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ICT教育のメリット|文部科学省がICT教育を掲げる目的や現状、課題とは
文部科学省が掲げるICT教育とは
ICT教育とは、今までアナログでおこなっていた教育をデジタル化した手法です。社会が急速にデジタル化するなかで、教育のあり方も大きく変化しています。保護者様のなかには、ご自身が受けていた教育と現代の教育との違いに、不安を抱いている方もいるでしょう。
今回は、ICT教育の意味や目的、メリットや課題をご紹介します。子どもたちに求められる教育は、時代や社会の変化とともに変わっていくものです。今の子どもたちに必要な教育やスキルを知り、効果的な家庭教育につなげていきましょう。
ICT教育の目的
ここでは、ICT教育の目的を解説します。ICT教育の「ICT」とは「Information and Communication Technology」。つまり「情報通信技術」を指します。ICT教育では、デジタル技術とコミュニケーションの共存を重視した教育がおこなわれています。
デジタルリテラシーの育成
ICT教育の大きな目的の一つが、デジタルリテラシーの育成です。デジタルリテラシーとは、デジタル技術に関連する知識や、技術を活用する方法に対する理解などを指します。デジタル化が進む現代では、社会で活躍するためにデジタルリテラシーの育成は欠かせません。
またデジタルリテラシーの欠如は、社会のサービスを十分に受けられなかったり、デジタル犯罪に巻き込まれたりするリスクを上げてしまいます。デジタル社会におけるリテラシーは、自分の人生をより納得感あるものとするためにも必要な要素なのです。
学習の効率化
ICT教育は、学習を効率的に進めるためにも役立ちます。代表的な例が、デジタル教材の導入です。デジタル教材を活用すれば、生徒は自分のペースで学習を進められます。授業が終わった後も好きな場所・タイミングで教材に触れられるため、知識を深められる機会が増加します。
また授業でICTツールを導入すれば、生徒一人ひとりの理解度に合わせた教材を提供することも実現可能です。個別のニーズに応じた指導ができるため、学習時間に無駄がなくなります。学習におけるフィードバックの速度も上がり、学習サイクルがより早まるのもICT教育の利点です。
協働的な学びの実現
ICT教育では、協働的(同じ目的のために対等な立場で協力して働くこと)な学びの実現も目的としています。生徒同士が手を取り合いながら学びを進めることで、コミュニケーション能力や創造性、想像性など、幅広い非認知能力の向上が期待できます。
協働的な学びの代表例は、ディスカッションやディベート、グループワークなどです。とくにICTを用いた共同プロジェクトでは、役割分担をしながら協力するなかで、効率的に進捗管理をしながら課題を進められます。
学校と家庭の連携
学校と家庭がICTツールによって連携するのも、ICT教育の目的の一つです。ICT教育では情報通信技術を使って保護者とつながり、子どもの学習をサポートするための協力体制を築きます。学校での活動や学習の進捗などを共有することで、家庭学習の方向性も見つけやすくなるでしょう。
たとえばオリジナルの学習管理システムや、オンラインプラットフォームなどを用いることで、保護者は家にいながら子どもの学校での様子を把握できます。オンライン保護者会や面談、家庭で共有できるオンライン教材なども、連携するための方法といえるでしょう。
グローバルな人財人材育成
グローバルな人材の育成も、ICT教育の目的です。デジタル化は世界各国で拡大しており、日本は先進国の中では「ICT教育に後れを取っている」といわれています。基本的なICT知識・ICTリテラシーの獲得は、グローバル社会で活躍するためには必須です。
デジタル領域だけではなく、非デジタル領域でも、ICTに関連する技術は求められます。情報通信技術を用いたビジネスは、今後ますます拡大すると考えられています。ICT教育により鍛えられる能力は、将来の選択肢を広げるためにも役立つのです。
ICT教育をおこなうことによるメリット
ここでは、ICT教育をおこなうメリットをご紹介します。ICT教育では従来の教育に加え、デジタルツールやデジタルデバイスを用いたカリキュラムが導入されます。ICT教育ならではの利点を踏まえたうえで、子どもに必要なスキルを考えていきましょう。
教育の質が向上する
ICT教育のメリットとして、教育の質の向上が挙げられます。たとえば授業にICTツールを導入すれば、生徒一人ひとりの学習スタイルや進捗に合わせ、カスタマイズされた学習プランを提供することが可能です。
生徒は自分の苦手な部分に集中的に取り組めるため、画一的な授業を受けるよりも効率的に学べます。またプログラミングやシミュレーションなど、ICTツールならではの教材を用いることで、より主体的な学習につながります。
問題解決能力の向上
問題解決能力の向上も、ICT教育のメリットです。ICT教育では、実践的な問題解決のシミュレーションを試せます。たとえば現実に近い問題をシミュレーションして解決策を考えたり、デジタルツールを用いて仮想的な解決策を実践したりすることが可能です。
