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デジタル世代・デジタルネイティブ世代とは?世代の特徴や指導方法
デジタル世代…デジタルネイティブ世代って何?
デジタルネイティブ世代とは、一般的に1990年代から2000年代に生まれた世代を指します。この世代は、生まれたときからインターネットやデジタル機器が身近にある環境で育ったため、デジタル技術に自然と親しみをもっています。しかし、自己表現や人付き合いの面で負の側面が指摘されていることも事実です。
この記事では、デジタルネイティブ世代の特徴を整理し、長所や短所について解説します。また、デジタル時代に対応するための適切な指導法も紹介するので、子どもたちの成長をより良く支援していきましょう。
デジタルネイティブとは|digital native
デジタルネイティブとは生まれたときからデジタル機器が身近にあり、親しんでいた人々を指します。以下に、デジタルネイティブの特徴を簡潔に紹介します。
インターネットやデジタル機器がある環境で生まれ育った人のこと
デジタルネイティブは、インターネットが身近にある環境で育った人々です。インターネットは1990年代に普及し始めましたが、特に1995年にMicrosoft社がリリースしたWindows 95の登場によって、一般の人々がインターネットに触れやすい環境が一気に整いました。
デジタルネイティブ世代は、デジタル機器を単なる道具としてではなく、生活必需品として利用しています。ツールを介したコミュニケーションや消費行動が主流となっており、SNSの利用やオンラインショッピングの普及が顕著であることが特徴です。
1990年代~2000年代生まれをデジタルネイティブ世代と呼ぶ
デジタルネイティブ世代という言葉には、何年から何年に生まれたかの明確な定義はないものの、一般的には1990年代から2000年代に生まれた人々が含まれます。2024年時点では、34歳以下の方がデジタルネイティブ世代といわれています。
デジタルネイティブ世代は、特にSNSの活用に抵抗感がありません。しかし、社会に出ると上司とのコミュニケーションが難しい、スマホしか使えないといった課題も見られ、世代間のギャップが感じられる場合もあります。
デジタルネイティブ世代の特徴
デジタルネイティブ世代は、仕事や生活の場面でデジタル機器を積極的に活用します。また、考え方が比較的柔軟である点も特徴です。ここでは、デジタルネイティブ世代の特徴を6つ紹介します。
わからないことはまず検索する
インターネットが普及したことで、調べ物が迅速かつ手軽に行えるようになったため、デジタルネイティブ世代は、知りたいことがあればインターネットで検索する習慣が根づいています。インターネット検索して上位表示された情報源を参考にすれば、不明点がほとんど解決します。
しかし、インターネットの情報には信頼性に欠けるものも含まれているため、情報リテラシーを高めることで信頼性できる情報源を選び出すことが重要です。
情報発信を積極的に行う
デジタルネイティブは情報発信に非常に積極的です。写真や動画を通じて自身のライフスタイルや考えを共有することが自然であり、SNSでの発信は自己表現の一環となっています。
たとえば、X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSを頻繁に利用しており、日常生活の一部として情報を発信しています。彼らにとってインターネットは単なる情報収集のツールではなく、自らの意見や経験を発信するためのプラットフォームなのです。
ネットのコミュニケーションに抵抗がない
デジタルネイティブ世代は、ネット上でのコミュニケーションに対してほとんど抵抗がありません。その理由は、幼少期からインターネットに親しみ、SNSやメッセージアプリを通じて日常的に友人や家族と連絡を取り合っているためです。
リアルタイムでのチャットやビデオ通話を駆使し、物理的な距離に関係なくスムーズにコミュニケーションを行えます。デジタルネイティブ世代はオンライン上のやり取りを自然に受け入れ、対面のコミュニケーションと同等に重視していることが特徴です。
情報を素直に受け入れられる
デジタルネイティブ世代は、ネット上の情報を素直に受け入れる傾向があります。たとえば、SNSやニュースサイトで見た情報に対して「すごいね」「いいね」と反応し、すぐに家族や友人などと共有する行動を取ります。
海外の情報も垣根なく受け入れる柔軟性があるため、異文化理解が進みやすいことも特徴です。しかし、フェイク情報に振り回される可能性があるため、客観的な視点で情報を受け入れる姿勢を身につける必要があります。
オンタイム志向
デジタルネイティブ世代は思いついたことをすぐにテキストや画像、動画で家族や友人に発信し、リアルタイムでの情報共有を非常に重視します。今の状況や感動を共有することで、一体感や反応の楽しさを味わいたい傾向が強いといえるでしょう。
