あらゆる情報がデジタル化しつつある現代では、子どもたちの教育にもデジタル技術が導入されています。タブレット学習やプログラミングの課題など、すでに教育のデジタル化を身近に感じている保護者様も多いのではないでしょうか。
子ども教育のデジタル化では、学習の効率化や個別学習の精度の向上など、数多くのメリットが存在しています。しかし電子機器の取り扱いをはじめとする課題も多く、健全・安全な学習のためには家庭でのサポートも必要な状態です。
今回は、教育がデジタル化するメリット・デメリットや、デジタル化する教育で子どもたちに求められるサポートをご紹介します。教育のデジタル化による子どもたちへの影響を学びつつ、より良質な学習環境をつくっていきましょう。
デジタル教育は、ICT教育と同義です。ICTとは「Information and Communication Technology」の略称であり、情報通信技術=デジタル技術を意味しています。つまりデジタル教育とは、デジタル技術を用いて行う教育です。
デジタル教育では、従来のアナログな方法で行われていた教育がデジタル化されます。たとえば黒板やホワイトボードは電子黒板やモニターに、紙の教科書はデジタル教科書に。現在も全国各地の教育施設で、ICT機器によるデジタル化が進んでいます。
教育がデジタル化されつつある背景には、文部科学省が提唱する「GIGAスクール構想」が関連しています。GIGAスクール構想とは、21世紀型教育の実現を目指す取り組みです。デジタル化社会における人材育成や学習活動の充実などを目的としており、実現への一環として教育のデジタル化が求められています。
ここでは、教育がデジタル化するメリットをご紹介します。子ども教育の目的や役割は、社会の変化に応じて変わっていくものです。デジタル化された教育だからこそ得られる利点を知り、社会のニーズと教育の関連性について考えていきましょう。
教育がデジタル化するメリットとして、どこからでも授業を受けられることが挙げられます。たとえばタブレット端末を活用すれば、学校から離れた場所や家、病室などにいたままでも、教室と変わらないクオリティの学習ができます。
何らかの事情があって学校に来られない生徒でも、学習機会を諦めずに済む環境は大きな利点です。また感染症の拡大や自然災害などが原因で、自宅学習を余儀なくされた場合でも、普段のように授業を受けられます。
教育のデジタル化では、教科書や資料集、ドリルなどの荷物が不要になります。すべての教材をタブレット端末のなかに保存できるため、登下校の負担が減るのもメリットです。学び方によっては、筆記用具や連絡帳すらも不要になるでしょう。
小学生の小さな体にとって、毎日のように学習教材を持ち運ぶのは負担が大きいものです。教材がデジタル化することで「置き勉」をする機会も減るため、家庭学習の習慣もつきやすくなるでしょう。
早い時期からデジタル端末に慣れやすいのも、教育のデジタル化によるメリットです。デジタル化が進む現代社会では、あらゆる領域においてITリテラシーやITスキルが求められます。
教育のデジタル化では、授業がデジタル端末によって進行するため、電子機器の基本的な操作方法やセキュリティ意識が身につきやすいのが利点です。子ども時代からデジタル技術を身近に感じられる環境は、子どもたちの豊かな将来につながるでしょう。
教育がデジタル化することで、学習の進捗管理の効率化も期待できます。子どもたちの学習進捗は、学校側のデジタルデバイスで把握・管理されるため、従来よりも一人ひとりに合った学習方法を提案しやすくなります。
たとえば生徒がデジタル進度表に理解度を入力すれば、教師と生徒とで教材の進捗の共有が可能です。またオンライン学習プラットフォームを活用することで、生徒が自分のペースで学べる環境が整備されるため、教師側も個別指導に役立つ情報を得やすくなるでしょう。
ここでは、教育がデジタル化されることによるデメリットをご紹介します。どのような手法にも、長所があれば短所もあるものです。デジタル化された教育においても同様です。デジタル化の抱えるリスクを学んだうえで、対策や学習環境の構築につなげていきましょう。
教育のデジタル化によるデメリットとして、目や健康への影響が挙げられます。たとえばタブレット端末を長時間見ていると、まばたきの回数が減少しやすくなり、ドライアイの原因になるといわれています。
また就寝前にデジタル機器による明るい光を浴びることで、体の睡眠・覚醒のリズムが狂いやすくなることも。とくに就寝時間の約2時間におけるデジタル機器の利用は、入眠が妨げられることが報告されています。
教育のデジタル化が進むにつれて、デジタル格差が発生しやすくなります。デジタル格差とは、ITの恩恵を受けやすい子・受けにくい子の間に生じる格差です。たとえばすべての学習がデジタル化されると、家庭の通信環境や保護者様の理解度などによって、家庭学習の質に差が生まれてしまいます。
