受験の願書にある、子どもの性格の記入欄…何を書く？

お子さんの受験を控え、願書に記入する「子どもの性格欄」で悩んでいる保護者様は多いのではないでしょうか。いざ文章にまとめようとすると、「明るくて活発」「優しい性格」といった一般的な表現ばかりになりがちで、どのように書き進めればよいか悩むこともあるでしょう。

多くの受験願書には、「お子さんの性格を記入する欄」が設けられており、150～200字程度の文章でお子さんの長所や短所を含めて伝えることが求められます。また、面接での受け答えと願書の内容に一貫性を持たせることも重要なポイントです。

本記事では、願書に子どもの性格を記入する際のポイントや、長所・短所の具体的な書き方、さらに子どもの成長につながる習い事の情報も紹介します。お子さんの個性がしっかりアピールできるよう、ぜひ参考にしてみてください。

なぜ受験願書に子どもの性格を書くの？

願書に子どもの性格を記入してもらう最大の目的は、入園・入学後に先生方が一人ひとりに適切なかかわり方を工夫できるようにするためです。たとえば、活発で友だちに積極的に声をかけられるお子さんには、グループ活動のリーダー役を担ってもらったり、人見知りでなかなか輪に入れないお子さんには、先生がゆっくり橋渡しをしたりと、性格特性に合わせた援助が可能になります。

また、願書の内容はクラス編成の際にも大いに参考にされます。お子さん同士の相性や、それぞれの個性を考慮したクラスづくりに生かされるため、保護者様が捉えているお子さんの姿を、できるだけ具体的に伝えることが大切です。

もちろん、子どもの性格は一朝一夕でわかるものではありません。日頃の行動や言動、家庭での様子などをこまめに観察・記録しておくと、願書を書くときに「この子の本当の姿」をしっかりと表現できるでしょう。

願書への子どもの性格の書き方

お子さんの性格を分かりやすく伝えるには、長所は具体的なエピソードを交えながら、短所は前向きな表現に言い換えたりするのがポイントです。普段の様子を思い出しながら、お子さんならではの個性を丁寧に書き表していきましょう。

長所は具体的に書く

「明るい」「素直」といった抽象的な表現にとどまらず、具体的なエピソードを交えてお子さんの良さを伝えましょう。たとえば、

「困っている友だちを見つけると、自分から声をかける思いやりがあります。園（学校）では年下の子の面倒もよく見る姿が印象的です。」

このように書くと、面接官はお子さんの行動イメージを持ちやすくなります。文章のなかで行動のきっかけや子どもの気持ちに触れると、さらに説得力が増すでしょう。

短所はポジティブに言い換える

お子さんの短所も、視点を変えると素晴らしい個性として光ることがあります。たとえば、

「マイペースで周りに合わせるのが苦手」という特徴
→ 「自分のペースを大切にし、流されずに行動できる」

のように、前向きな表現に言い換えるだけで、お子さんらしさや強みがきちんと伝わります。こうした保護者様の捉え方そのものが、園や学校との信頼関係づくりに役立つのです。

面接との一貫性を意識する

願書に書いた内容は、面接でも確認される可能性が高いです。子どもの性格を大きく盛ったり、短所を完全に隠したりしてしまうと、面接時に矛盾が生じるかもしれません。お子さんの実像に即した内容を、ありのままに書くのがベストです。

子どもの長所｜願書に使える例文まとめ

ここからは、具体的なエピソード付きの例文を紹介します。子どもたちの魅力を一人ひとり違った形で表現し、面接官にも伝わりやすい書き方を考えてみましょう。

笑顔でいる

• 例文：
  • 「朝からよく笑顔を見せ、友だちの笑顔も引き出せる明るい性格です。失敗しても『次は頑張る！』と前向きに切り替える姿勢があり、周りも元気づけられています。」
• ポイント：
  • 笑顔はクラスの雰囲気を明るくする力があり、積極性や柔軟性のアピールにもつながります。

健康的

• 例文：
  • 「体調を崩すことが少なく、いつも元気いっぱいに過ごしています。散歩や外遊びが大好きで、積極的に体を動かすことで友だちとの交流も広げています。」
• ポイント：
  • 健康的な生活習慣の裏には、自己管理能力や活発な性格が隠れていることをアピールできます。

