現代の子ども教育では、デジタルデバイスを活用した学習が一般化されつつあります。しかし、過去にデジタルデバイスによる学習経験が少ない保護者様の世代にとっては、学習効果や注意点などがイメージしにくい場合もありますよね。
今回は、デバイス・デジタルデバイスの意味や、子どもたちにデジタルデバイスを持たせるメリット・デメリットなどをご紹介します。デジタルデバイスを用いた学習の注意点も記載していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
デバイスとは、日本語に直訳すると「端末」「機器」「装置」という意味です。デバイスの種類は、「情報端末デバイス」と「周辺機器デバイス」の2つに大別されます。
情報端末デバイスとは、デバイス単体で動作が可能な端末です。つまりインターネットやBluetoothなどの通信環境を使用せずとも、操作が可能な端末を指します。たとえばパソコンやタブレット、スマートフォンなどは、単体でも動作が可能であるため情報端末デバイスに含まれます。
周辺機器デバイスとは、情報端末デバイスと接続することで動作が可能になる端末です。たとえばパソコンに接続して使うマウスや、有線キーボード、ワイヤレスイヤホンなどが当てはまります。周辺機器デバイスは、単体で使用することはありません。
上記の情報を前提としたうえで、今回のテーマとなる「デジタルデバイス」とは、デジタル情報を扱う電子機器や、端末の総称です。つまり情報端末デバイスも周辺機器デバイスも、デジタルデバイスに含まれます。
ただし子ども教育におけるデジタルデバイスとは、学習に利用する情報端末デバイス(パソコン・タブレット・スマートフォンなど)を表すケースがほとんどです。
実際に文部科学省が提唱する「GIGAスクール構想」では「1人1台端末環境」の実現について述べており、「端末=情報端末デバイス=デジタルデバイス」を指していると考えるのが自然といえるでしょう。
参考:文部科学省「GIGAスクール構想による1人1台端末環境の実現等について」
ここでは、子どもたちがデジタルデバイスを持つメリットをご紹介します。デジタルデバイスとは学習機器であると同時に、子どもたちの安全を守るツールでもあります。デジタルデバイスならではの利点を知り、活用のイメージを広げていきましょう。
子どもたちがデジタルデバイスを持つメリットとして、安否確認ができることが挙げられます。昨今では未成年ユーザーを対象としたデジタルデバイスも増え、GPS機能・フィルタリング機能・防犯機能などが充実した商品が多く展開されています。
とくに小学生のお子さんを持つ保護者様にとって、お子さんが今どこにいるのかを確認できる機能は大きな安心材料になりますよね。LINEやメールなどでいつでもやり取りができるため、事故やトラブルなどを防止できます。
緊急時にすぐ連絡が取れることも、デジタルデバイスならではの利点といえるでしょう。たとえば人身事故で電車が止まってしまったり、地震や台風などの自然災害に見舞われたりしたときに、デジタルデバイスさえあればお子さんの安否が確認できます。
突然の体調不良や迷子などのトラブルが発生した際も、デジタルデバイスを所持しているかどうかでは安心度が大きく異なります。離れた場所にいても保護者様から適切なアドバイスができるため、発生した被害を最小限に抑えることも可能です。
現代における人との関わりでは、オンラインコミュニケーションが重要視されています。小学生の子どもたちにとっても同様であり、デジタルデバイスは友達とのコミュニケーションを広げるための重要なツールといえます。
たとえばLINEやInstagramなどのSNSでやり取りをしたり、YouTubeやTikTokなどでトレンドを追ったり。大人にとっては「子どもはオフラインの遊びで十分では?」と思うかもしれませんが、実際にはデジタルデバイスを持っていない子は参加できない遊びや、入れない話題なども多いものです。
子ども時代からデジタルデバイスに慣れ親しむことで、情報リテラシーが磨かれます。情報リテラシーとは、情報を適切に収集・評価・利用・発信する力です。情報化社会である現代では、正しい情報を見極める力が非常に重要です。
デジタルデバイスではインターネットを介して、膨大な情報に触れられます。情報のなかには虚偽の内容や偏った内容も多く存在しているからこそ、複数の情報源を比べて「正解に近い情報」や「フェアな視点から記された情報」を見抜く力が養われます。
スケジュール管理能力が身につくことも、子どもたちがデジタルデバイスを持つ利点です。たとえばカレンダーアプリやタスク管理アプリを使うことで、予定が視覚化され、小さな子どもたちでも「自分がやるべきこと」を把握しやすくなります。
デジタルデバイスのアラームや通知機能を活用すれば、時間管理の意識はさらに強まっていくでしょう。また宿題・お手伝い・友達との約束など、複数の予定を管理しやすいのもデジタルデバイスのメリットです。
