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【難易度別】プログラミング言語17選!初心者にとって難しい言語は?
プログラミングを学びたい!簡単&難しい言語は?
「プログラミングを学習したい」と思っても、どの言語から勉強すればよいのかわからない人も多いでしょう。プログラミングは、言語によって習得までの学習コストが異なります。プログラミング初心者の場合、最初から難易度の高い言語を習得しようとすると、学習途中で挫折してしまうかもしれません。
そこで本記事では、プログラミング言語の難易度を判断する基準を紹介!難易度別に具体的なプログラミング言語も紹介します。プログラミング学習のポイントやメリットについても解説するので、プログラミングスキルを身につけたい方はぜひ最後までご覧ください。
プログラミング言語の難易度を判断する基準
プログラミング言語の難易度を判断する基準は、主に4つあります。
- 知名度・情報の多さ
- 環境構築の簡単さ
- プログラミング技術以外の知識・スキルの必要性
- 記述方式
基準となる理由について、詳しく解説していきましょう。
知名度・情報の多さ
プログラミング言語の種類によって、知名度や情報量は異なります。世間的な認知度が高い、あるいはインターネット上に情報が多い言語ほど、スピード感を持って疑問点を解決できるでしょう。そのため、独学で勉強するハードルが下がります。
以下のような特徴を持つプログラミング言語は、比較的難易度が低いです。
- インターネット上に多くの情報が公開されている
- 学習ツールが豊富
- 日本語で書かれた情報が多い
一方で、開発されたばかりで利用率が低い言語は、参考になる情報が見つかりにくい傾向にあります。
環境構築の簡単さ
作成したプログラムを動作させるには、最初に環境構築が必要となります。なかには複数のツールをインストールしたあと、各種設定をしなければ動作を確認できないプログラミング言語も。
設定が難しかったり、環境構築完了までのステップが長かったりすると、準備段階で挫折する可能性もあるでしょう。初めてプログラミングを学ぶならば、環境構築が簡単で、かつシンプルに動作確認できる言語を選ぶのがおすすめです。
プログラミング技術以外の知識・スキルの必要性
プログラミングを習得するには、言語の理解以外にも幅広い知識・スキルが求められます。プログラミング言語以外で必要となる知識・スキルの例は、以下の通りです。
- フレームワームの使い方
- ソースコード管理ツールの使い方
- ライブラリ機能の活用
幅広い知識やスキルが必要になるほど、プログラミングを習得するまでに時間がかかります。そのため、できる限り言語以外の知識が必要ないものから学習を始め、まずはプログラミングの基礎となる考え方を身につけるのがおすすめです。
記述方式
プログラミング言語は、記述方式によって「手続き型」と「オブジェクト指向型」の2種類にわけられます。それぞれの特徴や難易度について表にまとめました。
記述方式 | 手続き型 | オブジェクト指向型 |
特徴 | プログラムの上から1行ずつ順番に処理を実行する | オブジェクト指向を基準にして処理を進める |
難易度 | 低い | 高い |
プログラミング言語の例 | CGoCOBOL | JavaC++R |
オブジェクト指向とは、プログラムの機能を部品化し、その部品を組み合わせることでプログラムを作る考え方です。複雑な概念を用いるので、一般的に難易度が高いといわれています。そのため、プログラミング初学者には手続き型のほうがおすすめです。
【難易度★】プログラミング言語4選
難易度が低く、初心者におすすめのプログラミング言語を4つピックアップしました。
- PHP
- JavaScript
- Typescript
- Python
ここでは、各言語の特徴や難易度を解説していきます。
PHP
PHP(ピーエイチピー)はコードがシンプルなため、初心者向けのプログラミング言語です。WebアプリケーションやWebサイトといった、Web系開発を得意としています。
さまざまなOSやWebサーバーで実行できる点も特徴のひとつ。1994年に誕生して以来、世界中で多くの人々に利用されています。インターネット上には参考文献が豊富に存在するため、学習も比較的スムーズでしょう。
JavaScript
JavaScript(ジャバスクリプト)は、Webページを作成するために使用される言語です。Webサイトでユーザーの目に触れる部分を「フロントエンド」、ユーザーの目に見えないサーバー側を「バックエンド」といいます。JavaScriptが得意としているのは、フロントエンドの開発です。
JavaScriptを活用すると、以下の処理を実装できます。
- ポップアップの表示
- エフェクト発生
- 入力チェック
- 画像のスライド
- カウントダウン
- 自動計算
Webページに動きをつけることで、ユーザーの興味を惹きやすくなります。視覚的に動作をチェックできるので「プログラムが正常かどうか」を判断しやすく、初心者にとって学びやすい言語といえるでしょう。
Typescript
