お役立ち情報

子ども教育

オルタナティブ教育とは|スクールとの違いや種類、それぞれの特徴を解説

日本でも注目されるようになった「オルタナティブ教育」

「うちの子、学校の授業が合わないみたい…」「もっと個性を伸ばせる学び方はないのかな?」と感じたことはありませんか?

子どもたちの個性や興味が多様化するなかで「学び方も一つだけじゃなくていい」 という考えが広がっています。そこで今、日本でも注目されているのが 「オルタナティブ教育」です。

従来の学校教育とは異なるスタイルで、子どもたち一人ひとりの個性や興味に寄り添った学び を提供する教育であり、多くの保護者様から関心を集めています。

本記事では、オルタナティブ教育の基本的な考え方や、どのようなスクールがあるのかをわかりやすく解説します。お子さんに合った学びの選択肢を見つけるヒントとして、ぜひ参考にしてみてくださいね。

オルタナティブ教育とは

オルタナティブ教育とは、一般的な学校教育とは異なる「自由で多様な学びを提供する教育」のこと。「オルタナティブ」は「別の選択肢」を意味します。

起源はヨーロッパにあり、従来の画一的な教育に疑問を持つ教育者たちが、新しい学びのスタイルを模索するなかで生まれました。世界的に普及するにつれ、日本でもオルタナティブ教育の概念が注目されるようになり、フリースクールやホームスクーリングなどさまざまな形で広がりました。

現在の日本では、まだオルタナティブ教育の知名度は低く、「特別なもの」というイメージが残っています。しかし「我が子にはどんな学びが合っているのか?」を考えるうえで、オルタナティブ教育は大切な選択肢のひとつといえるでしょう。

一般的なスクール教育とオルタナティブ教育の違い

「オルタナティブ教育は一般的な学校教育とは何が違うの?」と疑問に思っている保護者様も多いのではないでしょうか。ここでは、一般的な学校教育との違いについて、具体例を交えながらご紹介します。

教育方針

日本の学校では、国の学習指導要領に基づき、全員が同じカリキュラムを学ぶことが基本です。一方でオルタナティブ教育では、決められた内容を一律にこなすのではなく、子どもたち一人ひとりの成長スピードや関心に応じた学習を進めます。

たとえば、時間割などを設定せず、自分が興味を持ったテーマについて満足するまで学べます。オルタナティブ教育は 「子ども中心の学び」 を大切にし、画一的なカリキュラムに縛られない教育方針が特徴です。

学習スタイル

学校教育では、黒板や教科書を使い、教師が知識を伝える形式が基本です。一方、オルタナティブ教育では、実際に体験したり試行錯誤したりする「主体的な学び」 を重視します。

たとえば、植物の成長に興味を持った子どもたちは、実際に畑で野菜を育てながら生物や環境について学びます。知識を単に暗記するのではなく「なぜ?」「どうして?」と考える力が育まれるでしょう。オルタナティブ教育では、子どもたち自身が積極的に学ぶことを重視しているのが特徴です。

評価方法

学校教育では、テストの点数や成績表によって学力を評価するのが一般的です。一方でオルタナティブ教育では、数値による評価はせず「成長した過程」が重視されます。

先生は、児童生徒がどんなことに興味を持ったか、どのような力を身につけたかなどを個別に記録します。子どもたち自身が記録を振り返ったとき、成長したところに目を向けて前向きに学べるのです。オルタナティブ教育は、子どもたちの学びのプロセスを重視する評価方法がとられるのが特徴です。

クラス編成

学校教育では学年ごとにクラス分けが行われますが、オルタナティブ教育では異なる年齢の子どもたちが同じ環境で学ぶことが多くあります。また、数十人のクラス単位で同じことをするのではなく、個人や小グループでの学習を進めます。

年上の子が年下の子を助けたり、それぞれのペースで学習を進めたりできるため、子どもたちが自然と協力し合う環境が作られます。オルタナティブ教育では、年齢にとらわれず、子どもたちが互いに学びを支え合う環境が整えられているのが特徴です。

先生の立場・役割

先生は、学校教育では知識を教える存在ですが、オルタナティブ教育では学びをサポートする「ガイド」や「ファシリテーター」 としての役割を持っています。一人ひとりの過去の記録を見ながら「この分野が得意そうだからやってみる?」と、アドバイスをすることも。

先生が子どもたちの興味を深める手助けをすることで、「学ぶ力」を引き出すのです。オルタナティブ教育では、先生は「教える人」ではなく、「学びを支える人」という役割を担っているのが特徴です。