現在はオンタイムでのマーケティングが重視される時代です。デジタルネイティブ世代のスピーディーなコミュニケーションスタイルは、企業の成長にとって大きな魅力になると考えられます。
価値観の持ち方が柔軟である
デジタルネイティブ世代は、オンライン上で異なる世代や文化をもつ人々と常に交流しており、多様な視点に触れる機会が多いとされています。そのため、偏見をもたずに物事を考える傾向があり、自由な表現や意見交換が可能です。
デジタルネイティブのこのような特徴は、グローバル化が進む現代社会において非常に重要です。価値観に対する柔軟な姿勢は、多様性社会の実現に大いに貢献することでしょう。
多様性を受け入れる傾向が強い
多様性を受け入れる傾向が強いデジタルネイティブ世代は、インターネット上で国や性別、年代、職業を問わず、さまざまな背景と価値観をもつ人々と触れ合えます。その結果、自然と多様性を受け入れる姿勢が育まれます。
特にSNSの活用を通じて、リアルタイムで多種多様な情報を瞬時かつ大量に受け取ることが可能です。このような環境で人々の多様な価値観を把握できれば、デジタルネイティブ世代は柔軟な思考が身につくと考えられます。
デジタルネイティブ世代の長所
デジタルネイティブ世代は、デジタル機器に親しんでおり、情報発信をスムーズに行えるといった特徴をもちます。以下に、デジタルネイティブ世代の長所を3つ紹介します。
デジタル機器に強い
デジタルネイティブ世代は幼少期からインターネット環境が身近にあったため、デジタルツールを活用する際も直感的に操作できます。
幼少期に自然と身につけたスキルは拡張的に向上するでしょう。たとえば、オンライン上での情報収集や日常的なコミュニケーションにとどまらず、新しいアプリやプラットフォームにも臆することなく対応できます。
情報発信がスピーディー
デジタルネイティブ世代は小さいころからデジタル操作に慣れているため、瞬時に自分の感動やおすすめしたい情報を発信し、オンライン上で自己表現の場を形成していきます。また、SNS上でのフィードバックを通じて他者とのつながりを深める姿勢も特徴の一つです。
デジタルネイティブ世代は効果的な情報発信方法やコンテンツの魅力を理解し、さらに自己表現力を高めていると考えられます。
柔軟な思想
デジタルネイティブ世代はインターネット上で国内だけでなく世界中の人々とつながり、異なる文化や背景に触れる機会を得ています。
実際に会わなくても多様な価値観に触れる経験は、デジタルネイティブ世代の視野をさらに広げるでしょう。視野が広がれば、新しいアイデアや解決策を生み出すための柔軟なアプローチを身につけることが可能です。
デジタルネイティブ世代の短所
デジタルネイティブ世代には「考えをもちにくい」「直接的なコミュニケーションを好まない」といった側面も見受けられます。ここでは、彼らの短所として3点取り上げ、それぞれについて詳しく解説します。
自分の意見を持たない
デジタルネイティブ世代はデジタルツールに親しみ、活用法を熟知しています。しかし、スマートフォンやパソコンで簡単に答えを得られるため、自分の意見をもつ前に他者の情報や考えに依存する傾向があります。
批判的な視点で物事を見たり、オリジナルの意見を形成したりする機会が失われるのは、主体性や自己表現能力の低下につながるでしょう。短所を克服するために、自分の考えを整理し表現する機会を積極的に取り入れることが重要です。
対人コミュニケーションが苦手
チャット上であれば、自分で文章を考えるゆとりがあります。しかし、対面コミュニケーションではその場ですぐに反応しなければならないため、デジタルネイティブ世代は直接的なやり取りが苦手だといわれます。
デジタルツールに頼りすぎることで、リアルな人間関係やコミュニケーションスキルに課題が生じる可能性があるため、注意が必要です。
情報に振り回されやすい
デジタルネイティブ世代は、ネット上の情報を自然に受け止める傾向がありますが、インターネット上の情報に振り回されやすいといった短所が見られるのも事実です。
特に衝撃的で誘惑めいた情報に流され、デマや拡散による社会的影響を受けやすい特徴があります。情報に左右されないためには、情報の信ぴょう性を確認したり、批判的思考で物事を見たりする姿勢が求められます。
デジタルネイティブ世代の教育とは
デジタルネイティブ世代が、自主的かつ協力的に生きていくために必要な教育について詳しく解説します。
プログラミング教育
文部科学省は2020年度から小学校でプログラミング教育を必修化しました。プログラミング教育は論理的思考力のほか、情報技術に関する知識と経験の蓄積・問題解決能力・創造力の育成など多様なスキルの形成を可能にします。
生まれたときからデジタルツールに親しみ、自在に扱うデジタルネイティブ世代にとって、プログラミング教育は応用的かつ実践的なスキルを身につけるうえで重要な学習です。
STEAM教育
デジタルネイティブ世代は単にツールを使うだけではなく、デジタル技術を理解し、応用する能力が求められます。そうしたスキルを身につけるためにはSTEAM教育が有効です。