ここでは、子どもたちがデジタルデバイスを持つデメリットについてご紹介します。子どもたちにとって、デジタルデバイスは娯楽や好奇心の対象です。デジタルデバイスの持つ危険性を学び、安全な利用環境につなげていきましょう。
子どもたちがデジタルデバイスを持つデメリットとして、依存症のリスクが挙げられます。スマホ依存やオンラインゲーム依存がたびたび話題に挙がるように、デジタルデバイスには子どもたちを強く引きつける中毒性があります。依存傾向にある子どもたちはデジタルデバイス中心の生活になり、学業やリアルでのコミュニケーションなどが後回しになってしまうでしょう。
デジタルデバイスの大きなデメリットとしては、インターネットトラブルの危険性も挙げられます。小学生の子どもたちは精神的にも社会的にも未熟であり、Web利用におけるリスクに疎い状態です。フィッシング詐欺やマッチング詐欺など、家族を巻き込むトラブルに発展してしまう可能性があります。
身体的な負担も、デジタルデバイスのデメリットの一つです。デジタルデバイスの利用方法によっては強度近視が進むといわれており、目の萎縮や出血などで視力障害が引き起こされる可能性があります。また夜のデジタルデバイスの利用は、良質な睡眠を妨げるとも考えられています。
参考:三豊・観⾳寺医師会「デジタルデバイスの眼への影響と視機能管理」
子どもたちのデジタルデバイスの利用においては、個人情報の流出も懸念するべきでしょう。自分の顔写真を公開していなくても、テキストや風景の情報から個人は簡単に特定できてしまうものです。特定された情報をもとに、脅しをかけられてしまうトラブルもあります。
ここでは、子どもたちにデジタルデバイスを持たせるときの注意点やポイントをご紹介します。デジタルデバイスには長所も短所もあるからこそ、適切な利用のためには保護者様のサポートや管理が必要です。お子さんの健全な育成のために、デジタルデバイス利用時のコツを学んでいきましょう。
お子さんにデジタルデバイスを持たせる際は、利用時間や利用場所のルールを決めることが大切です。たとえば「夜8時を過ぎたら使わない」「必ずリビングで使い自室にはデバイスを持ち込まない」などのように、曖昧さの少ないルールをつくりましょう。
時間や場所を保護者様の目が届く範囲に定めていれば、トラブル発生時にお子さんが相談しやすくなります。また利用目的を保護者様が把握しやすくなるため、安心にもつながります。
お子さんがデジタルデバイスを利用する際は、フィルタリング機能を積極的に活用しましょう。フィルタリング機能とは、悪質なサイトを閲覧できないようにしたり、利用できるアプリを制限したりする機能です。
悪質なサイトとは、有害な情報が記載された違法サイトや、成人向けのサイト、犯罪に関わるサイトなどが挙げられます。フィルタリング機能を活用することで、お子さんが犯罪やトラブルに巻き込まれるリスクを減らせます。
お子さんのデジタルデバイスの利用では、インターネットのマナーや危険性を教えることも大切です。インターネットには、純粋で無知な子どもたちを狙う犯罪者が多く存在しています。
「写真をアップロードする際は事前に見せる」「SNS上で顔を出さない」「トラブル時は必ず相談する」など、予防と対策の方法をしっかり伝えましょう。特に「自己解決しようとせず大人に相談する」は、万が一トラブルに巻き込まれた際に非常に重要な対策です。
デジタルデバイスを使う目的について家族で話し合うことも、健全な利用につながります。なぜなら利用目的がわかれば、目的に応じたルールを設定できるからです。
たとえば「YouTubeを観たい」なら「視聴時間や場所の設定」、「アプリでゲームをしたい」なら「課金制限の設定」など、トラブルへの具体的な対策を打ちやすくなるでしょう。
お子さんのデジタルデバイスの利用で、デバイス以外の時間も大切にするように努めてください。小学生の子どもたちにとってデジタルデバイスは、時間がいくらあっても足りないほど魅力的な娯楽になり得ます。
だからこそ、自然体験や家族とのコミュニケーションなど、意識的にデジタルデバイス以外の時間をつくるように心がける必要があります。外出時間の捻出が難しい場合は、家族で一緒にデジタルデバイス(ゲームや創作など)で遊ぶような関わり方を増やしましょう。
今回は、デジタルデバイスの意味やメリット・デメリット、子どもたちにデジタルデバイスを持たせる際のポイントなどをご紹介しました。
デジタル化における現代では、デジタルデバイスを正しく効率的に扱う能力が求められます。デジタルデバイスの危険性だけに着目せず、利便性を把握したうえで安全な利用方法につなげていきましょう。
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