化が進んでいます。人やモノ、情報が国を超えて飛び交い、政治や文化、ビジネスでさえも国の枠組みにおさまるものではなくなっているのではないでしょうか。

国や地域がつながりを深めていくなかで、情勢や社会問題を適切に把握するためには、世界を一体化してとらえることが必要なのです。

情報化・IT化

情報技術の発達により、ますます社会の情報化が進んでいます。文字による情報だけでなく、昨今の動画コンテンツの広まりにより、情報格差はさらに縮まりました。

一方で、情報が溢れるあまり取捨選択が困難になったり、個人の情報漏洩が懸念されこれまで以上に取り扱いに注意が必要になったりするという課題も出てきています。

VUCA時代

VUCA時代とは、物事の予測が困難な時代の状態を指します。「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字をとった造語です。

めまぐるしく変化する現代社会においては、これまでの出来事や法則から将来を完全に見通すことが難しくなってきています。そのため、柔軟な思考で新しい状況に対応していくことが求められるのです。

SDGsの拡大

SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年に国連サミットで採択された2030年までに達成すべき世界共通の17の目標です。今や生活・ビジネスなどあらゆる面において、人や環境に配慮した取り組みは欠かせないものとなってきています。

人道的でないものや地球環境を破壊するようなものは、これからますます淘汰されていくでしょう。サステナブルに配慮することは、もはや「良いこと」ではなく当たり前の前提条件としてとらえられているのです。

ダイバーシティ

ダイバーシティとは、一人ひとりが持つ違いを認め合い、尊重し合う関係性のこと。グローバル化やジェンダー平等の考え方が進むなか、多様性を認める姿勢も欠かせないものとなってきています。

「年齢、性別、人種などの属性で差別しない」というダイバーシティにとどまらず、価値観や嗜好なども含めた人間性を尊重し合う深層的なダイバーシティがこれからますます求められていくでしょう。

小学生の子どもにも伝えたい!9つの「日本の課題」

社会問題のなかでも、日本の課題は特に身近で起こっており、お子さんのこれからの人生にも深く関わる可能性が高いでしょう。現在日本が抱える社会問題としては、次のようなものがあります。

・少子高齢化

・人口減少

・介護問題

・長時間労働

・待機児童

・後継者不足

・人材不足

・貧困問題

・ジェンダー格差

それぞれ詳しく見ていきましょう。

少子高齢化

日本が抱える社会問題のなかでも代表的なのが、少子高齢化です。少子高齢化とは、高齢者の割合が増加し、若年層の割合が減少する現象を指します。世界的に見ても、日本は少子高齢化が深刻な国です。これからますます進んでいくことは間違いありません。

社会保険制度の破綻や生産年齢人口の不足などは、少子高齢化による問題のひとつです。日本の課題ともいえるこの現状を解決していくために、女性が出産や子育てをしやすい環境づくりが求められています。

人口減少

少子化による人口減少も、現代の日本の課題です。2023年1月時点で日本の人口は14年連続減少しています。人口減少による社会保険制度の負担の増加や労働人口の不足は、これからますます深刻化していくでしょう。

人口減少の背景にあるのは、結婚観の変化と子育てへの経済的不安です。ひと昔前までの「結婚や出産をするのが当たり前」という固定概念が取り払われ、結婚や出産は人生の選択肢の一つとなっています。非婚化、晩婚化が進み、経済的な負担から出産を選択しない人も増えているのです。

介護問題

高齢社会の日本では、介護も深刻な社会問題となっています。平均寿命は世界一で、人生100年時代ともいわれています。長生きは喜ばしいことであるはずですが、日本人の寿命が延びたことにともなう問題も発生しているのです。

多くの人の寿命が延びたことにより、一人ひとりの介護期間が長くなり、社会保障費の増加につながっています。また、高齢化した両親を介護する子どもたちも高齢者である「老老介護」になるという、これまでになかった問題も見られるようになりました。

長時間労働

日本が抱える社会問題には、長時間労働も存在します。具体的に「何時間以上働くと長時間労働」という基準はありません。労働基準法が定める労働時間は1日8時間、1週間40時間ですが、多くの人がそれ以上に働いているでしょう。しかし、長時間労働は、過労死や自殺など人の命に関わる問題をも引き起こすおそれがあり、軽視できるものではありません。

