近年話題になっている「怒らない子育て」。言葉のままでは勘違いされやすいですが、単に怒るのをやめて子どもたちを放っておいたり、子どもたちの言いなりになったりすることではありません。「だめ!」と感情的に怒るのをやめてみましょう、という子育て法のことです。
できることなら怒りたくないけれど、どうしてもつい……と思うかもしれません。ただ、ポイントをおさえれば簡単に改善ができます。
うまくいけば、保護者様にも子どもたちにもメリットが大きい「怒らない子育て」。ただし解釈を誤ってしまうと、子どもたちが間違った理解をしてしまったり、長期的な親子関係に悪影響を及ぼしたりしかねないため、注意が必要です。注意点やポイントを正しく理解したうえで、実践してみましょう。
「怒らない子育て」と「叱らない育児」に共通しているのは、できていないことばかりを指摘せずに、できたことをたくさん見つけて褒めてあげること。しかしながら「怒らない子育て」と「叱らない育児」、言葉は似ていますが考え方は全く違います。
「怒る」とは感情を相手にぶつけること。子どもたちは恐怖を感じて一時的には従いますが、また繰り返す可能性があります。強いストレスも与えてしまうためネガティブな側面をもっているのが特徴です。対して「叱る」とは、何がよくなかったのかを冷静に伝え、子どもたちによりよい方法を教えてあげることです。
悪い行動に対して感情のままに怒るのではなく、ポジティブな伝え方で子どもたちに理解してもらえるといいですね。
「怒らない子育て」は怒らなければいいというわけではありません。どういうものかをよく理解せずに勘違いをしたままでは、子どもたちに悪い影響を及ぼしてしまいます。認識が間違っていないか、今一度確認しておきましょう。
子どもたちの自由奔放な行動を見ているとついイライラして怒りたくなってしまいますが、怒るのをやめて放任することは大きな間違いです。「怒らない子育て」は放任と正反対。できたことを見逃さないために、子どもたちの様子をよく見る必要があります。
行動をよく観察し、できたことはどんな小さなことでも褒めてあげて、悪い行動をしたときには冷静にわかりやすく伝えましょう。放任は子どもたちにとって愛情不足に感じられる可能性があり、要注意です。
公共の場において周りの人に不快な思いをさせてしまうような迷惑をかけた場合には、きちんと叱る必要があります。してはいけないことは「だめだよ」と幼いうちからしっかりと教えてあげましょう。
他人に迷惑をかけても叱られないと、子どもたちは「悪いことをしても許される」と認識し、繰り返されることで誤った理解がどんどん悪化してしまいます。大切なことは感情的に怒らず、なぜしてはいけないのかを冷静に伝えることです。
我が家の子育てルールを、周りの大人にも強要するのは控えましょう。学校の先生や大人たちが子どもたちを叱ることには、必ず理由があるはずです。お子さんを思っての行動だと理解し、受け入れられると良いですね。
どうしても納得ができなかったときには、自宅へ帰ってからお子さんと話し合いましょう。一番やってはいけないことは、子どもたちの前で大人同士が言い合いをすること。子どもたちが「自分のせいだ」と感じ、大きなストレスを抱えてしまうので注意が必要です。
難しそうと感じる「怒らない子育て」ですが、ポイントをおさえるだけで簡単に実践できます。子どもたちの特性は十人十色で、怒りたくなるシーンも人それぞれ。状況に合わせてできることから始めてみましょう。
子どもたちの行動に対して怒りたくなったときには、怒るのをぐっとこらえて理由を聞いてみましょう。もしかしたら行動には子どもたちなりの理由があるのかもしれません。「そうだよね。そう思うよね。」と、まずは気持ちを受け入れてあげることが大切です。
子どもたちは自分の気持ちを保護者様に一番わかってほしいと思っています。もし子どもたちが感情的になっていても、気持ちを受け入れてもらえたと感じられたら、落ち着いて話を聞いてくれることもあり、親子の信頼関係を築くこともできます。
保護者様は子どもたちのできていないところばかりが気になってしまうものですが、できたことも同じくらい目を向けて褒めてあげましょう。褒めるときにはなるべく具体的にすると、子どもたちに気持ちが伝わりやすくなります。
大人が想像する以上に、子どもたちは褒められることに喜びを感じ、いつまでも覚えているもの。自信にもなり、何事もやる気をもって取り組んでくれるようになります。保護者様自身も怒るより褒めた方が気持ちが楽になるため、双方にとって良い方法です。
感情的に「だめ!」と怒るのではなく、なぜだめなのかを冷静に教えてあげましょう。たとえばスーパーで買い物中に子どもが走り出したとき。「走らない!」ではなく「他の人にぶつかったらけがしちゃうから走らないよ」と説明すれば、なぜ走ってはいけないのか理由がわかるため、子どもたちは走るのをやめやすくなります。
質問形式にすることもおすすめです。「ここは走っていいところだったかな」と聞くことで子どもたちは自分で答えを考え、行動にうつしやすくなります。子どもたち自身が「わかる」ことが大切です。
なぜだめなのかを淡々と言い続けても、子どもたちに伝わっていなければ意味を成しません。一方的に言われたり、感情的に怒られたりすれば、子どもたちはネガティブな感情でいっぱいになってしまいます。話の内容が頭の中に入らず、あとから振り返ろうとしても怒られた、叱られたという事実ばかりが優先されてしまい、大事な理由が記憶に残りません。
子どもたちの気持ちに寄り添い、わかるように「伝える」を心がけて話すだけでも、理解度は大きく変わります。
言ったとおりにできなかったり、何度言ってもわからなかったり、悪いところに目がいくとどうしてもイライラしてしまいます。イライラを回避するためにも、「わからない」「できない」が当たり前だと理解しておきましょう。
子どもたちが悪い行動をしたとしても、知らなかっただけで悪気はなかったのかもしれません。また、できないので時間がかかるのも仕方のないこと。心と時間に余裕をもって、お子さんと接することができるといいですね。
「怒らない子育て」は子どもにも保護者様にとってもメリットが大きい子育て法です。子どもたちは怒られすぎると「怒られないためにはどうしたらいいか」と考えるようになり、保護者様や周りの大人の意見を気にして素直な気持ちが言えなかったり、挑戦するのを諦めてしまったりする傾向があります。
「怒らない子育て」を実践すれば、子どもたちに過度なストレスを与えずに済むので、自分の意見を素直に言えるようになり、何でも挑戦しようとする心が育ちます。保護者様にとっても、怒りの感情でネガティブになったり自己嫌悪をしたりすることがないので、気持ちが軽くなります。
ただし、怒ってはいけないと気負いすぎると心の負担が大きくなるので、保護者様にとっても無理のない範囲で実践していきましょう。
「怒らない子育て」の実践を後押ししてくれる、子どもたちにおすすめの習い事がプログラミングスクールの「プロクラ」。プログラミングは知識や技術だけでなく、問題解決力や論理的思考力を身につけることができます。
特にプロクラでは「発表の日」があり、作ろうと思った理由や過程、頑張ったところを発表するカリキュラムがあります。自己分析や自分の意見を伝えられるようにトレーニングが可能です。教え方においても、答えだけを教えるのではなく、なぜ間違えたのかがわかるように答えを導く指導をします。
子どもたちの成長が実感できるプログラミングスクールの「プロクラ」。「怒らない子育て」の基本となる理由を理解する習慣を、プロクラで身につけませんか。
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