先ほど説明したJavaScriptを拡張して作られたのが、Typescript(タイプスクリプト)です。「実行するまでエラーの存在に気付きにくい」というJavaScriptの問題点を解決するために、Microsoft社によって開発されました。
JavaScriptよりも、シンプルで読みやすいコードが書ける点が魅力です。ただし、リリースされたのが2012年のため開発者人口が少なく、参考となる資料が乏しいのがデメリットといえます。JavaScriptを学んでからTypescriptの学習を始めると、スムーズに理解できるでしょう。
Python
Python(パイソン)は、データ分析やWebアプリケーション・AI・業務システムの開発など、幅広い分野で使われています。ライブラリ機能が豊富なため、効率的にプログラミングを進められる言語です。
ライブラリとは、プログラムでよく利用される機能を再利用しやすいようにまとめた部品のこと。コードが短く読みやすい点が特徴で、プログラミング初心者でも学びやすいです。近年注目を集めている「ChatGPT」にも、Pythonが利用されています。
【難易度★★】プログラミング言語8選
プログラミング学習に慣れてきた中級者向けの言語を8つご紹介します。
- Go
- Kotlin
- C
- Swift
- C#
- Google Apps Script
- Ruby
- Visual Basic for Applications
言語の特徴や開発できるものについてそれぞれ見ていきましょう。
Go
Go(ゴー)は2009年に、Google社によって開発されました。シンプルかつ処理速度が速い点が特徴で、アプリケーションやゲーム、ロボットなどの開発に使用されています。
文法がシンプルなので習得の難易度は比較的低いですが、歴史が浅いため書籍やインターネット上の情報は少ないです。習得には言語だけでなくITに関する基礎知識も求められるため、中級者向けのプログラミング言語といえるでしょう。ちなみに仕様はCやJavaと似ています。事前にCかJavaを習得しておくと、学習がスムーズになるのでおすすめです。
Kotlin
Kotlin(コトリン)はコードの記述量が少なく、スピーディな開発が可能です。Google社がAndroid開発の公式言語として認めており、主にAndroidのアプリケーション開発で使われています。
さらに、JVM(Java仮想マシン)上で動作するので、Javaとの共存や連携ができます。JVMとは、Javaで作成したプログラムを実行するためのソフトウェアのこと。Javaで開発されたアプリケーションに対し、Kotlinで新規機能を追加して実装していくイメージです。
C
C(シー)は1972年に開発されてから現在まで利用されている、長い歴史を持つ言語です。多くのプログラミング言語は、Cから派生して生まれたといわれています。Cから派生した言語は以下の通りです。
- C#
- C++
- Java
- JavaScript
- PHP
- Python
- Objective-C
文法が機械に近いため難易度は少し高めですが、Cを理解しておくと他の言語の学習が効率よく進むでしょう。ロボットや車、家電といった組み込み系や、アプリケーションの開発に使用されています。
Swift
Swift(スウィフト)は2014年にApple社によって開発され、Apple製品のアプリケーション開発を得意としています。Swiftのスキルを習得すれば、iPhoneやiPad、Apple Watch向けのアプリケーションを開発できます。
コードがシンプルで、エラーが起こりにくい点が魅力です。ただし、Swiftのスキルを身につけるにはオブジェクト指向に関する理解が求められます。
C#
C#(シーシャープ)にはオブジェクト指向が採用されており、Webアプリケーションやゲームの開発に用いられています。Microsoft社が開発した言語なのでWindows系の開発に適していますが、Macのアプリケーションも作成可能です。
文法がJavaと似ているので、すでにJavaのスキルを習得しているとスムーズに理解が進むでしょう。C#はライブラリが豊富なので、機能を活用すれば効率よく開発を行えます。
Google Apps Script
Google Apps Script(グーグルアップスクリプト)は、Google社によって開発されたプログラミング言語のこと。JavaScriptをベースとしており、Google製品との連携ができる点がポイントです。
Google製品の例を、いくつかご紹介します。
- Googleドライブ
- Googleドキュメント
- スプレッドシート
- Gメール
- Googleカレンダー
- Google翻訳
たとえば「海外から受信したGメールをGoogle翻訳で自動翻訳する」といったプログラムを作成できます。Google Apps ScriptはGoogleのサーバー上で実行されるので、アカウントがあれば開発環境を構築する必要がないのも魅力です。
Ruby
