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探求と探究の違いとは|それぞれの言葉の意味と正しい使い分けを解説

探求と探究…何か違いがあるの?

「探求」と「探究」、どちらも「たんきゅう」と読みますが、その違いを知っていますか?

最近では、学校教育や習い事の中で「探究学習」といった言葉が使われることが増えています。「探求」と「探究」の違いを知っておくと、より適切に言葉を選べるようになり、お子さんの興味を広げるヒントにもなるかもしれません。

この記事では「探求」と「探究」のそれぞれの意味や、正しい使い分けのポイントについてわかりやすく解説します。「探求」と「探究」、2つの言葉の違いを理解することで、お子さんと一緒に探究心を育てるきっかけを見つけてみませんか?

探求と探究|それぞれの意味とは

「探求」と「探究」はよく似た言葉ですが、意味や使われる場面に違いがあります。それぞれの言葉の持つニュアンスを理解することで、日常生活や子育ての場でスムーズに使い分けられるでしょう。

探求

「探求」は「探し」「求める」と書き、具体的な答えや目標を求める場面で用いられます。たとえば「探求心」とは「より良い方法や解決策を見つけようとする姿勢」を表す言葉です。「探求」は、比較的短期的で、明確な目的に向かうプロセスを意味することが多い傾向です。

夏休みの自由研究で「どうして風船は空を飛ぶのか」を調べるのは、まさに「探求」といえます。この場合「風船が飛ぶ理由」に対する具体的な答えを求めているからです。つまり「探求」は、実際の問題解決や新しい知識の獲得を目指す行動に対して使うのに適しています。

探究

一方で「探究」は「探し」「究める」と書き、物事の本質や深い意味を理解する行為を指します。たとえば「探究心が旺盛」という場合、その人が問題の答えだけを求めているのではなく、深い理解や真理を追い求めていることを意味するのです。

「どうして風船は空を飛ぶのか」という課題から「なぜ空気には浮力が生じるのか」といった物理的な原理にまで興味を広げると、それは「探求」から一歩進んだ「探究」といえるでしょう。このように「探究」は、広範囲で深い理解を目指すプロセスを表します。

正しい使い分けのポイント

では、「探求」と「探究」はどのように使い分けたらよいのでしょうか?「探求」と「探究」それぞれの言葉の特性を知ることで、状況に応じて適切に使い分けましょう。

探求は具体的な答えがほしいとき

「探求」は、日常的な問題解決や課題を達成する場面で使われます。具体的な答えやゴールがはっきりしている場合には「探求」が適しています。

たとえば、プログラミング学習で「ロボットを動かすにはどうすればいいのか?」という課題解決に取り組む活動は「探求」です。この場合、答えはロボットの動かし方であり、ゴールはロボットを動かす具体的な方法を学ぶことです。このように「探求」は、実践的で成果がはっきりと目に見える学びの場面によく使われます。

探究は本質的な理解を求めるとき

「探究」は、より深い理解や真理を求める場面で使われます。単なる答えや結果にとどまらず、その答えにたどり着くためのプロセスや思考そのものが重視されるのです。

たとえば、プログラミング学習で「なぜこのプログラムを書くとロボットが動くのか」という、プログラミングの仕組みや原理を探る場合、それは「探究」に当たります。この過程では、ロボットの動かし方やプログラミングの書き方といった明確な答えを知るだけでなく、プログラミングのロジックや構造について深い理解を得ることができます。

使い分けに迷ったときのヒント

「探求」と「探究」の使い分けに迷ったら「具体的な答えやゴールがあるかどうか」を基準に考えてみましょう。お子さんが「答えを知りたい」という場合は「探求」「どうしてそうなるのかをもっと知りたい」という場合は「探究」に当てはまります。

たとえば「どうして星は光っているの?」という答えを知りたい場合は「探求」が適しています。一方で「星が光る仕組みや宇宙の法則をもっと知りたい」と本質を追い求める場合は「探究」がしっくりきます。迷った場合は「探求」と「探究」の意味の違いを辞書で確認するのもおすすめです。具体的に「探求」と「探究」どちらの言葉が適しているのか、前後の文脈の流れを意識すると使いやすくなるでしょう。

【小学生向け】探究学習の方法

探究学習は、子どもたちが自ら考え、疑問を解決する力を育てる学習方法です。お子さんが興味関心を持ったことを深く学ぶことで、好奇心や問題解決能力を引き出すきっかけになります。