真面目

• 例文：
  • 「持ち物の管理や整理整頓をきちんと行い、与えられた課題にはコツコツと取り組みます。最後まで諦めず努力する姿勢が印象的です。」
• ポイント：
  • 周囲の子どもたちに良い影響を与える可能性があるので、学習面や生活面での具体的なエピソードを補足するとさらに◎。

おだやか

• 例文：
  • 「落ち着いて行動できる穏やかな性格で、友だち同士のトラブルがあっても相手の気持ちを考えながら解決に導きます。」
• ポイント：
  • 冷静さや思いやりを強調し、集団生活での協調性やリーダーシップにも結びつけて書くとわかりやすいです。

優しい

• 例文：
  • 「年下の子を見つけると自然に手助けができる思いやりのある性格です。困っている子に『大丈夫？』と声をかける場面も多く見られます。」
• ポイント：
  • 相手を気遣う行動が周囲に与えるポジティブな影響を、具体的にアピールしましょう。

集中力がある

• 例文：
  • 「一度始めたことは最後までやり抜こうとする集中力があります。絵本の読み聞かせも熱心に聞き、内容をしっかり理解しているようです。」
• ポイント：
  • 取り組んでいる最中の表情や、集中しているときの具体的な行動などを添えるとリアルさが増します。

聞き上手

• 例文：
  • 「相手が話しているときはしっかりと目を見てうなずきながら聞き、自分の意見も柔らかく伝えます。友だちが安心して話せる存在です。」
• ポイント：
  • 「話す力」ばかりでなく「聞く力」があることを強調すると、コミュニケーション面での適応力をアピールできます。

ルールを守る

• 例文：
  • 「『お片付けの時間だよ』と声をかけられれば、すぐ行動に移し、周囲にも声をかけられます。約束事や順番をしっかり守ることが日常的に身についています。」
• ポイント：
  • 自発的に行動できる姿勢や協調性にもつながるため、「周りへの声がけ」など具体的なエピソードを入れるとベターです。

子どもの長所を伸ばすために保護者ができること

お子さんの長所を伸ばすには、具体的に褒めることが重要です。たとえば「優しいね」だけでなく「困っている友だちに『手伝おうか？』と声をかけられて本当に優しいね」のように、具体的な行動を指摘してあげましょう。

また、長所を伸ばせる環境づくりも欠かせません。集中力のある子には静かに作業できるスペースを用意したり、優しい心を持つ子にはボランティアや年下の子のお世話を体験させたりと、個性に合った環境を整えてあげると良いでしょう。

保護者様が「あなたのこういうところが素敵だよ」と認めてあげることで、お子さんは自分に自信を持ち、さらに自分の良さを発揮するようになります。

子どもの短所をポジティブに言い換え！例文も

お子さんの性格には、保護者様から見ると「短所」に思える面もあるかもしれません。しかし、見方を変えると長所として光ることも多いものです。ここでは、短所と思われがちな特徴をポジティブに言い換える例をいくつか紹介します。

人見知り｜慎重だが、打ち解けると仲良くなりやすい

• 例文：
  • 「新しい環境ではまず周囲の様子をよく観察し、慣れてくると友だちとの関係を深く築きます。」
• 解説：
  • 人見知りは慎重さの表れで、相手や状況をしっかり見極められる力ともいえます。

神経質｜感受性が豊かで繊細な心を持っている

• 例文：
  • 「細かいところにすぐ気づき、モノを丁寧に扱います。友だちの小さな変化にも敏感で思いやりのある行動が見られます。」
• 解説：
  • 神経質は観察力や感受性の高さと捉えられ、繊細な心配りをできる子という印象を与えられます。

落ち着きがない｜さまざまな挑戦を好む向上心がある

• 例文：
  • 「新しい遊びや活動に次々と興味を持ち、積極的に挑戦しようとします。好奇心旺盛で、いろいろな経験を楽しんでいます。」
• 解説：
  • 活発さや好奇心は、幅広い経験を積む原動力。将来性を感じさせる特徴です。

わがまま｜自己主張ができる

• 例文：
  • 「自分の意見や気持ちをしっかり言葉で表せます。『これがしたい』と目的が明確なので、取り組みへの意欲も高いです。」
• 解説：
  • わがままに見える行動は、主体性の表れ。うまく指導すればリーダーシップにつながることもあります。

