プログラミング教育情報
ゲームを作る方法|ゲーム制作の基本情報や子どもに教えるべきこと
小学生がゲームを作る方法を知りたい!
子どもたちにとって、ゲームは魅力的なコンテンツです。保護者様としてはゲームのやりすぎに悩まされることもありますが、創造力・想像力・論理的思考力などの幅広い能力を養ってくれるのもゲームのメリットです。
そんなゲームは「遊ぶ」だけではなく「作る」ことでも、子どもの潜在能力が引き出されます。今回は小学生がゲームを作る方法や、ゲームを作るために必要な能力についてご紹介します。ゲームを作るプロセスを通して、お子さんの可能性を楽しく引き出していきましょう。
【小学生向け】ゲーム制作のフロー
ここでは、ゲームを作る際のフローをご紹介します。
- ゲームを遊ぶユーザーのペルソナを設定する
- どんなゲームを作りたいのか考える
- ゲーム制作のための計画表を立てる
- ゲームの仕様書を作成する
- ゲーム制作ツールや制作環境を用意する
- 制作とテストプレイを進めながら開発する
ゲームを作るためには、思いつきのアイデアだけでは足りません。じっくり計画を練りながら、順序を守りつつゲーム制作に取り組んでいきましょう。
ゲームを遊ぶユーザーのペルソナを設定する
ゲームを作るためには、ゲームを遊ぶユーザーのペルソナを設定する必要があります。ペルソナとは、商品やサービスを利用するユーザー像を具体的にしたものです。ペルソナが詳しく定まっているほど、ゲームの方向性も決めやすくなります。
ゲームを作る過程では、さまざまな選択肢と向き合わなくてはいけません。ペルソナが定まっていないとゲームのデザインに一貫性がなくなり、メッセージ性や没入感も弱まってしまうでしょう。
どんなゲームを作りたいのか考える
ゲームを作る際は、まず「どのようなゲームを作りたいのか」を考えることが大切です。たとえばパソコンのブラウザで遊べるゲームであれば、比較的容易にゲーム制作環境が作れます。しかしスマホゲームやコンシューマーゲームの場合は、十分なプログラミング環境を構築する必要があるでしょう。
またゲームの種類も、パズル・ロールプレイング・レース・テーブル・シューティングなどさまざまです。「あれもこれもやりたい!」という積極的な気持ちは組みつつも、まずは一つのゲームを完成させるために、ゲームの概要を定めましょう。
ゲーム制作のための計画表を立てる
ゲーム制作では、スケジュールを把握するための計画表(工程表)を作成します。ゲームを作る際は、おもに以下の7つの工程が必要です。
- 企画立案
- プロト版制作
- アルファ版制作
- ベータ版制作
- ファイナル版制作
- マスター版制作
- リリース後の運用
プロト版ではゲームの骨組み、アルファ版ではビジュアルとゲーム要素、ベータ版では細かなデザインやゲームバランス以外の全要素、ファイナル版ではほぼ完成品を制作します。マスター版は、ファイナル版から不具合やバグなどを解消した「完成」の状態です。
ゲームの仕様書を作成する
仕様書は、ゲームを作る際に欠かせない資料です。ゲームを実際に組み立てるための設計図のようなもので、プレイヤー目線で体験するための機能ごとにコンテンツを分けて記載します。
たとえばストーリー・キャラクターデザイン・操作・サーバー構成などに分類され、コンテンツごとにさらに細分化する形で組み立てていきます。仕様書が細かく記載されているほど、ゲーム制作がスムーズになるでしょう。
ゲーム制作ツールや制作環境を用意する
仕様書が完成したら、ゲーム制作ツールやゲーム制作環境を用意します。ゲーム制作ツールとは、特定のゲームジャンルの制作に特化したツールです。たとえば「RPGツクールシリーズ」や「SMILE GAME BUILDER」などが代表的です。
昨今では、2024年に販売が決まっているRPGツクール新作「RPG MAKER WITH」に注目が集まっています。子どもたちに人気のNintendo Switchで操作できるだけではなく、製作途中のコンテンツをパーツ単位で公開できるシステムが話題です。
制作とテストプレイを進めながら開発する
ゲーム制作環境が整ったら、制作とテストプレイを進めながら開発していきましょう。テストプレイは家族や友人などを巻き込む形で行うと、幅広い視点からフィードバックを受けられます。判断に迷ったときには、ペルソナを基軸に考えていきましょう。
ゲームのテストプレイでは「遊んでいて面白いか」だけではなく、ゲームバランスが崩れていないかや、細かいバグがないかなどをチェックします。さまざまな条件下で操作し、不具合を一つひとつ取り除きましょう。
ゲームを作るために必要な能力
ここでは、ゲームを作るために必要な能力をご紹介します。
- 計画力
- 論理的思考力
- 問題解決能力
- 想像力
- 創造力
- 美的感覚
「面白いゲーム」の条件とは、グラフィックが美しいことやキャラクターが魅力的なことだけではありません。制作中のゲーム作品を客観視しながら、多くの人に楽しんでもらえるゲームを作りましょう。
計画力
ゲーム作成では、現実的なスケジュールを組むための計画力が求められます。たとえば「最高レベルのグラフィックでプレイ時間が100時間を越えるようなゲームを作りたい!」という場合、制作に何年もの時間が必要です。自分の能力やスキルを客観視したうえで、実現可能な仕様書を作ることが大切です。
