プログラミング教育情報
思考ツールとは?シンキングスキルを磨くツールや活用例を紹介
思考ツールを使って考える力を磨く!
自分の考えがまとまらず、行動に移せなかったりコミュニケーションに弊害が生まれたりした経験はありませんか?
私たちは常に、頭の中で曖昧なイメージや概念を抱えて生きています。脳内イメージを視覚化させることで、より自分らしい生き方を選べたり、他者との関係性を円滑に築けたりします。
脳内の視覚化に役立つ方法として挙げられるのが、思考ツールです。今回は、思考ツールの意味や種類、思考ツールを導入するメリットなどをご紹介します。
思考ツールとは?
ここでは、思考ツールの意味や目的をご紹介します。思考ツールは子ども教育のためだけではなく、ビジネスシーンや普段の生活でも役立つ手段です。お子さんの特性に合った思考ツールを選ぶことで、将来の可能性もさらに広がっていくでしょう。
考えを整理して見えやすい形に表現するためのツール
思考ツールとは、自分が考えていることを整理し、見えやすい形で表現するためのツールです。おもに分類・比較・関係づけ・順序立てるために思考は用いられます。思考という形のない概念をツールで視覚化・構造化することで、脳内の情報を整理し、物事を複合的に考えられます。
ツールには「道具」という意味がありますが、思考ツールで用いるのは平面的な表やイラストです。紙や画面上のプラットフォームで、思考を明文化したうえで文字で落とし込み、思考ツールならではの記号や図形を用いながら情報をまとめていきます。
シンキングスキルを磨くツール・活用例一覧
思考ツールでは、考える力=シンキングツールが磨かれます。シンキングスキルは、お子さんの学習効果や自己理解につながる能力です。ここでは、シンキングスキルを磨く思考ツールや活用例をご紹介します。思考ツールごとの特徴を学び、お子さんに合ったタイプを選んでいきましょう。
ベン図
ベン図は、幅広いシーンで使われる代表的な思考ツールの一つです。一つの思考や概念に対して一つの円を用い、複数の円が交わる部分=共通点を探していきます。同時に、円が交わらない部分=相違点の発見も可能です。
たとえば「水素(H2)」という円と「酸素(O2)」という円を用い、2つの円の一部が交わるように描いた際、交わった部分は「水(H2O)」になり、交わらなかった部分はそのままです。共通点と相違点が生まれるプロセスを深掘りすることで、学習に広がりが生まれます。
ステップチャート
ステップチャートは、タスクに優先順位をつけたり、プログラミング的思考を養ったりするために役立つ思考ツールです。基本的には、最初に目標・ゴールを設定し、実現・到達までに必要なプロセスを順序立てて記載していきます。
「やりたいことがあるけれど、何から着手すればいいのかわからない」ときにピッタリの思考ツールです。ステップチャートでは、最終的に「スタート・A・B・C・D……ゴール」のように、一本の道筋ができる状態を目指します。
イメージマップ
イメージマップは、新しくアイデアを得たり、問題の背景を紐解いたりするために役立つ思考ツールです。まず中心に1つマスを書き、マスのなかに現在抱えている課題を記載します。マスから複数の線を引き、課題を解決するために必要な要素をできるだけ多く書き出していきます。
そして増えたマスごとにさらに背景を細分化し……といったように、一つの情報から複数の情報を関連づけていくプロセスがイメージマップの特徴です。
フィッシュボーン図
フィッシュボーン図は、名前の通り魚の骨のような形が特徴的な思考ツールです。おもに、一つの事象に対する背景や原因を明確にするために用いられます。
魚の頭にあたる部分に現状や事象を記載します。そして頭に近い骨の部分に、表面的な理由を記載するのです。次の骨には、表面的な理由に隠された小さな原因を記載します。原因をどんどん深掘りしていくにつれ、本質的な改善点が明らかになっていきます。
Xチャート
Xチャートは、複数の視点から物事を考えるときや、多角的に分析したいときに役立つ思考ツールです。まず紙や画面を、大きく「X」を描くように4分割します。