日本の長時間労働は、2003年をピークにゆるやかながら減少しています。それでも、欧米諸国と比べればまだまだ高いのが現状です。

待機児童

子どもたちが必要なときに保育所に入所できない待機児童の問題も、日本が抱える社会問題です。核家族化、共働き世帯の増加、保育士の不足などが原因として考えられ、少子化をますます進行させる要因ともなっています。

さまざまな対策により待機児童は減少してきているといわれていますが、今もまだ困っている家庭がたくさんあるのが現状です。

後継者不足

日本企業の後継者不足も年々深刻化しており、今では社会問題の一つとなっています。特に中小企業では、65%が後継者不足といわれるほど。

原因の一つとしてあげられているのが、経営者の高齢化に対して、事業を引きつぐ子どもがいない少子高齢化問題です。また、親族内での継承を希望する企業の減少や、親子間での事業継承についての考えのギャップなども後継者不足の要因となっています。

人材不足

人材不足が慢性化していることも、日本が抱える社会問題です。医療、福祉、運輸、建設などの職種での人材不足が特に深刻だといわれています。少子高齢化により、今後ますます問題が深刻化していくことが予想されるでしょう。

人材不足の解消のために、外国人労働者の受け入れも増えています。日本語レベルの高い外国人技能実習生の実習先として、介護の分野も加わりました。しかし、日本に来る外国人が増えるなかで、その受け入れ体制がまだ整いきっていないのも事実です。

貧困問題

貧困問題と聞くと、発展途上国などが抱える問題のように感じるかもしれませんが、実は日本が抱える社会問題のひとつです。貧困には、衣食住に困り人間として最低限度の生活を送ることができない絶対的貧困と、国民の年間所得の中央値の50%に満たない所得水準の相対的貧困が存在します。

日本では、実に7人に1人が貧しい水準で暮らす必要に迫られる相対的貧困に陥っているといわれています。特に女性の一人親世帯が相対的貧困の状態にあることが多く、子どもの貧困にもつながる深刻な問題です。

ジェンダー格差

日本は、先進国のなかでもジェンダー格差の大きい国だといわれています。世界経済フォーラムが発表した2023年版ジェンダーギャップ指数では、日本は146カ国中125位でした。もともと順位が低かったうえに、前年より9ランク落として過去最低の記録となっています。

分野別のスコア自体は横ばいですが、各国のスコアが年々上がっていることで順位を落としている現状です。本腰を入れて男女共同参画に取り組んでいかなければ、日本は取り残されてしまうでしょう。優秀な女性が海外に出て行ってしまう可能性も高まります。

世界が抱えている社会問題

世界が抱えている社会問題も、決して日本の生活と切り離されたものではありません。例えば下記のような問題が挙げられます。

・世界中で行われている戦争や紛争などの政治的問題

・貧困・格差社会

・人権・ジェンダーギャップ

・自然災害・未知のウイルスの存在

・資源の枯渇や気候変動などの環境問題

・移民問題

日本だけでなく、世界の社会問題も知ることで、日本の課題についても理解が深まるでしょう。それぞれ詳しく解説していきます。

世界中で起こっている戦争や紛争などの政治的問題

世界では、政治の問題や思想の違いなどにより、戦争や紛争が起こっています。世界的に見ても日本は平和な国であるぶん、自分で意識してアンテナを張っていないと、そういった問題を見逃してしまいそうになりますよね。

けれど、世界で起こっている戦争や紛争は、日本にとって遠い国で起こっている無関係の事柄ではありません。戦争や紛争の動向は世界の政治や経済の動きに関係し、日本にも影響を及ぼすのです。

貧困・格差社会

日本でも貧困や経済格差の問題がありますが、世界には日本国内以上に大きな格差が存在しているのをご存じでしょうか。古くからの階級制度や、紛争、戦争、宗教など、さまざまな要因により、貧困や格差が生み出されています。

国家間の格差もありますが、特に途上国では国内での都心部と田舎の格差も広がっているのが現状です。また、貧困世帯では、学習や技術習得の機会が少ないことから、格差は多くの場合、親から子へと引き継がれていきます。

人権・ジェンダーギャップ

先進国のなかでジェンダーギャップが大きいといわれている日本ですが、世界にはより深刻な差別や人権問題を抱える国もたくさん存在します。

女性が教育を受けることが当たり前ではなかったり、働けなかったりする国や地域も少なくはありません。つい最近まで女性の車の運転を禁止していた国もあります。場所によっては、日本では当たり前とされている人権が認められていない場合もあるのです。