頑固｜芯が強い

• 例文：
  • 「一度決めたことは最後まで諦めずにやり抜く意志の強さがあります。困難があっても粘り強く工夫を続けます。」
• 解説：
  • 粘り強さや意志の強さは、学習や習い事でも大きな武器に。周囲を引っ張る存在にもなり得ます。

マイペース｜周りに流されない

• 例文：
  • 「自分のペースを大切にし、集中しながら取り組みます。焦らず着実に成果を出せる力があります。」
• 解説：
  • 自分のテンポを守れる子は、自主性を持った考え方ができる証拠。周りと比べすぎない良さがあります。

泣き虫｜共感力が高い

• 例文：
  • 「嬉しいときも悲しいときも感情を素直に表現します。友だちの気持ちにも敏感で、思いやりある行動をとることが多いです。」
• 解説：
  • 感情表現が豊かなので、自分も相手も大切にできる可能性大。共感力は対人関係を深める大きな長所です。

受験でしっかり子どもの性格をアピールするために

願書における子どもの性格欄をうまく書くコツは、日頃のお子さんの様子を観察し、具体的なエピソードをメモしておくことです。嘘や誇張は避け、お子さんの「ありのままの個性」を伝えるほうが、入園・入学後のミスマッチも少なく、先生方がサポートしやすくなります。

• 短所を隠さず、ポジティブに言い換える
• 具体的な行動を挙げて説得力を高める
• 面接との一貫性を意識して書く

この3つを意識しながら、お子さんならではの魅力を丁寧にアピールしてみてください。先生方も「お子さんをしっかり見守っている保護者様なんだな」という印象を持ってくれるはずです。

子どもの成長に繋がる！おすすめの習い事

お子さんの性格や個性をさらに伸ばしたいと考える方には、さまざまな習い事も選択肢となります。性格や興味に合った習い事を選ぶことで、子どもにとって大きな成長のチャンスを得られるでしょう。

創造性を育む音楽教室や絵画教室

音楽教室では、演奏を通して自分を表現する喜びを知ることができます。リズム感や音感が養われるだけでなく、練習を重ねることで達成感を味えることも。

絵画教室では、自由な発想で描くことで想像力が広がるでしょう。また、色や形を組み合わせる過程で、物事を多角的に見る力も身につきます。どちらも豊かな感性を育む場となっており、特にマイペースな子や慎重な子には、自分のペースで取り組める環境としておすすめの習い事といえるでしょう。

協調性を育むダンスやスポーツ

ダンスでは、音楽に合わせて体を動かすことで、リズム感と表現力が身につきます。また、曲や仲間に合わせて踊ることで、仲間と心を合わせる喜びを感じられるでしょう。

スポーツでは、チームメイトと協力しながら目標に向かって頑張るため、協調性が育まれます。ルールを守る大切さを学びながら、友だちとの絆も深まっていくはず。特に、落ち着きのない活発な子や人見知りの子には、自然と友だちの輪が広がる環境として、成長の良いきっかけとなります。

主体性や社交性を育む英会話

英会話では、ゲームや歌を通して楽しみながら外国語に触れることができます。また、自分の考えを伝えようとする中で、積極的に発言する力が育まれるのです。

先生や友だちと英語でコミュニケーションを取る中で、相手の話を聞き取ろうとする姿勢も自然と身につきます。特に、好奇心旺盛な子や聞き上手な子には、新しい言葉や文化に触れながら視野を広げられる体験として、成長の機会が豊富な習い事といえるでしょう。

集中力を高めるそろばんやプログラミング

そろばんでは、短時間で数字を読み取り、正確に計算する力が求められます。集中して珠を操作する時間を重ねることで、目と手と頭を同時に使う高度な集中力が身についていきます。

プログラミングでは、自分なりに工夫しながら作品を作ることで、論理的思考力が育まれます。うまくいかないときも試行錯誤を重ねながら、問題解決力を身につけていけるのです。集中力を高めながら創造性も育める環境は、子どもたちの可能性を広げる機会となるでしょう。

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お子さんの性格には長所も短所もあるものです。しかし、それもすべて個性であり、短所だと思っていたことが将来の力になることもあります。保護者様の温かい支えがあれば、どのお子さんも無限の可能性を引き出せるはず。

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