自分で探究するものを決める

探究学習の第一歩は「何を探究したいか」をお子さん自身が見つけることです。たとえば「どうして飛行機は空を飛べるの?」「なぜ恐竜は絶滅したの?」など、お子さんが疑問に思ったことを探究のテーマにするのがよいでしょう。

「もっと知りたい!」というお子さんの好奇心を、保護者様がしっかりと受け止めてあげることも重要です。話を聞きながら「それってどういうことだろうね?」「どうやって調べたらいいかな?」というように質問を投げかけながら、お子さんがさらに興味を広げられるようサポートしてあげましょう。

気になるものを調べて、課題をまとめる

探究するテーマが決まったら、次は情報を集めます。本や図鑑、インターネットを使って、テーマに関連するデータを調べてみましょう。お子さんと一緒に博物館や資料館を訪れるのもいいですね。

たとえば「飛行機はなぜ空を飛べるのか」というテーマで調べるなら「揚力」や「翼の形」について簡単に学べる資料を見つけてみると良いでしょう。集めた情報をノートに書き出し、整理していくと「何がわかったのか」「何がまだわからないのか」をはっきりさせることができます。

課題を解決する方法を考える

調べた内容を整理したら「どうやったら自分が抱いている課題を解決できるか」を考えます。たとえば「飛行機が飛ぶ仕組み」を探る場合、紙飛行機を作って実際に飛ばしてみるといった方法が考えられます。

この段階では「こうしてみたらいいかな?」とお子さんが自由にアイデアを出せるよう見守ることが大切です。課題解決のために試行錯誤を繰り返すプロセスの中で、発想力や論理的思考を育むことができます。

できることを実践して、感想を書く

自分で考えた方法を実践してみたら、結果を記録し、どんなことに気づいたのか、次は何を知りたいのかをまとめることが重要です。「飛行機が飛ぶ仕組み」を探究しているのであれば「翼の角度を変えるとどうなるのかな?」「風はどう関係しているのかな?」というような新たな疑問が生まれるかもしれません。

感想をまとめることで、自分の学びを振り返り、次の探究への意欲が湧いてきます。こうした一連のプロセスが、お子さんの探究心をさらに育てていくでしょう。

探究学習をするメリット

探究学習は、子どもたちが物事を主体的に深く考え、自ら行動する力を養う学びのスタイルです。この学習方法は、未来に向けた生きる力を育むため、近年注目されています。

主体性が身につく

探究学習では、子どもたちが自分でテーマを見つけ、調べたり考えたりします。この学習方法によって、先生の指示に従うだけの「やらされる勉強」から「自ら進んで取り組む学び」へと意識が変わります。

たとえば、興味のあるテーマを深掘りする過程で「どうやって調べたらいいだろうか?」と、答えにたどり着く方法を自分で見つけ出そうとする主体性が育ちます。こうした経験は、学校や家庭だけでなく、将来の社会生活においてもおおいに役立つ大切な資質となるでしょう。

周囲とのコミュニケーションが増える

探究学習では、友達との話し合いや意見交換が重要なプロセスです。そうした他者とのコミュニケーションを通して、自分の意見を伝えること、他人の考えをしっかりと聞くことの大切さを学べます。

たとえば、グループで課題を解決する場合、友達と協力してアイデアを出し合う場面が多くあります。こうした経験を積むことで、コミュニケーション能力が向上し、人間関係を築くうえで大切な信頼感や共感力も身につけることができるでしょう。

知識や技能が身につく

暗記しただけの知識とは比べものにならない技能を得られるのも、探究学習の大きなメリットです。

たとえば、インターネットや本を使って必要な情報を集める作業を通じて、情報検索力と情報収集能力が身につきます。また、問題を解決するためにはどのように進めればよいかを考えることで、論理的思考力も身につきます。さらに、自分の考えをわかりやすく他者に伝える練習を通して、プレゼンテーション能力も向上するでしょう。こうした探究学習によって身についた力は、学校生活だけでなく、社会でも必ず役に立ちます。

非認知能力や生きる力が高められる

探究学習は、失敗や試行錯誤をくり返しながら学ぶプロセスが大切です。このプロセスによって、忍耐力や自信、自己肯定感といった「非認知能力」が育まれます。「非認知能力」とは、感情や行動をコントロールする力、粘り強さ、協調性、好奇心などの目には見えない力のことです。

「非認知能力」の重要性は、現代社会においてますます高まっています。学力だけでなく、人間としての総合的な力を育むことが、人生の成功や幸福をもたらす基盤であると考えられているためです。探究学習を通じて「非認知能力」や生きる力を高めることは、お子さんの人生の大きな財産となるでしょう。