Ruby(ルビー)は、まつもとゆきひろ氏によって開発された、日本生まれのプログラミング言語です。日本語の参考情報が多いので、英語が読めなくても比較的容易に疑問点を調べられます。Web開発が得意で、クックパッドや食べログといったアプリケーションの開発にも使用されています。
「さまざまな環境で動作可能」かつ「文法が比較的シンプル」なため、学習難易度はあまり高くありません。ただし、Web系の開発を行うには、Webに関する基礎知識が求められるので注意しましょう。
Visual Basic for Applications
Visual Basic for Applications(ビジュアルベーシックアプリケーションズ)は、Microsoft社によって開発されました。VBAとも呼ばれ、VB(Visual basic)から派生した言語です。
Microsoft社のOffice製品と連携して、業務効率化をはかれる点が特徴。具体的には、データ加工やレポート作成、転機作業の自動化ができます。エクセルやパワーポイントを使った業務をミスなくスピーディに完了させられる便利な言語です。
【難易度★★★】プログラミング言語5選
難易度の高いプログラミング言語を、5つピックアップしました。
- Java
- C++
- R
- Objective-C
- Julia
難易度が高いといわれる理由を説明するので、ぜひ参考にしてみてください。
Java
Java(ジャバ)はオブジェクト指向が採用されている、世界中でも人気の高い言語です。業務システムやWebサイト、ソフトウェアの開発など、幅広い分野で利用されています。
コードの記述量が多く、他の言語と比較してたくさんの文法・ルールを覚えなければいけません。難易度は高いですが、圧倒的なシェアを誇るため需要があります。習得できると大きなアピールポイントになるでしょう。日本語の参考書や学習サイトが豊富で学習環境は整っているため、気になる人はぜひチャレンジしてみてくださいね。
C++
C++(シープラスプラス)はCの機能を拡張させたプログラミング言語です。アプリケーションやソフトウェア、ゲームの開発などに使用されており、処理速度の速さが特徴です。プログラミングが難しく開発にコストがかかるため、大規模なシステムで用いられる傾向にあります。
自由度が高い分、複雑な構造で学習コストがかかるデメリットも。また、C++でプログラムを作るには、言語スキルのほかにハードウェアの知識も必要です。C++の習得を考えている人は、先にCを学んでおくと比較的理解しやすいでしょう。
R
R(アール)は無料で利用でき、データ分析を得意としています。短いコードを書くだけで、多種多様なグラフを制作可能です。初期コストがほとんどかからないため、挑戦しやすいプログラミング言語といえます。ただし、正確にデータを解析するには統計学の知識が欠かせないことを覚えておきましょう。
「データ分析」と聞くと大学や研究所での利用をイメージするかもしれませんが、今や多くの企業がRを活用しています。商品の在庫予測や広告の効果検証ができるため、習得しておいて損はない言語のひとつなのです。
Objective-C
Objective-C(オブジェクティブシー)は、Cをベースにして開発されたプログラミング言語です。Apple社がiOS公式開発言語として発表しており、iOSアプリケーションの分野で活用されています。Cをもとに開発された言語なので多くのライブラリを使用でき、効率的に開発を進められます。
コードが難解になる傾向にあり、上級者向けの言語といわれています。ただし、基本的な構文はCと似ているので、CやC++を理解していると学習コストをおさえられるでしょう。
Julia
Julia(ジュリア)はCやR、Python、Rubyなどの影響を受けて2012年に開発されました。機械学習や数値計算と相性が良く、文法がシンプルな点が特徴。同じく機械学習の分野で利用されているPythonと比較しても、非常に処理速度が速いです。
ただし、活用事例が少ないため情報収集が難しく、初心者が学習するには難易度の高い言語といえます。言語に対しての認知度が上がれば活用事例の増加が見込まれるため、将来性の高い言語です。
難易度のランキング+学習の目的で言語を選ぼう
プログラミングを学ぶときは「難易度」と「学習の目的」で言語を選びましょう。先述したように、言語によって学習コストに差が生じるためです。
加えて、言語ごとに得意とする開発領域は異なります。たとえば「ゲームを開発したい」と考えている方は、ゲーム開発向けの言語を学習するのがセオリーです。
開発するものごとに、学習すべき言語を以下にまとめました。
開発するもの | プログラミング言語 |
Web開発 | Java、PHP、Ruby、Python、JavaScript |
アプリケーション開発 | Java、C、C#、C++、Go、Swift、Google Apps Script、Kotlin、Typescript、JavaScript、Ruby、Objective-C |
ソフトウェア開発 | Java、C、C#、C++ |
人工知能の開発 | C++、Python、R、Julia |
ゲーム開発 | C#、C++、Ruby、JavaScript |
