プログラミング教育情報
学校のタブレット端末、どう扱う?保護者様ができることや注意点
拡大する小学校のICT教育。保護者様ができるサポートは?
未来を生きる子どもたちに必要な能力としてデジタルスキルが挙げられます。なかでも小学校のICT教育は、新たな時代に適応し、未来を担う人財を育むための鍵です。デジタルツールの使用だけでなく、情報を効果的に活用して問題解決や表現力を高める能力を育みます。
しかし、保護者様にとってICT教育やデジタルツールの活用など、家庭でどのようにサポートしていけばよいのか悩むことでしょう。この記事では、ICT教育の意味や現状、取り入れる際のメリットや注意点をくわしく解説します。
保護者様が知っておきたい!タブレット学習に関連する用語集
2020年からプログラミング学習やGIGAスクール構想などが取り入れられ、各学校でもICT教育のさらなる充実が図られています。ここでは、保護者様が知っておきたい学校のタブレット学習に関連する用語を解説します。
ICT教育
ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略語で、情報を収集、処理、伝達するための技術やシステムを指します。ICT教育の目的は、ICTを活用した教科指導や校務の情報化を通じて教育の質を高めることです。
ICTを理解し活用するスキルは2020年度から言語能力と同等に扱われ、子どもたちは基礎的な知識や技能、思考力、表現力を身につけます。ICT教育を通じて、彼らは未来を切り拓く力を形成できるのです。
GIGAスクール構想
GIGAスクール構想は2019年に文部科学省が提唱した教育改革です。GIGAとは「Global and Innovation Gateway for All」を指し、すべての子どもたちに一人1台端末と高速通信ネットワークを整備することで個々に最適な学習を提供します。
構想の目的はICTスキルや創造性、論理的思考力を育成し、子どもたちの多様な学び方を促進することです。GIGAスクールが新しい教育を目指す「目標」であるのに対し、ICT教育はGIGAスクールを実現させる「手段」として位置づけられます。
プログラミング学習
プログラミング教育は2020年度以降、小学校、中学校、高校での必修化が本格的に始まりました。プログラミングはコンピュータが理解できる言語を使用し、指示を順番に出したり意図した動作を実現したりするスキルです。
プログラミング教育の目的は、子どもたちの論理的思考や問題解決能力を育むことです。IT化するグローバル社会で柔軟に対応するだけでなく、予測不可能な状況にも対処できる思考力を養うことが目指されています。
タブレット学習の利点
学校のタブレット学習は子どもたちの学びを豊かにし、デジタル社会に対応し得る能力を育成するうえで重要です。以下に、学校のタブレット学習がもたらす効果やメリットについて詳しく解説します。
学校に行けないときでも学習を進められる
タブレット学習は災害や病気などで学校に通えない状況でも、子どもたちが学習を進められる柔軟な学びのスタイルです。学校が休校となったとしても、オンライン教材や学習アプリを利用すれば自宅で必要な知識を習得でき、学習の遅れを最小限に抑えられます。
個別の進度に合わせて学び直せるため、理解が追いつかないと感じたときに追加のサポートが受けやすいのがメリットです。タブレット学習は従来の教育手法と比べて、異なる状況やニーズに合わせた学びを提供できるといえるでしょう。
子ども時代からITを身近に感じられる
学校にタブレット学習が導入されたことで、子どもたちはITを身近に感じる機会が得られます。その背景として以下の3点が挙げられます。
- 自分で触れたり操作したりする活動は学習意欲を刺激する
- 直観的で視覚的な学習経験は理解力を補う
- 自由なコミュニケーションスタイルを楽しめる
子どもたちはデジタルツールに親しみながら、問題解決能力や思考力、表現力などを形成していくでしょう。ITを身近に感じられるのは、将来的なデジタル社会における自信にもつながります。