自然災害・未知のウイルスの存在

世界が共通して抱える社会問題として、自然災害や未知のウイルスの問題があげられます。特に自然災害が起こりやすい場所や地形に位置している国もあり、日本もその一つです。

また未知のウイルスに関しては、世界が一丸となって対応する必要があるでしょう。人やモノが国を超えて行きかう現代社会では、適切に対処しなければあっという間に世界中に広がってしまいます。

資源の枯渇や気候変動などの環境問題

資源の枯渇や環境問題なども、地球全体で「自分ごと」としてとらえるべき社会問題といえるでしょう。これまで人間の生活を豊かにするために地球にかけていた負荷が、さまざまな国や地域で気候変動などの形であらわれています。

有限な資源に頼りきりの生活もこれ以上続けることはできません。世界中にサステナブルな取り組みが求められているのは、このような背景も関係しているのです。

移民問題

移民とは、本来の居住地を離れて移動した人のことです。移民のなかには、紛争や迫害などやむをえない理由により自発的でなく移動を迫られる難民と呼ばれる人々も含まれます。

合法的な手段をとらずに入国する不法移民は、移民に関連して起こる問題のひとつです。また、大量の移民の流入による治安の悪化や安全保障の問題、また必要以上に不安をあおる報道などもあります。誤った情報の認識は、移民の受け入れをさらに阻害する要因となるのです。

子どもに社会問題を伝えるときの方法・コツ

「子どもに複雑な社会問題を伝えるのは難しい」と感じるかもしれません。しかし、大人が気負ってすべてを教える必要はなく、まずは興味を持つきっかけを作ることが大切です。ぜひ以下の3つのコツをおさえて、社会問題に関心を持ってもらえる伝え方をしてみてください。

・特定の政治や思想に偏らない

・身近な友達や漫画のキャラクターに例える

・自分で調べる方法や、情報リテラシーについても教育する

特定の政治や思想に偏らない

お子さんが先入観を持たずにフラットな状態で社会問題を把握するためには、特定の意見や考えだけに囚われずに伝える必要があります。誰かに物事を伝えるときには、どうしても自分の価値観に偏ってしまいがちになるので、特に事実だけを伝えるように意識するようにしてみてください。

多くの社会問題はさまざまな側面を抱えており、置かれた立場によって捉え方も変わってきます。お子さんが多様な立場からの視点を持ち、世界や日本の問題を考えられるようサポートしましょう。

身近な友達や漫画のキャラクターに例える

お子さんに社会問題を身近なものに感じてもらうためには、友達や漫画のキャラクターに例えて伝える方法も有効です。どんなに大きな社会問題でも、本質は私たちの身近な生活と同じもの。私たちの生活のなかに、社会問題の縮図があります。

社会問題に興味を持つためには、「自分ごと」としてとらえることが欠かせません。お子さんが社会問題を身近な問題として認識できるよう、ぜひ馴染みのあるものや親しみを感じている人を例え話に使ってみてください。

自分で調べる方法や、情報リテラシーについても教育する

大人でも理解が難しい複雑な社会問題について、お子さんに「きちんと教えなくては」と思うと、プレッシャーに感じてしまうかもしれません。しかし、保護者様がすべてを理解して教えなければならないわけではありません。お子さん自身で問題を調べるきっかけとすることが大切です。

事実を正しく伝えるよりも、自分で情報を調べて取捨選択していく方法を教えていきましょう。また、情報リテラシーについて伝えておくと、自分で得た情報を適切に活用できるようになるため効果的です。

現代に求められるスキルを養う習い事は「プロクラ」

お子さんが社会問題に向き合う力を培う方法として、プログラミング学習がおすすめです。プログラミングの学習では、スキルだけでなく、論理的思考力や想像力など社会問題について考える力も身につきます。

プロクラでは、自分で考える習慣や新しいことにチャレンジする姿勢、他の子どもたちと学び合う体制を大切にしています。グローバル化、情報化が進むVUCA時代において、プログラミングスキルやプログラミングを学びながら身につけた能力は、きっとお子さんが豊かな人生を生きるために役立つものとなるはずです。お子さんのプログラミング学習に興味がある方は、ぜひプロクラにおまかせください。

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