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エリクソンの発達段階|年齢による発達課題について徹底解説!

エリクソンの発達段階とは

「うちの子、なんでこんな行動するんだろう?」と感じたことはありませんか?

子どもたちは、成長するにつれてさまざまな行動や考え方を見せるようになります。それを理解する手助けになるのが「エリクソンの発達段階」という理論です。

心理学者エリクソンが提唱したこの理論は、発達を8つの段階に分け、それぞれの段階で乗り越えるべき心理的課題を示しています。お子さんが今どの段階にいるのか、そしてその時期に見られる行動や感じることを知ることで、適切にサポートできるようになります。

今回は、8つの発達段階の特徴と課題、それをどのように子育てに生かしていったらよいかを紹介します。「エリクソンの発達段階」について学ぶことで、お子さんの成長をしっかり支えていきましょう!

提唱した心理学者、エリクソンの過去

エリクソンは、アメリカで最も影響力があった心理学者の一人で「アイデンティティ」という言葉の生みの親としても有名です。しかし、その人生はさまざまな困難を伴うものでした。

差別を受けた幼少期

エリクソンは、ドイツのフランクフルトで、ユダヤ系デンマーク人の母のもとに生まれましたが、父親はいませんでした。このような家庭環境から、幼少期には差別を受けることも多く、周囲から受け入れてもらえない孤独感を感じながら育ったといわれています。こうした幼少期の経験が、エリクソンのその後の研究、理論などに大きな影響を与えました。

アンナ・フロイトへの弟子入り

若い頃のエリクソンは絵画に興味を持ち、芸術家を目指していました。しかし、ウィーンでフロイト派の心理学に出会い、フロイトの娘である、アンナ・フロイトから大きな影響を受けます。彼女の指導を受けながら、エリクソンは心理学の道へと進む決心を固めたのでした。

発達心理学の領域での貢献

アメリカに渡ったエリクソンは、問題行動を起こす青年たちに対して心理療法を試み、高い治癒率を上げて注目されるようになります。

発達心理学者として知られるようになったエリクソンは「人生の8つの発達段階」を提唱し、それぞれの段階の課題や乗り越えるべきテーマを示しました。8つの発達段階には、それぞれに「心理社会的危機」が存在し、人間はその心理社会的危機を乗り越えることによって成長していく、というのがエリクソンの発達理論です。

エリクソンの理論は、教育、カウンセリング、家族療法など、さまざまな分野で応用され、今日でも多くの保護者様や教育者にとって重要な道しるべとなっています。

エリクソンの発達段階|年齢ごとの課題とは

エリクソンの発達段階理論では、人生を8つの段階に分け、それぞれの段階で直面する心理的な課題を示しています。この課題を乗り越えていくことが、その後の人生の健全な発展につながるのです。保護者様は、お子さんの成長段階と、それぞれの段階における心理的課題を知ることによって、適切にサポートできるでしょう。

乳児期(0〜1歳半)

乳児期の心理的課題は「基本的信頼 vs 基本的不信」です。乳児は周囲の人々、とくに養育者からの安定した愛情やケアを受けることによって、世界に対する信頼感を形成していきます。保護者様が愛情をもって世話することで「この世界は安心できる」と感じるようになるのです。

逆に、乳児期に必要なケアが得られないと、世界に対して不信感が芽生え、他者や周りの環境に対する警戒心を抱く可能性があります。

幼児前期(1歳半~4歳)

幼児前期の心理的課題は「自律性 vs 恥・疑惑」です。この時期のお子さんは、歩く、話す、食べる、といった基本的な行動を身につけ、自己主張や自己管理を学んでいきます。保護者様は、成功体験を増やせるようサポートしつつ、お子さんの自立心を育むことが重要です。

保護者様が世話を焼きすぎたり、失敗に厳しすぎたりすると、お子さんは「恥」や「疑惑」を感じ、自信を失ってしまいます。この段階で重要なのは、お子さんが自分でできることを尊重し、失敗しても受け入れてあげることです。失敗しても、保護者様が温かく見守り、応援してあげることで、お子さんは自信を持てるようになります。

幼児後期(4歳~6歳)

この時期は「自発性 vs 罪悪感」が心理的課題です。想像力や好奇心が旺盛になり、自分から新しいことに挑戦しようとする力が育ちます。この時期に、保護者様が叱りすぎたり、「ダメ」と言いすぎたりすると、お子さんは「罪悪感」を感じて、自分を表現したり、挑戦したりする意欲が低下してしまいます。

この段階で大切なのは、遊びや創作活動を通じて、自発性を育むことです。体を動かす、絵を描くといった活動の中で、お子さんが発想を広げたり、自由に自己表現したりできる機会をたくさん与えてあげるとよいでしょう。