その後、マスごとに異なる条件やテーマを決め、それぞれのマス内に沿ったアイデアや情報を書き込みます。条件によって異なる発想やアイデアを同時に視覚化できるため、自分と他者の意見を比べたり、現在の条件に最も適したアイデアを選びやすくなったりする方法です。
マトリクス
マトリクスとは、2軸思考法とも呼ばれる思考ツールです。縦と横にマス目がある表を記載し、縦横ごとに交わるマスに情報を記載していきます。
集計したデータを視覚化したいときや、効果的にターゲットや目的を設定したいときに役立つツールです。必要性に応じて、X型マトリクスやL字型マトリクスなど、形状を変化できる点も魅力です。
KWLチャート
KWLチャートとは、教材を効果的に読ませるために考案された思考ツールであり、教育の手法です。KWLチャートでは、K・W・Lの3つのマスを用意し、それぞれに以下のテーマで情報を記載していきます。
- K……What I know:自分が「知っている」こと
- W……What I want to know:自分が「知りたい」こと
- L……What I learned:自分が「学んだ」こと
上記の情報を視覚的に整理することで、より効率的な学習につながり、自分の状態も整理しやすくなる点がメリットです。また知識を他者ともシェアしやすくなるため、円滑なコミュニケーションや授業の質の向上が期待できるでしょう。
思考ツールを使う理由
ここでは、子ども教育で思考ツールを活用する理由をご紹介します。思考ツールによって育まれたシンキングスキルは、学習効果の向上・人間関係の構築・自己管理力の向上など、幅広いシーンで役立ちます。思考ツールを活用してお子さんの力を育み、将来の可能性を広げていきましょう。
物事の関係性を明確できるから
思考ツールを使う理由として、物事の関係性を明確にすることが挙げられます。たとえば自分が理由もわからずイライラしているときに、思考ツールによってイライラ感の背景や文脈を分析できれば、本質的な原因に応じた解決方法を提案できるでしょう。
人間の感情や思考の背景には、さまざまな原因や知識が複合的に絡み合っています。思考ツールは、現状を細分化して客観的に把握するためのツールです。大小の要素を視覚化することで、物事をより体系的に理解できるでしょう。
漠然としたイメージを明確できるから
漠然としたイメージを明確にできることも、思考ツールを使う理由です。たとえば、モチベーション・愛情・焦燥感・劣等感などは、形がなく曖昧な概念です。思考ツールを使えば、今までイメージでしか捉えられていなかった概念を、より高い解像度で理解に落とし込めます。
イメージを明確にするプロセスは、自己理解にはもちろん、他者に自分の思考を伝えやすくするためにも役立ちます。思考や概念を論理的に説明しやすくなるため、円滑なコミュニケーションの実現にもつながるでしょう。
考え方や意見を比較しやすいから
思考ツールを使うことで、自分の考え方や意見を他者と比較しやすくなります。自分の脳内イメージや思考を他者に伝えるためには、概念を言語化するプロセスが求められます。しかし語彙力や論理的思考力が不足している場合は、相手にとって伝わりやすい言葉をなかなか選べません。
思考ツールの活用では、形のないイメージや思考を「見える化」できるため、自分の意見や相手の意見を視覚的に比べやすくなります。お互いの相違点や共通点を発見しやすくなるため、人間関係の構築に役立つとともに、より効率的な話し合いにつながるでしょう。
思考ツールを使った思考法を磨くなら「プロクラ」
今回は、思考ツールの意味や種類、思考ツールを用いる理由などをご紹介しました。子ども教育では、ゲームやイラストなどの知的好奇心を刺激する教材を通して、思考力を伸ばせるよう試みられています。お子さんの思考力を伸ばしたい保護者様におすすめの習い事が、プロクラです。
プロクラでは、子どもたちが大好きなマインクラフトの世界でプログラミングを学べます。「我が子には楽しみながら思考力を伸ばしてほしい」「自分の思考を整理整頓する力を養ってほしい」と考えている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。
関連記事