非認知能力の具体的な例

探究学習によって高められる「非認知能力」について具体的に例をあげて解説します。これらの力は、変化の激しい現代社会を生きていく子どもたちにとって、今後欠かせない力になるはずです。

問題解決能力

探究学習のプロセスを経験すると、自分たちで課題を解決する力を身につけることができます。

たとえば「地域のゴミ問題」をテーマに探究学習を進める場合、ゴミの種類や分別の実態を調べたり、住民へインタビューしたりすることで、現状の課題を明らかにできるわけです。その結果をもとに改善策を考え、具体的な行動計画を立てる。こうしたプロセスを経験することで、目の前の問題について論理的に考え、解決に向けた手段を自分たちで見つける力を身につけられます。

創造力

創造力を育むことも、探究学習の大きな特徴といえます。創造力は、自分の知識や調べた情報をもとにして、新たな価値を生み出す能力です。

たとえば「未来の学校」をテーマにした探究学習では、子どもたちは理想の学校を自由にデザインします。学校設備や授業内容、学校生活を想像し、それをイラストやプレゼンテーションにまとめることで、発想力や表現力を磨くことができます。子どもたちが自由に考えたことを、具体的に形にする経験が、創造力を引き出す大切な機会となるのです。

協調性

探究学習はグループで進めることが多いため、他の子どもたちと協力することが欠かせません。グループ内で役割を分担し、各自が調査や計画を進め、話し合いながら意見をまとめることが求められます。また、学習の成果を資料にまとめたり、プレゼンテーションしたりする場合も、グループ内での協力が大切となるでしょう。

こうした探究学習のプロセスを通して、相手の意見を尊重しながら自分の考えを伝える力が養われます。協調性は、学校生活だけでなく、将来の職場や社会生活でも必要不可欠なスキルです。

忍耐力

探究学習では、失敗や試行錯誤をくり返しながら何度も挑戦する姿勢が大切です。このプロセスによって、粘り強く取り組む忍耐力が身につきます。

たとえば「野菜の栽培」をテーマに取り組む場合、うまく発芽しなかったり、病害虫の被害に遭ったりすることもあるでしょう。こうした困難に直面しながらも試行錯誤を繰り返し、最終的に成果を上げることで、子どもたちは失敗にくじけずに挑戦し続ける忍耐力を養えます。この経験は、子どもたちの人生全般において貴重な財産となるはずです。

自己肯定感

探究学習を通じて、自分の努力が成果につながる経験を重ねることで、子どもたちの自己肯定感が高まります。

自分で見つけた課題を自分の力で解決する、という探究学習のプロセスを経験すると、子どもたちは「自分の力でやりとげた」と感じられるようになり、自信がつくはずです。自己肯定感が高まると、失敗を恐れず、新しいことやさらに困難なことにチャレンジできるようになります。

感性

探究学習は、子どもたちの感性を磨く場でもあります。探究学習のプロセスに含まれる、実際の体験や表現活動、他者との交流などを通して、子どもたちの感性が豊かに育つのです。

たとえば、自然や環境をテーマにした活動では、季節ごとの植物や動物の変化に注目し、その美しさや不思議さを体感できます。このような体験を通じて、自然への感受性や観察力が育まれるとともに、環境保護への意識も芽生えるでしょう。探究学習を通じて感性を育むことは、子どもたちが豊かな人生を送るための重要な要素といえます。

子どもの探究心を高めるなら、プロクラ!

今回は「探求」と「探究」の意味の違いや「探究学習」のメリットなどをご紹介しました。お子さんの探究心を引き出すには、興味を持てるテーマで、楽しく学べる環境が大切です。子どもたちが自分のペースで楽しく学びながら、創造力や問題解決能力を伸ばすことができる学びとして注目されているのが、プログラミング学習です。

プログラミング学習では、自分のアイデアを形にすることで、達成感とともに探求心が育まれます。また、失敗をくり返しながら何度も挑戦する経験が子どもたちの忍耐力を育てます。探究心旺盛なお子さんが新しい可能性を発見し、自分らしい未来を切り開くきっかけになるかもしれません。

「プロクラ」は、子どもたちが大好きなマインクラフトの世界でプログラミングを学べる、小学生向けプログラミングスクールです。「子どもの探究心を育てる習い事をさせたい」と考えている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求から始めてみてくださいね。

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