業務効率化 | Visual Basic for Applications、Google Apps Script |
それぞれの特徴と難易度を踏まえて、学習する言語を検討してみてください。
スムーズなプログラミング学習のポイント
スムーズなプログラミング学習のポイントは、以下の通りです。
- 学習の明確なゴールを決める
- 質問環境を用意する
- 独学は避け、スクールやSNSを活用する
- 最初は低いハードルから始め、成功体験を得る
- 子ども向け・初心者向けの教材からスタートする
ひとつずつ解説していきます。
学習の明確なゴールを決める
学習するモチベーションを維持するために、まずは明確なゴールを定めましょう。「なんとなくプログラミングができるようになりたい」といった動機では、途中で学習に挫折しやすいためです。
ゴールを決めるときは、大きな目標だけではなく、それ以前にある小さな目標も設定することが重要となります。下記に「ゲームを開発したい」という目的がある場合に設定する目標例を挙げてみました。
- 最終的に達成する目標……ゲームを開発する
- 中間の目標……Rubyのスキルを習得する
- 初期の目標……Rubyを使った繰り返し処理の方法を理解する
加えて目標を達成する期限を設けると、意欲的に学習に取り組めるでしょう。
質問環境を用意する
プログラミングを学んでいると、必ず疑問点が生じます。このとき質問できる環境がなければ、疑問点が解消されずに中途半端な理解で終わってしまうでしょう。
プログラミングで重要となるのは「根本的な理解」です。見本となるコードの書き方を真似しただけでは、スキルは身につきません。そのため、「この考え方で正解なのか」や「もっと効率のよい方法はあるのか」などを質問できる場が必要となります。
独学は避け、スクールやSNSを活用する
独学でプログラミングを習得したい方に向けて、さまざまな参考書が販売されています。しかし、確実にプログラミングスキルを身につけたいならば、スクールやSNSの活用がおすすめです。
プログラミング習得の近道は、実際に手を動かしてコードを記述すること。そして、作成したプログラミングに対して、改善点を指摘してくれる講師の存在があることです。参考書は「知識を増やす補助的な役割」として使用し、可能な限りスクールやSNSなどを頼ってみてくださいね。
最初は難易度の低いことから始め、成功体験を得る
最初から難易度の高い目標を設定すると、なかなか成果を感じられずに学習するモチベーションを維持できなくなることも。まずは低いハードルを超えることから始めて、徐々にレベルを上げていくのがポイントです。
どれだけ小さなことでも「できた!」という成功体験は、新たなチャレンジを後押ししてくれます。まずは「参考書を〇ページ読む」や「サンプルコードを参考にして同じ動作を再現する」など、難易度の小さいことから挑戦してみましょう。
子ども向け・初心者向けの教材からスタートする
プログラミング学習で教材を使用するときは、自分のレベルに合ったものを選んでください。「人気の教材を購入したけれど、難易度が高くて進まない」といったケースは少なくありません。
適した難易度でなければ「プログラミング=難しくておもしろくない」という認識になってしまいます。「子ども向け」や「コードを使って解説」など、各プログラミング教材の特徴を把握し、どれを使用するのかを慎重に検討しましょう。
小学生がプログラミングを学ぶメリット
最後に、小学生がプログラミングを学ぶメリットをご紹介します。
- 論理的思考力や問題解決能力が身につく
- プログラミング的思考ができるようになる
- デジタルリテラシーを育成できる
- 社会のデジタル化に対応できる
- 将来的に職業の選択肢が広がる
プログラミングは、どの処理を・どの順番で実行するのかを試行錯誤しながら考えます。結果として、論理的思考力や問題解決能力、プログラミング的思考といった幅広いスキルの育成に役立つのです。
社会のデジタル化が加速するなか、トラブルを回避するにはデジタルリテラシーが欠かせません。「オンライン会議にスムーズに参加できない」や「ITツールを使えない」などデジタルリテラシーが乏しい場合、業務を円滑に進められない可能性も。
商品のWebページを構築したり、自社用の業務改善アプリケーションを作成したり……。企業のIT人材の需要は今後もさらに高まることが予想されます。プログラミングスキルのある人材は社会から重宝されるので、職業の選択肢が広がるでしょう。
子ども時代からプログラミングを学ぶなら「プロクラ」
プログラミングの難易度は「知名度・情報の多さ」「環境構築の簡単さ」「プログラミング技術以外の知識・スキルの必要性」「記述方式」で判断できます。難易度と学習の目的にもとづいて、学習する言語を決めましょう。
確実にプログラミングスキルを身につけるならば、独学よりもスクールの活用をおすすめします。わからない点をすぐに質問でき、ITやプログラミングに関する理解を深められるためです。
プロクラは、楽しみながら学べるプログラミング教室。プログラミングを学ぶなら、ぜひプロクラにおまかせください。
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