子どもたちの成長において、外遊びは欠かせません。現代ではゲームをはじめとする室内での遊びが増えていますが、実は外遊びには子どもたちの発達に不可欠な学びの機会が詰まっています。外で体を動かすことで身体能力が育まれるだけでなく、友だちとのコミュニケーションや問題解決能力も自然と身につくのです。
また、外遊びでは予測できないさまざまな状況に対応する力も養われます。雨が降って地面がぬかるんでいたり、風が強くてボールが思った方向に飛ばなかったりといった環境の変化に対応することで、柔軟な思考力も育まれます。子どもたちは、外遊びを通じて自分の体の使い方や自然の仕組みを体験的に学べるでしょう。
外遊びには子どもたちの心身の成長を促す多くのメリットがあります。広い空間で思い切り体を動かすことで、さまざまな能力が自然と養われていきます。それでは、外遊びによって育まれる具体的な能力について見ていきましょう。
外遊びにおける走る、跳ぶ、バランスを取るなどの動きは、子どもたちの筋力や持久力、柔軟性などの基礎的な体力を自然と向上させます。また外遊びは室内遊びとは異なり、凸凹した地面や高低差のある場所で遊ぶこともあるため、バランス感覚や空間認識能力も同時に養われるでしょう。
とくに成長期の子どもたちにとっての外遊びは、骨や筋肉の発達に重要な役割を果たすため、子どもたちの運動量が減少している現代では、意識的に外遊びを取り入れていくのがおすすめです。
外遊びの多くは、複数の子どもたちが顔を合わせて行うため、コミュニケーション能力が育まれます。相手の表情や反応を見ながらルールを決めたり、作戦を考えたりすることで、相手の気持ちも考慮した伝え方を自然と学んでいきます。
相手の表情から感情を読み取り、思いやりのある言葉を選ぶ大切さは、ネットゲームでは学びにくいものです。外遊びは、健全な人間関係を築くための貴重な学びとなるでしょう。
外遊びは「何を使って」「どう遊ぶか」が決まっていないため、子どもたち自身が考え、創り出す力を養います。「この木の下を基地にしよう」「石で的当て遊びをしよう」と発想することで、創造的思考が育まれるのです。
また、天候や場所によって同じ遊びでも状況が変わるため、臨機応変な対応力も身につきます。子どもたちは外遊びを通じて、創造することの楽しさと達成感を体験できるでしょう。
外遊びでは、「高いところに登れた」「速く走れた」「うまくボールを投げられた」など、小さな成功体験を数多く積めるでしょう。こうした「できた!」という体験の積み重ねが、子どもたちの自信や自己肯定感を高めていきます。
また、友だちからの「すごいね!」「上手だね!」という言葉は、子どもたちの心を大きく育てます。外遊びでの挑戦を通じて、子どもたちは自分の可能性を発見し、新しいことに取り組む勇気を身につけていくのです。
外遊びの魅力は、季節の変化を肌で感じられることです。春の柔らかな風、夏の照りつける日差し、秋の落ち葉の音、冬の冷たい空気など、季節ごとの自然の変化が子どもたちの五感を刺激します。
また虫や植物との出会いは、子どもたちの好奇心を育み、観察力や思いやりの心を養います。都市化が進む現代社会では、自然体験の機会が減少していますが、外遊びを通じて自然と触れ合うことは、子どもたちの感性を豊かにするでしょう。
これから紹介する21種類の外遊びは、子どもたちの年齢や発達段階に合わせて選びやすいよう分類しています。どの遊びも、その発達段階に合わせて子どもたちの成長を後押しする要素が詰まっているので、ぜひ参考にしてみてください。
小学校の休み時間や放課後に人気の鬼ごっこは、追いかける側と逃げる側に分かれて遊ぶ外遊びです。瞬発力や状況判断能力、空間認識力が自然と養われ、「氷鬼」「色鬼」「高鬼」などさまざまなバリエーションがあるため、楽しみながら基本的な運動能力を身につけられます。
またルールがシンプルで、年齢に関係なく多くの子どもたちが一緒に楽しめるため、低学年から高学年までみんなで遊べるのも魅力です。
縄跳びは、リズム感や跳躍力、持久力を養うことができ、1人でも複数人でも楽しめるのが特徴です。最初は前跳びから始め、慣れてきたら後ろ跳びや交差跳びなど難易度を上げていくことで、達成感を得られるよう工夫できます。
また長縄跳びでは、「せーの」などのかけ声をかけながら跳ぶことで、リズム感や呼吸のコントロールも自然と身につきます。持ち運びやすく場所を選ばない外遊びとして、低学年の子どもたちの体力づくりの基礎として最適です。
かけっこは子どもたちの走る能力を総合的に鍛えられます。走ることは、ほとんどのスポーツの基礎となる動作。正しい姿勢やリズミカルな腕の振り方が自然と身につき、スタートの反応速度や持久力も向上します。