オルタナティブ教育の種類・特徴

「オルタナティブ教育」にはいくつか種類があります。ここでは、5つの代表的なオルタナティブ教育とその特徴について詳しくご紹介します。お子さんに合った学びの場を考えるヒントになれば幸いです。

モンテッソーリ教育

モンテッソーリ教育は、イタリアの医師であるマリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。「子どもには自ら成長する力が備わっている」という考えに基づき、先生は「子どもの成長を見守り、必要なときに手助けをする人」という立場をとります。

教室には「教具(教材)」が用意されており、子どもたちが興味を持ったものに自由に取り組める点が特徴です。モンテッソーリ教育は、子どもが自ら学ぶ環境を整え、主体的に成長できるようにサポートする教育法です。

シュタイナー教育

シュタイナー教育は、ドイツを中心に活躍したルドルフ・シュタイナーによって考案された教育法です。子どもたちの成長段階に合わせた学びを提供し、とくに芸術や音楽、リズムなどを取り入れながら成長を促します。

たとえば文字を学ぶときには、いきなり書き取りをするのではなく、絵を描いたり物語を聞いたりしながら、言葉の意味や成り立ちを理解していきます。シュタイナー教育は、芸術や創造的な活動を取り入れながら、子どもたちの心と体の成長を大切にする教育法です。

イエナプラン教育

イエナプラン教育は、ドイツの教員だったペーター・ペーターゼンによって考案された教育法です。異なる年齢の子どもたちが一緒に学ぶことで、互いに助け合いながら成長できる環境を作ります。

1日の始まりと終わりには「サークル対話」と呼ばれる時間が設けられており、自分の意見を述べたり、他者の考えを聞いたりすることで、コミュニケーション能力や協調性が養われます。イエナプラン教育は、異なる年齢の子どもたちが共に学びながら成長できる教育法です。

レッジョエミリア教育

レッジョ・エミリア教育は、イタリアのレッジョ・エミリア市で発展した教育法。「子どもたちは100の言葉や考え方を持つ」とされ、絵を描いたり、体を動かしたりしながら、自分の考えを表現できる環境が整えられています。

教室はアトリエのようになっており、子どもたちは自由に絵を描いたり、粘土で作品を作ったりしながら学びを深めます。レッジョ・エミリア教育は、子どもたちが自ら表現し、創造力を発揮できる環境を大切にする教育法です。

サドベリー教育

サドベリー教育は、アメリカのサドベリー・バレー・スクールで始まった教育法です。決まった授業やカリキュラムは一切なく、子どもたち自身が何を学ぶかを決めます。なかには、ゲーム作りに興味を持ったお子さんが、自分でプログラミングを学び始めたというケースも。

また、学校の運営に子どもたちが関わったり、卒業のタイミングを自分で決めたりするなかで、自主性や責任感が養われます。サドベリー教育は、子どもたちが自分で学びの方向を決め、自由に成長できる教育法です。

オルタナティブ教育のメリット・デメリット

オルタナティブ教育は一般的な学校教育とは異なるため、メリットだけでなくデメリットも存在します。ここでは、オルタナティブ教育の特徴を深く理解できるよう、メリットとデメリットについて詳しく解説します。

【メリット】子どもに合った教育を受けられる

一斉授業が中心の公教育とは異なり、オルタナティブ教育では個別指導や体験学習を取り入れることが多いため、子どもたち一人ひとりの特性に合った学び方を選べます。時間割がなく、その日のスケジュールを自分で決められるスクールもあるので、じっくりと考えながら学ぶのが得意な子どもたちは、自分のペースで学習を進められるでしょう。

子どもたちが自分に合った教育を受けられることは、学習意欲の向上や成長につながる大きなメリットです。

【メリット】多様な価値観やスキルが身につく

オルタナティブ教育では異年齢クラスやプロジェクト型の学習を取り入れることで、問題解決力や創造力が養われます。

異年齢クラスでは、年下の子が年上の子を見て学び、逆に年上の子は年下の子をサポートすることで責任感が育まれます。プロジェクト学習では「どうすればより良いものを作れるか?」という視点を持つことで、柔軟性が育まれるでしょう。

オルタナティブ教育では、多様な人との関わりや実践的な学びを通じて、幅広いスキルを身に付けられるのがメリットです。

【メリット】自主性を育むことができる

オルタナティブ教育では、子どもたちが自らの興味に従って学習を進めるスタイルが多く、自発的に学ぶ習慣が身につきます。

たとえば、プロジェクト学習では、子どもたちが自分でテーマを決め、計画を立て、必要な情報を調べながら学びを深めます。その過程で「どうすれば目標を達成できるのか?」を自ら考え、実行する力が育まれるのです。