学校からのお知らせを確実に共有できる
タブレット学習は、学校と家庭の円滑なコミュニケーションを支援します。デジタルデバイスを通じて学校からのお知らせや連絡事項は瞬時に保護者に届けられ、確実に共有されます。
情報伝達を円滑にする環境が整っていれば、迅速かつ効果的なコミュニケーションが可能になるのです。保護者様は学校側から最適なタイミングで子どもたちの学習や生活状況を把握でき、家庭において適切なサポートを提供できるでしょう。
デジタルデバイスならではの学習に触れられる
学校のタブレット学習は、デジタルデバイスならではの学習体験を提供します。双方向のやり取りが可能な教育コンテンツを通じて、子どもたちは教科書だけでは得られない情報にアクセスできます。
子どもたちの学習をサポートする要素は以下のとおりです。
- 視覚的で動的な学習素材(Youtubeなど)
- 学習アプリ(ゲーム的な要素も含まれる)
- 双方向でやり取りできるオンライン学習
以上は子どもたちの興味を引き、主体的な学びを促すでしょう。デジタルな学習環境は従来の学習とは異なる学習スタイルを提供し、子どもたちの好奇心や学習意欲を高める効果を発揮します。
教員が学習進捗を把握しやすい
タブレット学習によって、教員は子どもたちの学習進捗をリアルタイムで把握しやすくなるでしょう。専用のプラットフォームやアプリケーションを通じて、子どもたちの到達レベルや課題への取り組み具合をすぐに確認できます。
従来のように全体で指導する方法では、授業に追いついていけない子どもたちが生まれる可能性があります。しかし、タブレット学習であれば個別の子どもたちに適した学習内容を提供しやすく、取りこぼしを防ぐメリットがあります。
タブレット学習の問題点
タブレット学習はメリットがある一方で、学校と家庭の連携に関する課題や移動による破損リスクなどのデメリットがあります。ここでは、5つの問題点について紹介します。
学校と学習の進捗を共有しにくい
学校と学習の進捗を共有しにくいとは、保護者様がお子さんの学習状況について学校側とうまくコミュニケーションを取れないことを指します。たとえば、保護者様にとって以下のような課題が考えられるでしょう。
- 学校からの情報を具体的にどう得たらよいのかわからない
- 学校で提示されるプラットフォームが複雑で使いにくい
- 学校との直接的なコミュニケーションが希薄になる可能性がある
- デジタルツールの利用に不慣れな場合は情報把握が難しい
以上のような要因が組み合わさることで、お子さんの学習進捗を学校と共有しにくい状況が生じる可能性があります。
通学時の荷物が増える
学校に導入されたタブレット学習は、通学時の荷物が増えるデメリットがあります。学校の授業では教科書やノートがまだ使われているため、それらに加えてタブレットを持ち歩く必要があるからです。
とくに低学年の子どもたちにとって、タブレットおよびその付属品の重量は身体に負担をかけるため注意が必要です。荷物が重すぎて登下校に支障をきたすことのないよう、持ち物の適切な選択が望まれます。
学校によってルールや学習内容が異なる
学校によってルールや学習内容が異なることは、子どもたちが受ける教育の進度に影響を与える可能性があります。タブレット学習が充実している学校と環境整備に遅れのある学校とでは、学力やスキルの差が広がってしまうでしょう。
タブレットがすべての子どもたちに行き渡るとはいえ、実際に活用できているかは地域や学校の特性に基づきます。各学校の多様性が発揮される一方で、社会全体で求められる共通の教育水準を確保するのが難しい場合があるのです。
破損や故障の可能性がある
子どもたちが学校内外でタブレットを持ち歩く際、事故や落下によって機器が損傷し、故障する可能性があります。また、子どもたちが機器の取り扱いに慣れていない場合、操作ミスや不注意によってデバイスが正常に作動しないリスクも考えられます。
破損や故障が生じれば修理や交換が必要になり、学習に支障をきたすかもしれません。また、保証の問題で学校と家庭との間にトラブルが生じる可能性もあります。