友だちと競争することで「もっと速くなりたい」という向上心が芽生え、負けたときの悔しさや勝ったときの喜びを通して精神面も成長します。集中力や判断力も養われるため、学習能力の向上にも間接的に貢献する外遊びといえるでしょう。
キャッチボールは、ボールの重さに合わせた力加減や投げる角度を自然と学べます。飛んでくるボールの軌道を予測し手の位置を調整する動作も、空間認識能力や反射神経を鍛えるのに効果的です。
また相手がキャッチしやすいように配慮して投げることで、自然と思いやりの心を育めます。柔らかいボールから始めて徐々に硬いボールへと移行することで、段階的に技術や自信を高められるでしょう。
家族でも楽しめるため、休日の家族の外遊びとしてもおすすめです。
けんけんパは、片足バランスを鍛える効果的な外遊びです。片足跳びを繰り返すことで下半身の筋力が向上し、子どもたちの基礎体力づくりに役立ちます。狭い枠の中に着地する練習は正確性と集中力を養い、運動神経の発達を促進するでしょう。
また、枠の配置やルールを子どもたち自身が考えることで、創造力も育まれます。低学年の時期に身につけたバランス感覚は、将来のスポーツ活動の基礎となるはずです。
サッカーは全身を使った運動量の多い外遊びで、子どもたちの体力向上に大きく貢献します。ボールを追いかけて走る動作は持久力を、シュートやパスは正確性と力加減を鍛えられます。チームで協力するため、仲間との連携や役割分担の大切さも自然と学べるでしょう。
中学年になると戦術的な理解も深まり、より本格的なプレーが可能になります。ルールを守る大切さや相手を尊重する精神も育まれるため、スポーツマンシップを身につける外遊びとしても最適です。
バドミントンは、子どもたちの反射神経と器用さを同時に鍛える優れた外遊びです。飛んでくるシャトルをとっさに判断して打ち返す動作は、脳と体の連携を強化し、集中力も高めます。
バドミントンのシャトルは軽く、ゆっくりと打ち返すことも可能なため、運動が苦手な子どもたちも楽しく遊べるのも魅力的。激しい体の接触もなく安全に遊べるため、怪我の心配が少なく、保護者様も安心して見守れるでしょう。
ケイドロは「警察と泥棒」とも呼ばれる鬼ごっこの発展形の外遊びです。警察役は泥棒を捕まえて「牢屋」に入れ、泥棒役は捕まった仲間をタッチして救出します。
牢屋を守るか新たな泥棒を追うかの判断、囮作戦を使うかどうかの駆け引きなど、頭と体を同時に使うケイドロ。全力疾走やダッシュ、急な方向転換など瞬発力を鍛えながら、チーム内での役割分担により協調性も育まれます。多くの子どもたちが一度に誰でも参加できるのも魅力的な外遊びです。
ターザンロープは子どもたちの冒険心と挑戦する勇気を育む絶好の外遊びです。高い位置から飛び出し、空中をスイングする体験は、日常では味わえない刺激と高揚感をもたらします。「怖いけど、やってみたい」という気持ちを乗り越えて飛び出すことで、子どもたちは自信と達成感を得られるはずです。
腕の力や全身のバランス感覚も自然と鍛えられるため、ほかのスポーツの基礎体力づくりにもつながるでしょう。
リレー競走は、バトンパスのタイミングやフォーメーションなど戦略的な要素を含む競技です。走順を考えるときには「得意な人をどこに配置するか」という戦術的思考が養われ、バトンの受け渡しでは細かな距離感やスピード調整の技術が身につきます。
チームメンバーと力を合わせる喜びや一体感を味わえるのも魅力の一つ。個人競技では苦手意識を持つ子どもたちでも、チームの一員として貢献できる達成感を得られるでしょう。
フリスビーは、手首のスナップを使って飛ばす円盤型の道具を使った外遊びです。ボールとは異なり風の影響を受けやすいため、投げる角度や力加減の調整力が自然と身につきます。フリスビーの軌道を予測してキャッチする動作は、空間認識能力を鍛え、集中力も向上します。
徐々に技術が向上し、さまざまな投げ方ができるようになれば、競技としてのアルティメットやディスクゴルフなど発展的な遊び方もあるため、子どもたちの成長に合わせて長く楽しめるでしょう。
フットサルは、5人制で行われるミニサッカーです。コートの広さはサッカーコートの約9分の1のため、外遊びにも最適です。限られたスペースでのプレーは、正確なボールコントロールや素早い判断力が求められます。
パスやドリブル、シュートなどの基本技術を集中的に鍛えられるため、技術向上が実感しやすいという特徴もあります。チームメイトとの連携が勝敗を左右するため、コミュニケーション能力や状況判断力も自然と身につくでしょう。室内でも屋外でも遊べるため、天候に左右されにくいのも魅力の一つです。