学童期(6歳~12歳)

学童期の心理的課題は「勤勉性 vs 劣等感」です。学校生活や友達との関わりを通じて、自分の能力を発揮し、社会的な役割を理解していきます。成功体験を積むことで自信をつけて、次第に自分の能力を評価できるようになります。一方で、失敗や、周りとの比較をすることで劣等感を抱きやすい時期でもあります。

この時期に成功体験を積むことが、自己肯定感の向上につながります。スポーツやプログラミング教室などの習い事を始めるなど、お子さんが得意なことを見つけてあげるとよいでしょう。

青年期(12歳~20歳)

この時期の課題は「自我同一性 vs 役割拡散」です。青年期は、自己のアイデンティティを確立する時期です。この時期には、社会的な役割や自分の価値観、将来の進路について考える中で「自分とは何者なのか」を模索します。アイデンティティが確立することで、自分に自信を持てるようになり、社会での自分の位置づけを理解していきます。

一方で、アイデンティティが未確立であったり、周りからの期待に応えられなかったりすると、役割の混乱を抱え、将来に対する不安が強くなることがあります。保護者様の理想や期待を押し付けず、青年期のお子さんが、自分のやりたいことに挑戦できるように背中を押してあげましょう。

成人期(20〜40歳)

「親密性 vs 孤立」が心理的課題となるのが成人期です。友情や恋愛、結婚を通じて、他者との信頼関係を築いていきます。この時期に、親密な人間関係を築くことで安心感が得られ、心理的な健康や幸福感が高まるのです。

反対に、他者との関係において壁を作ってしまったり、孤独を感じることが多くなったりすると、精神的に孤立しやすくなります。

子ども時代の心理的課題をしっかりと乗り越えることが、成人期に親密な人間関係を築く基礎となります。保護者様がその準備を手助けすることで、未来の人間関係も良いものになりやすいでしょう。

壮年期(40〜65歳)

壮年期は「生産性 vs 停滞」が心理的課題です。この時期には、仕事での成功や、家族関係の充実を感じることで「生産性」が高まり、社会的な満足感を得ることができます。一方で、自分は何も成し遂げておらず、社会から孤立していると感じると「停滞感」に陥り、自己評価が低くなることがあります。

壮年期には、自己実現を感じながら、次世代を担う子どもたちや若者たちが、社会で活躍できるように成長を見守る役割が中心となります。

老年期(65歳〜)

この時期の課題は「自我統合 vs 絶望感」です。この時期には、人生を振り返り、自分の生き方に満足できるかどうかを感じることが重要です。自分の人生に納得し、満足できると「自我の統合」を得たといえます。これにより、安らかな老後を迎えることができます。

しかし、未解決の問題や後悔が多いと「絶望」を感じ、人生に意味がないと考えてしまうことがあります。この段階で自己の人生を受け入れることが、心理的な安定をもたらします。

人生を振り返ったときに、満足感を得るか後悔を感じるかが鍵です。家族と楽しい時間を共有し、次の世代へ知識や経験を伝えることが、自我統合に役立つといわれています。

エリクソンの発達段階を知っておくメリット

エリクソンの発達段階を知っておくと、お子さんの成長段階に応じた心理状態を理解することができます。子育てに迷ったときや、親子関係に悩んだときのヒントになるはずです。

自己理解が深まる

エリクソンの発達段階を学ぶと、自分が現在どの段階にいるのかがわかります。その時期特有の心理的課題や感情を客観的に理解できるため「なぜこう感じるんだろう?」という悩みやモヤモヤが解消されるでしょう。

また、お子さんの発達段階における心理的課題をあらかじめ知っておくことで、気持ちを理解し、適切にサポートできます。たとえば、学童期のお子さんが「劣等感」を感じやすいことを知っていれば、お子さんの得意なことを伸ばし、周りと比べないように気をつけることができるのです。

人間関係が円滑になる

エリクソンの発達段階を知っておくことで、相手が現在どのような心理的課題に向き合っているのか想像できるようになります。たとえば、思春期のお子さんが反抗的な態度を取るのは「自我同一性」を模索しているため。保護者様がその背景を理解して接することで、親子の衝突や関係の悪化を避けることができるでしょう。

また、大人同士の人間関係を築く際にも有効です。「この人は今、どの段階の課題に直面しているのだろう?」と想像することで、相手をより深く理解できるようになります。

心理的安心感を得られる

エリクソンの理論では、その段階の心理的課題を乗り越えることで、安心感や安定感が得られるといっています。お子さんの場合、発達段階に合った挑戦や成功体験を積むことで、自信をつけ、安定した心理状態で成長することができます。