リスクを軽減するためには、丈夫で耐久性のあるデバイスや保護ケースの使用、子どもたちへの教育、トラブルに対処できるサポートや修理体制などが挙げられます。
子どもの環境によって能力に差が出やすい
タブレット学習は、学校だけでなく家庭環境によって能力に差が出やすい傾向があります。デジタルデバイスへのアクセスや操作に慣れ親しんでいる環境では、学習効果が高まります。しかし、保護者様がタブレットやパソコンに慣れていない、あるいは通信環境が整備されていない場合、子どもたちが取り残される可能性があります。
家庭のデジタルリテラシーや学習環境の格差を解消するためには、学校や保護者様が均等なデジタル教育の機会を提供し、子どもたちが安定した環境で学べるようサポートする必要があります。
学校のタブレットを取り扱う際の注意点
学校のタブレットを使う場合、故障や破損などのリスク、学習の進捗や方法に関する課題が生まれます。ここでは、学校だけでなく家庭でタブレットを取り扱う際に注意したい点について解説します。
保険適用の範囲を把握する
参考
学校のタブレット管理で重要な点は、端末や備品の保険適用範囲を把握することです。通常は学校が学習用端末保険に加入しています。
学習用端末保険の適用範囲は、以下のとおりです。
- 火災や落雷
- 風采や雹災、雪災
- 盗難
- 水濡れ
- 他物との衝突
- 破損や汚損など
置き忘れによる紛失や、故意による過失、地震や噴火、津波などで生じた損害などは補償対象とならない場合があります。保護者様は、学校側が提示する保険の範囲をしっかり理解し、万が一に備えてモバイル保険に加入することも検討しましょう。
遊びと学習にメリハリをつける
デジタル学習が手軽で楽しいため、子どもたちは長時間画面に集中し、遊びや体験から得る学びが疎かになる可能性があります。
遊びと学習のメリハリをつけるには、以下の手立てが重要です。
- 学習時間と遊びの時間を明確に設定する
- タブレット以外の教材や学習方法も取り入れる
- 目標や計画を策定する
学習時間や目標が明確であれば実行に移しやすいはずです。「タブレット学習は〇分間まで」「〇時〇分からは教科書とノートで学習」のように、時間や内容を区切って学習を進めると良いでしょう。
精密機器の取り扱いについて教育する
タブレットやパソコン端末の取り扱いは、慎重さが求められます。子どもたちには機器のデリケートな性質を理解させ、安全かつ丁寧に扱う方法を教えましょう。
子どもたちが実際に使っている様子を見て、気になる場合はその場で正しい使い方を実演して見せます。また、機器の役割や仕組みについての解説や、持ち方やケースへのしまい方、移動の仕方など細かな点についても教えます。
教育を通じて子どもたちは精密機器に対する興味をもち、将来につながる視点やスキルを育むことが可能です。
家庭の通信環境・学習環境を整備する
GIGAスクール構想やICT教育の実施において、家庭の通信状況など学習環境の整備は重要な視点です。ただし、家庭内での高速通信環境の整備が難しい場合もあるでしょう。
環境が整備されていなければタブレット学習の利点を生かしきれず、教育格差を広げることになります。学校や関係機関が家庭における学習環境をサポートできるかどうか検討することが必要です。
保護者様はタブレット学習を円滑に進めるためには何をどうすべきなのか考え、場合によっては学校の先生や専門家に相談することを検討しましょう。
家庭のなかでルールをつくる
子どもたちが健やかに成長し、学び続けるためには、家庭内でのルールの確立が大切です。お子さんの個性や発達段階に合わせた適切なルールを定め、家族全体でコミュニケーションを図っていきましょう。
たとえば以下のようなルール作りが考えられます。
- 机の上や部屋を整とんする
- 学習や生活のリズムを形成する
- 利用時間やコンテンツを考慮する
家庭でのルールを整え、しっかり守られることで子どもたちの学習習慣が身につきます。自己管理や時間配分のスキルを習得するのは、将来働くようになっても生かされるでしょう。