陣取りゲームは、地面に描いた線の上を動き、新たな線を引いて陣地を拡大していく外遊びです。相手の陣地に侵入して線を引こうとするときは緊張感が高まり、戦略的思考力が鍛えられます。どこに線を引くか、いつ攻めるかなど、常に状況を判断しながら最適な選択をする必要があるため、とくに道具を使わずに体と頭を同時に鍛えられます。
また相手の動きを予測する観察力や、リスクを取るべきか守るべきかの判断力も養われるでしょう。
ドッジボールは運動能力だけでなく、瞬時の判断力と心理戦が求められる奥深い外遊びです。投げる・避ける・キャッチするという動作には、ボールの軌道予測や反射神経が不可欠です。
高学年になると「誰を」「いつ」狙うかといった作戦も必要となり、頭と体を同時に使う遊びに発展します。 自分の得意を活かしたポジション選びで自己理解も深まり、勝敗を通して精神的成長も促してくれる外遊びです。
長縄跳びは2人が両端を持って回す長い縄を、複数の人が跳ぶ協力型の外遊びです。高学年になると「二重跳び」や「交差跳び」などの技も挑戦でき、難易度の高い跳び方を楽しめます。全員で息を合わせるリズム感や、入るタイミングを見極める判断力が養われます。
「何回連続で跳べるか」「何人同時に入れるか」という目標に向かってグループで挑戦することで、協力して成し遂げる達成感を味わえるでしょう。
障害物レースは、スポーツの総合力を試せる外遊びです。フープをくぐり、平均台を渡り、ロープを登るといったさまざまな課題に挑戦することで、単一の運動では鍛えられない多様な筋力や協応能力が発達します。
また障害物の配置やルールは自由に決められるため、子どもたちの想像力や問題解決能力も刺激されます。工夫次第で異なる学年や運動能力の子どもたちでも一緒に楽しめる、インクルーシブな外遊びです。
バレーボールは、ボールを扱う繊細さと全身の連動性を鍛える外遊びです。空中でボールを操る技術は、手首や指先の調整力を向上させます。高学年になるとローテーションやフォーメーションを理解し、戦術的なおもしろさも体験できるでしょう。 「次はどこに返そう」という判断を繰り返し行うことで、状況を素早く分析する思考力も育まれます。
また相手コートを見ながらプレーするため、広い視野を持つ習慣も自然と身につきます。
宝探しゲームは走る速さや運動神経に関係なく、誰もが楽しめる外遊びです。運動が苦手な子どもたちでも、観察力や推理力を活かして活躍できるため、自信につながります。低学年には単純な手がかりを、高学年には暗号や謎解きを取り入れるなど、内容を変えられるのも魅力です。
周囲の環境を細かく観察する習慣や、手がかりから推理する論理的思考も自然と身につくでしょう。何かを見つけ出す喜びは、子どもたちの好奇心や探究心を育んでくれます。
だるまさんがころんだは、鬼が背を向けているときに近づき、振り向いたら止まるというシンプルなルールの外遊びです。鬼が振り向くタイミングを予測して動きを制御する必要があり、身体感覚と判断力が自然と磨かれます。また、微妙な姿勢の保持や素早い動きの停止を通して、全身の筋肉コントロールも向上します。
じっと静止する「我慢」と、チャンスと見るや一気に進む「決断」の繰り返しは、日常生活でも役立つ自制心を育てるでしょう。
かげふみは、相手の影を踏むことで鬼を交代する外遊びです。太陽の位置によって影の長さや方向が変わるため、時間帯によって難易度が自然と変化するおもしろさがあります。逃げる側は自分の影を意識しながら動く必要があり、空間認識能力や身体の位置感覚が養われます。
また、鬼役は相手の動きを予測しながら影を踏むタイミングを計るため、観察力や戦略的思考力も自然と身につくでしょう。
花いちもんめは日本の伝統的な外遊びで、昔から子どもたちに親しまれてきました。2つのチームが「花いちもんめ〜」と歌いながら向かい合い、互いのチームから相手を選んでじゃんけんをします。世代を超えて受け継がれてきたこの遊びは、保護者様が幼少期に遊んでいた経験を共有できる貴重な機会となるでしょう。
年齢に関係なく誰でも参加できるため、学年を超えた交流が生まれ、コミュニティ意識や思いやりの心が育まれます。
子どもたちの健やかな成長には、外遊びが欠かせません。この記事で紹介した21種類の外遊びは、それぞれが体力づくりや協調性、創造力、判断力などさまざまな能力を育めます。
外遊びで育まれる「自分で考える力」や「創造性」は、プロクラのプログラミング教育でも大切にしている要素です。プロクラでは、子どもたちが自らの発想で課題を解決し、創造力を発揮できる環境を用意しています。
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