保護者様としても、エリクソンの理論を知ることで「今のお子さんの状態は、発達段階の一過程なんだ」と気づくことができます。心配しすぎたり、干渉しすぎたりするのを防ぐことができ、心にゆとりを持ってお子さんの成長を見守ることができるでしょう。

課題達成により自己肯定感が上がる

各発達段階の心理的課題を乗り越えると、それが大きな成功体験となり、お子さんの自己肯定感が高まります。とくに小学生の学童期は「勤勉性」を育む大切な時期。保護者様がお子さんの努力を認め、適切にほめることで、お子さんは「自分はできるんだ」という自信をつけていきます。

学校生活や勉強でのがんばりを認めてあげるのはもちろんですが、習い事や趣味を通じて、お子さんの得意分野を見つけるのも大切です。「自分の好きなこと、得意なことに熱中する」という体験の積み重ねが、挑戦を楽しむ力を育みます。

発達段階にあわせた教育ができる

エリクソンの発達段階を知ることで、その時期に合った教育ができます。たとえば、学童期は物事にコツコツ取り組む力を伸ばす時期。この時期に、プログラミングなどの論理的思考や問題解決能力を養う活動を取り入れることで「勤勉性」が自然と育まれます。

逆に、保護者様の勝手な期待を押し付けたり、お子さんの成長のタイミングに合わないことをやらせたりすると、お子さんはやる気を損ねてしまうかもしれません。エリクソンの発達段階を意識することで、お子さんの力を最大限に引き出してあげたいですね。

発達のために保護者が子どもにできること

エリクソンの発達段階を知ることで、適切なサポートが可能です。具体的な関わり方を知り、子どもの成長を温かく応援しましょう。

コミュニケーションをとり、理解する

お子さんの成長を支える基盤は、日々のコミュニケーションです。話を聞く、共感する、問いかける、といった親子のコミュニケーションを通じて、お子さんが今何を感じ、何を考えているのかを理解できます。

たとえば、お子さんが小学校での出来事を話すとき、そのなかで「うれしかったこと」や「困ったこと」に耳を傾けることが大切です。どんなささいなことでも保護者様が受け止めてくれる、という安心感が、お子さんの自己肯定感を育みます。発達段階ごとの課題を理解しながらコミュニケーションをとることで、さらにお子さんが心を開きやすくなるでしょう。

発達段階にあわせて必要なサポートをする

エリクソンの発達段階では、それぞれの年齢で異なる心理的課題があるとされています。学童期であれば「勤勉性」を伸ばすことが重要です。勉強や習い事での努力を認め、少しずつ成功体験を増やせるよう手助けしてあげましょう。

ただし、無理に結果を求めるのではなく「挑戦すること」をポジティブに評価する姿勢が重要です。発達段階に合ったサポートは、お子さんの自信とやる気を引き出す鍵になるでしょう。

さまざまな体験の機会を準備する

さまざまな体験を通して、お子さんは大きく成長します。遊び、スポーツ、創作活動など、お子さんの好奇心を刺激する機会をできるだけたくさん用意しましょう。

とくに、学童期は、新しいスキルを吸収しやすい時期です。プログラミングやロボット作りなどの体験型の学びは、お子さんの論理的思考や問題解決能力を伸ばします。こうした体験を通じて得られる達成感は、自己肯定感や勤勉性の育成に大いに役立ちます。

子どものペースにあわせた教育を受けさせる

お子さんの発達には個人差があります。他のお子さんと比べるのではなく、わが子のペースにあわせた教育を選ぶことが重要です。たとえば、お子さんの好きなこと、興味を持っていることに焦点をあて、楽しく学べる環境を整えると良いでしょう。

学校の勉強が得意でなかったとしても、スポーツやアートなど、お子さんが輝ける分野はたくさんあるはずです。保護者様は、できるだけ多様な選択肢を用意することで、お子さんが「これが得意!」と自信をもって思えるものを見つけられるでしょう。

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今回は、エリクソンの発達段階における各年齢の心理的発達課題と、エリクソンの理論を子育てに役立てるポイントについて紹介しました。

学童期のお子さんにとって、自分の「得意分野」を見つけることは自己肯定感を高めるためにも重要です。近年、プログラミングがその手助けとなる習い事として注目されています。プログラミングは、論理的思考や問題解決力を養うだけでなく、自分のアイデアを形にする喜びを感じられる学びです。たとえば、簡単なゲームを作ったり、ロボットを動かしたりする体験を通じて、お子さんは大きな達成感を得られるでしょう。

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