オルタナティブ教育では、子どもたちが学習内容を自分で決めることで、主体性や自立心が育ちやすいこともメリットとして挙げられます。

【デメリット】費用がかかることが多い

オルタナティブ教育は民間のスクールで受けられることが多く、国の助成が少ない場合もあるため、授業料や教材費が公教育よりもかかることが一般的です。

公立小学校の授業料は基本的に無料ですが、オルタナティブスクールの場合、年間で数十万円〜数百万円の学費がかかることもあります。カリキュラムに応じて、特別な教材やイベント参加費などが別途必要になることも。

オルタナティブ教育を選ぶ際は、学費やその他の費用について事前にしっかり確認することが大切です。

【デメリット】進学の選択肢が限られる場合がある

一般的な小中学校を卒業すれば高校進学、大学進学がスムーズですが、オルタナティブ教育のスクールによっては、一般的な卒業資格が得られないことも。ただ、高校の卒業資格が得られないスクールで「高校卒業程度認定試験」の受験対策をカリキュラムの中で行うなど、フォロー体制を整えているところもあります。

オルタナティブ教育を選ぶ際は、進学の可能性についてもしっかり検討し、お子さんにとって最適な選択を考えることが重要です。

オルタナティブ教育を選ぶときのポイント

オルタナティブ教育は、種類によって教育方針や学習スタイルが異なります。そのため、お子さんに合った環境を見つけることが大切です。ここでは、オルタナティブ教育を選ぶ際に考慮すべきポイントを詳しく解説します。

子どもに合う教育を見極める

オルタナティブ教育は、種類によって教育方針が大きく異なります。そのため「どのような環境なら我が子がのびのびと学べるのか?」 を考えることが大切です。

たとえば、ものづくりが好きな子は、創造的な活動を中心とするスクールが向いている可能性があります。新しいことに挑戦するのが好きな子には、プロジェクト型の学習を取り入れているところが良いかもしれません。

オルタナティブ教育を選ぶ際は、お子さんの性格や興味、学びのスタイルに合った環境を見極めることが大切です。

費用や運営組織について調べる

オルタナティブ教育のスクールは民間運営であることが多く、公的な資金援助がないため、保護者様の費用負担が大きい傾向にあります。授業料のほかに入会金や施設管理費などを要することが多いので、トータルの費用を確認しておきましょう。

また、NPOが運営しているスクールもあれば、企業が提供するプログラムもあり、運営方針や教育の質はさまざま。オルタナティブ教育を選ぶ際は、学費や運営の仕組みを事前に確認し、家庭の状況に合ったスクール選びが大切です。

将来の進路を意識する

オルタナティブ教育のスクールによっては、一般の小中学校・高校と異なり、卒業資格が得られない場合があるため、事前に情報を集めることが重要です。

たとえば、高校や大学を受験する場合、オルタナティブ教育のカリキュラムが受験に対応しているかを確認しましょう。また、海外大学への進学を考えている場合は、国際的な教育プログラムを取り入れているスクールを選ぶのもおすすめです。オルタナティブ教育を選ぶ際は、卒業後の進路についても考えましょう。

積極的に体験へ参加する

パンフレットやウェブサイトの情報だけでは、実際の雰囲気や学習の進め方、お子さんに合うかどうかがわかりにくいことがあります。「自由に学べる環境」を掲げているスクールを実際に訪れてみると、思っていたよりもルールが厳しかったり、お子さんが馴染みにくい雰囲気だったりすることも。

オルタナティブ教育を選ぶ際は、スクールの雰囲気や学習環境を確かめるために、体験入学や見学に参加し、お子さんの気持ちを尊重することが大切です。

子どもの将来を考えた習い事なら、プロクラ!

オルタナティブ教育が大切にしているのは「子どもたち一人ひとりの個性や興味を尊重し、自ら学ぶ力を育てる」こと。

プログラミングは、まさにその理念と結びつく学びの一つです。正解が一つではなく、試行錯誤しながら「自分なりの答え」を見つけることが求められます。創造力や論理的思考力も自然と身に付くため、どんな分野に進んでも役立つスキルでしょう。

プロクラは、子どもたちが大好きなマインクラフトの世界でプログラミングを学べるスクールです。ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか?

COLUMN

関連記事