またICT教育ならではの利点として、フィードバックの早さが挙げられます。自分が解いた問題や実践した方法に対して、ICT教育ではすぐさま結果がデータとして反映されます。トライアンドエラーのサイクルが早まった結果、より効率的かつ効果的な問題解決を提案する力が身につくでしょう。
場所を選ばずに学習できる
場所を選ばずに学習できるのも、ICT教育の大きなメリットです。ICT教育では、パソコンやタブレットを用いた遠隔授業や、家にいたまま学習できるオンライン教材などが導入されます。
何らかの事情で通学できない子や、病気で欠席をした子でも、授業の内容を見返せるようになるのです。また、授業に出席した場合でも好きなタイミングで予習・復習ができるため、学力向上の大きなサポートになるでしょう。
情報共有がスムーズ
生徒・保護者・教師が効果的に情報をやり取りできるため、情報共有におけるコストを下げられることも、ICT教育の大きなメリットです。たとえば学習管理システムを活用することで、宿題・資料・テストなどを簡単に共有することが可能です。
今まで印刷してしか共有できなかったプリントも、クラウドストレージを利用すれば簡単に共有できます。資料もすぐにアップデートできるため、生徒たちは常に最新の情報にアクセスできます。
情報リテラシーを高められる
情報リテラシーを高められることも、ICT教育のメリットです。ICT教育では、日常的にデジタルデバイスやデジタルツールに触れます。授業内容によっては、生徒が自らインターネット環境を活用し、情報を収集する場合もあるでしょう。
情報検索スキルや、情報分析力が高まることで、情報化社会で生き抜くための力が養われます。またICT教育ではプレゼンを含むデータ発表の機会も多く、情報を取捨選択しつつ整理する力も鍛えられるでしょう。
ICT教育の現状と今後の課題
ここでは、ICT教育の現状と今後の課題について解説していきます。ICT教育は全国各地で広まっていますが、いまだに教育機関ごとの課題は尽きません。現状と課題を把握したうえで、家庭教育や習い事でフォローしたい要素を考えていきましょう。
参考:文部科学省「令和3年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)」
ほとんどの学校でパソコンやインターネットの整備は進んでいる
2024年現在、ほとんどの学校ではパソコンやインターネットの整備が進んでいます。文部科学省のデータによると、2022年時点で学校のインターネット接続率は99.4%。教育用コンピュータ1台あたりの児童生徒数は0.9人となっています。
教員のICT活用指導力でも高い数値が出ている
ICT教育の普及にともない、教員のICT活用指導力も上昇中です。とくに20代〜30代前半の多くの教員にとって、デジタル技術は物心がついた頃から存在しているテクノロジーです。効果的な活用により、学習の効率化は順調に進んでいるといえるでしょう。
まだ整備が進んでいない学校もある
ICT教育の課題として、学校施設によるICT環境の格差が挙げられます。たとえば普通教室への大型提示装置や統合型校務支援システムの整備などは、学校によってはまだ十分でない場合も。とくに学習者用デジタル教科書整備率は、2022年時点で半数にも届いていません。
情報過多により適切な情報をつかめない
ICT教育は、明確なカリキュラムが用意されているわけではありません。ICT教育に関連する情報や選択肢が多すぎることから、適切な情報をつかめず環境が整備しきれないケースも多いようです。また実際の授業も学校によって異なるため、学校ごとに教育内容に格差が生じていることも課題です。
ICT教育をおこなえる習い事をご紹介!
ここでは、ICT教育をおこなえる習い事をご紹介します。ICT教育は学校だけではなく、家庭教育や習い事によっても実践可能です。子どもが楽しみながら通える習い事を探し、将来役立つITスキルやリテラシーなどを養っていきましょう。
プログラミング教室
ICT教育をおこなえる習い事として大きな注目を集めているのが、プログラミングスクールです。プログラミングスクールでは、コード(コンピュータを動作させるための命令文)をコンピュータに書き込み、成果物の作成やコンピュータの操作をおこないます。
プログラミングの専門技術だけではなく、パソコンの基本的な操作方法や、セキュリティ関連をはじめとするIT知識が身につけられるのも大きなメリット。また質問できる環境が充実しているため、独学よりも挫折しにくく継続的な学習が期待できます。
ICT教育に関連する習い事をするなら「プロクラ」
今回は、ICT教育の目的やメリット・課題などをご紹介しました。小学生の子どもがICTに関連する習い事を始める際は、プログラミングスクールへの入学が推奨されます。子ども向けのスクールは、ロボットやゲームなどの楽しい教材を導入していることが特徴です。
同年代の友達と一緒にプログラミングを学べるため、お子さんの視野が広がりやすいのも大きな魅力。またプログラミングでは、論理的思考力・想像力・読解力など、さまざまな学習に役立つ非認知能力も鍛えられます。
「プロクラ」は、子どもたちが大好きなマインクラフトの世界でプログラミングを学べるスクールです。「習い事でもICT教育を導入したい」と考えている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。
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