タブレットを身近に感じてもらうために…保護者様ができるサポート
学校のタブレット学習を円滑に進めるためには、子どもたちにタブレットを身近に感じてもらう必要があります。親しみをもってもらうには学校だけでなく家庭でのサポートも重要なポイントです。以下に保護者様ができるサポート方法を紹介します。
タブレットを用いた外遊びを取り入れる
タブレットを身近に感じさせるために保護者様が取り入れられる方法として、タブレットを用いた外遊びを促すことが挙げられます。
たとえば、自然散策中にタブレットを使って昆虫や植物について調査することも可能です。写真を撮って取りまとめれば収集を楽しめるほか、学習の蓄積になります。また、地図アプリを使った地域探索や歴史探訪も子どもたちがワクワクする遊びです。
ただし、夢中になりすぎて転倒したり事故に遭ったりするリスクもあります。安全な場所で活用し、タブレットの取り合いには十分注意することが肝要です。
音楽や絵など、タブレットで創作活動を行う
子どもたちにタブレットを身近に感じさせる方法として、保護者様が取り入れられるのは、音楽や絵などの創作活動です。タブレット上のアプリやツールを使い、楽器を演奏したり絵を描いたりすることでクリエイティブな一面を引き出します。
デジタルアートが作成できるアプリを採用すれば、タッチペンを使用して自由自在に絵が描けます。音楽系でいえば、楽しいリズムを作ったり、キャラクターを並べるだけで良い感じの曲を創作したりすることが可能です。
家庭でもタブレット教材を導入する
タブレット学習を通じてICTスキルを身につけるには、学校だけでは不十分です。家庭でもタブレット教材を導入して、子どもたちの学びや成長をサポートしましょう。
タブレット教材は柔軟な学習環境を提供し、自分で学ぶ機会を増やします。また、デジタル技術の理解や技術力向上につながり、家庭と学校の連携を強化するメリットもあります。
子どもたちの興味を引くタブレット教材を選定して学習意欲を向上させましょう。継続的な学びを重視し、将来につながる能力の育成を図る取り組みが求められます。
学校のタブレット学習の効果を引き出す習い事は?
学校のタブレット学習の効果を引き出すために、保護者様として「どのような習い事が有効なのか」気になることでしょう。タブレット学習は、動画や音声で視覚や聴覚からも学びを深められる点に良さがあります。
このため、以下の習い事がタブレット学習の効果を引き出すと考えられます。
- ピアノやエレクトーンなどの音楽教室
- 絵や工作の教室
- 英会話や英語スクール
- プログラミング教室
音楽は聴覚を鍛えるとともに、指先などの感覚形成にも良い影響を与えるでしょう。美術的な学習は、制作の行程で美的センスやデザイン感覚を養います。英語についてはアルファベットに親しみやすく、文字変換の理解や操作を容易にさせるでしょう。
プログラミング学習は直接タブレットに触れながら、ICTスキルや論理的思考力や表現力など多様な技能習得を可能にします。
学校や家庭でのタブレット学習と習い事を関連づける視点が必要です。柔軟で創造的かつ深い学びを実現していきましょう。
タブレット学習を得意にするなら「プロクラ」
学校のタブレット学習は将来を担う子どもたちにとって必要な学びです。タブレット学習の導入によって、子どもたちは問題解決能力や情報処理活用力、表現力など、予測不可能な状況に対応しうるスキルを習得できます。
保護者様は学校におけるタブレット学習を通じて、家庭でもタブレットに親しむ機会をつくるように心掛けましょう。その際、活用のルールを一緒に確認することが大切です。また、通信環境を整えたり学校のタブレット学習を補ったりする活動が求められます。
「プロクラ」では学校のタブレット学習を補完しつつ、子どもたちの可能性を最大限に引き出すプログラムを提供しています。タブレット学習をより充実させたいと思っている保護者様は、お子さんと一緒に「プロクラ」の体験教室に参加してみてください。
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