STEAM教育は科学・技術・工学・芸術・数学を統合した教育法です。STEAM教育を受けることで、彼らは情報技術の背後にある原理を理解し、問題解決力を養います。さらに、多様な見方を用いながら、新しいアイデアを形にする力を習得できます。
デジタルネイティブ世代の指導方法
デジタルネイティブ世代に、プログラミング教育やSTEAM教育などの教育法を用いて教える際の留意点について、解説します。
自分で考える力を養わせる
デジタルネイティブ世代の指導法として、自分で考える力を養うことが重要です。保護者様はお子さん情報を提供するだけでなく、以下に留意して指導しましょう。
- お子さんの質問にすぐ答えず、「あなたはどう思うのか」「なぜそう思うのか」と問いかける
- 問題解決の過程を楽しむように促し、失敗に対しても寛容な態度で接する
問題が生じた際に保護者様がサポートするときも、お子さんの思考を邪魔しないよう、場合によっては待つ姿勢も大切です。難しい場合は選択肢を出し、少しでも自分で考える機会を与えましょう。
対人コミュニケーションの大切さを教える
対人コミュニケーションの重要性をデジタルネイティブ世代に伝えるためには、保護者様がリアルな対話を促進することが重要です。たとえば、次の点に注意しましょう。
- まずはお子さんの話を聞く姿勢を大切にする
- 家庭内で何かを決める際は、家族全員でディスカッションする
- カードゲームやスポーツなどアクティビティを取り入れる
以上のように保護者様の積極的な関与が、お子さんの対人コミュニケーション能力を向上させる鍵となります。
SNSやインターネットの正しい使い方を教える
デジタルネイティブ世代への指導法として、保護者様にはSNSやインターネットの正しい使い方を教えることが不可欠です。たとえば、お子さんがSNSを利用する際には、プライバシー保護や情報の信頼性に関する基本的な知識を共有しましょう。
オンラインでの情報共有では、相手に対する配慮を大切にすることを教えます。さらに、子どもたちがデジタル依存に陥らないよう、健全な生活習慣を身につけさせることも重要なポイントです。
指示ではなく、情報共有をする
「指示ではなく、情報共有をする」とは、保護者様がデジタルネイティブ世代に対して意思決定のプロセスに参加させる姿勢を指します。
たとえば、インターネットの安全な使用方法について、大人が情報や知識を提供し、子どもたちと意見を交換します。
家族内でデジタルツールの活用ルールを決める際にも、彼らに理由を説明したり、意見を尊重したりすることが肝要です。
時代にあった能力を伸ばす
保護者様がデジタルネイティブ世代に対して、時代にあった能力を伸ばすことは重要な要素です。たとえば、次のようなスキル形成が求められます。
- プログラミングやデジタルスキルの強化
- 対人コミュニケーションの育成
- リーダーシップの醸成
- プレゼンテーションスキルの形成
以上は、人間関係や職場での成功に不可欠です。保護者様はお子さんの個性や能力を見極めつつ、時代を意識した教育法を採用していきましょう。
デジタルネイティブ世代が心がけてほしいこと
デジタルツールの扱いに慣れているとはいえ、デジタルネイティブ世代の子どもたちは、さまざまな問題に直面する可能性があります。デジタルネイティブ世代は以下の点に注意が必要です。
インターネットは危険も潜んでいることを理解しておこう
デジタルネイティブ世代には、インターネットの利便性と共にその危険性も認識する必要があります。フェイクニュースや個人情報の漏洩といったリスクがあるため、情報を鵜呑みにせず、信頼性の確認やセキュリティ対策をしっかりと心がけることが重要です。
またネット上での振る舞いにも注意し、他者とのコミュニケーションや情報共有を安全かつ適切に行うことが求められます。
うまくデジタルを活用して、自分の力を伸ばそう
デジタル技術は現代社会の中心となっています。オンライン学習や学習アプリを通じて新しいスキルや知識を身につけるのは、自己成長と競争力の向上に不可欠です。
SNSやブログの活用は自己表現力を向上させ、情報を正しく評価する力や他者との関係構築力にも生かせます。デジタルに関しては、個々の才能が最大限発揮され、未来に向けて自信をもって歩めるように活用することが期待されます。
デジタルネイティブ世代の学びの場なら、プロクラ!
デジタルネイティブ世代は幼少期からデジタルツールに親しんでおり、新たな技術に柔軟に対応できる傾向がありますが、情報の扱いや自己表現に課題があることも事実です。
こうした状況を踏まえて、デジタルネイティブの子どもたちにプログラミング教育をおすすめします。特にプロクラでは双方向のコミュニケーションを促しながら、お子さんの新たな可能性を発揮させ、情報処理や活用力を育てます。
お子さんの成長をサポートする学びの場として、ぜひプロクラをご活用ください。
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