デジタル人材のニーズが今後ますます増加することを考えれば、子ども時代のデジタル格差は「職業選択の幅の差」や「収入の差」、さらには「人生における納得感や充実感の差」につながることが懸念されます。
インターネットトラブルに巻き込まれやすくなることも、教育のデジタル化によるデメリットです。インターネットの世界は、子どもたちの好奇心を刺激するコンテンツであふれています。しかし同時に、無知な子どもたちを狙う犯罪者も多く存在しています。
リテラシーが不足した状態でWebやSNSを活用すると、犯罪被害に遭うリスクが高まり、プライバシーや財産に関する大きなトラブルに発展するケースもあるでしょう。
教育のデジタル化では、教師と生徒の対面でのコミュニケーションが減少しやすくなります。相手に自分の考えを伝える機会が減るため、言語化能力や伝達力を育成しにくくなる点が懸念されます。
リアルなコミュニケーションの不足により、子どもたちがいつか実際の職場で活躍する際に、環境に適応できずにストレスを抱えてしまうリスクがあるでしょう。
現在、教育のデジタル化はさまざまな課題を抱えています。たとえば端末導入における費用を学校・保護者様のどちらが負担するのかは、教育機関によって異なります。端末の故障時の対応方法も、厳密に定められているわけではありません。
オンライン学習を定着させる場合は、家庭での通信環境の整備が必須になります。セキュリティ上の問題も残されており、使い方によって個人情報や学校の情報が流出してしまうリスクも捨てきれません。
また学校や教員によって、デジタル化に関する理解度に差があるのも課題です。教育のデジタル化は現在も拡大の過程にあるため、多くの課題への対処を社会全体が考える必要があります。
ここでは、教育のデジタル化における、保護者様がお子さんにできるサポートについてご紹介します。小学生のお子さんは、時間管理能力や自制心も未熟な傾向に。保護者様のサポートを通して、お子さんの学習効果を上げつつトラブルを防止していきましょう。
教育のデジタル化では、デジタルデバイスの使用時間を保護者様が管理する必要があります。なぜなら長時間のデジタルデバイスの活用は、身体的な育成に悪影響を与える可能性があるからです。
とくに家庭用・プライベート用で端末を用意する際は、利用時間におけるフィルタリング機能の導入を検討する必要があるでしょう。
オフライン学習を大切にすることも、教育のデジタル化におけるポイントです。とくにグループワークやディスカッションなどのアクティブラーニングは、デジタル学習だけでは学びにくい分野です。
対面でのコミュニケーションや自然体験を尊重しつつ、リアルな環境ならではの学習も取り入れていきましょう。
教育のデジタル化では、お子さんに合った適切な学習コンテンツを選ぶことが重要です。
適切な学習コンテンツの条件とは、「年齢や理解度に応じた内容である」「学習への興味を引き出す工夫がある」「知識を入れるだけではなく定着させる仕組みがある」「健康や安全に配慮がされている」などが挙げられます。
デジタル教育を安全に進めるためには、お子さんのデジタルリテラシーの育成が求められます。デジタルリテラシーは、セキュリティ意識の向上だけではなく、電子機器への取り扱いや、効率的な学習にも影響を与える要素です。
子どもたち向けの専門書やYouTubeの教育チャンネルなども活用しつつ、家族で楽しくリテラシーを学んでみましょう。
デジタル教育では、課題や宿題などがデバイスのなかで完結します。紙のドリルや問題集のように「どこまで終えたのか」がわかりにくいため、お子さんの学習進捗を把握しにくいケースもあるでしょう。
円滑なデジタル教育のためには、要所で保護者様が端末をチェックし、進捗を確認する習慣が求められます。デジタル進度表やタスク管理アプリなども併用しつつ、お子さんの状態を理解できる環境を維持しましょう。
今回は、教育のデジタル化におけるメリット・デメリットや、保護者様がお子さんにできるサポートについてご紹介しました。教育のデジタル化では、お子さんのデジタルリテラシーの教育が重要です。
昨今ではデジタルデバイスを活用した習い事も増加傾向にあり、子どもたちのデジタル教育の重要性が広まりつつあります。とくにプログラミング関連のスクールは、子どもたちの職業選択の幅の拡大にもつながるため、大きな注目を集める習い事の一つです。
「プロクラ」は、子どもたちが大好きなマインクラフトの世界でプログラミングを学べるスクールです。「教育のデジタル化を習い事からサポートしたい」「子どものデジタルリテラシーを鍛えたい」と考えている保護者様は、ぜひこの機会に無料体験教室や資料請求からスタートしてみてくださいね。
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