論理的思考力
論理的思考力は、プログラミングを組んだり、わかりやすい仕様書を作成したりするために用いられます。論理的思考力とは、情報同士を組み合わせて物事を体系的に考える力です。ゲーム内のコンテンツ同士を複合的に考えるためには欠かせない能力といえるでしょう。
問題解決能力
ゲーム制作では、必ずエラーやバグと直面します。課題を乗り越えるためには、問題の原因を突き止めて分析し、解決に導く問題解決能力が求められます。問題解決能力が高いほど一つの工程にかける時間が減るため、オンタイムに近いスケジュールが実現できるでしょう。
想像力
魅力的なゲームを作るためには、豊かな想像力が求められます。想像力が不足したゲーム制作では、どこかで遊んだことがあるような作品ばかりが生まれてしまいます。誰も見たことがないような斬新なゲームを作るためには、多くの知識や経験に基づいた「イメージする力」が求められるのです。
創造力
イメージを具体的な作品に落とし込むためには、0から1を創り上げる「創造力」が必要です。どれほど素晴らしいアイデアでも、形に残せなければ他者に伝えられません。創造力に優れた人は物事を多角的に見られるため、問題発見能力・問題解決能力にも優れている傾向にあります。
美的感覚
多くの人に楽しんでもらえるゲームを作るためには、優れた美的感覚が求められます。美しさは数字で定められるものではなく、正解がありません。だからこそ「何をもって美しいとするか」を自分で判断するための感性が必要です。
ゲーム制作で注意するべきポイント
ここでは、ゲームを作る際に注意したいポイントをご紹介します。
- 著作権や版権の取り扱い
- 制作したいゲームに応じたプログラミング言語の選択
- トラブルや仕様変更に対応するために、余裕のあるスケジュールを組む
昨今はデジタル知識が豊富な子どもたちが増えているからこそ、リテラシーやマナーなどの教育が重要になっています。最後までゲームを作り上げるために、トラブルの原因になりやすい要素を学びましょう。
著作権や版権の取り扱い
ゲーム制作では、著作権や版権の取り扱いに注意する必要があります。多くの権利物は、個人利用の範疇であれば自由に使ってよいとされています。しかし権利元によっては一切の二次創作を禁止している場合もあるため、レギュレーションの確認が必要です。
また権利物を利用したゲームは、オンライン公開の際にリスクが発生します。ゲームを世界中に公開したり動画サイトにアップロードしたりする場合は、完全にオリジナルのゲームを制作するように心がけてください。また二次創作の原則として、他者への譲渡・販売は厳禁です。
制作したいゲームに応じたプログラミング言語の選択
ゲーム制作では、制作したいゲームに応じたプログラミング言語を選択する必要があります。すべてのハードを含むゲーム制作において、共通して使えるプログラミング言語は存在しません。
たとえばスマホアプリでゲームを制作する際も、iOS向けかAndroid向けかで覚えるプログラミング言語は違います。またサーバー管理のためには、ゲーム制作時とは異なるプログラミング言語を活用する必要もあるでしょう。
トラブルや仕様変更に対応するために、余裕のあるスケジュールを組む
ゲームを制作する過程では、ほぼ必ずトラブルやイレギュラーが発生します。仕様書通りにプログラミングをしたのにもかかわらず、なぜか動作しないこともあるでしょう。数多くのトラブルに柔軟に対応するために、余裕のあるスケジュールを組むことが大切です。
制作の過程では「簡単に実現できると思っていた仕様が、実は高いスキルが必要だった」ということも。自分のなかでこだわりたい部分を厳選し、時には他の要素を妥協しつつ進めていくことも、ゲームの完成には重要なのです。
デジタルゲーム制作にはプログラミング知識が必須!
アナログゲームを作る際は、特別なIT知識は必要ありません。しかしデジタルゲームを作る場合は、プログラミング知識が必須になります。プログラミングがわからなければ、ゲームのスタートボタンを表示させることもできません。
小学校では2020年度から、プログラミング教育が必修化されました。しかし小学校のプログラミング教育では、プログラミングの専門知識を学べるとは限りません。ゲームを作るためのプログラミング知識は、家庭学習や習い事でフォローする必要があるのです。
小学生がプログラミング知識を習得する方法
ここでは、小学生がプログラミング知識を習得する方法をご紹介します。
- プログラミングスクール
- YouTubeの学習チャンネル
- 学習アプリ・ブラウザ
どの学習法であっても、お子さんの興味や関心がもっとも重要です。お子さん自身の特性やライフスタイルに合わせ、適した方法を選んでくださいね。
プログラミングスクール
小学生がプログラミングを学ぶ際には、プログラミングスクールへの通学がおすすめです。昨今では子どもたち向けのプログラミングスクールが多く展開されており、実際のゲームを用いながら学んでいく教室もあります。
プログラミングスクールのメリットは、同年代の勉強仲間を作れるだけではなく、質問環境が用意されていることです。分からない部分をすぐに聞ける環境は、独学では決して得られない魅力です。
YouTubeの学習チャンネル
現代の小学生は、物心がついた頃から動画視聴コンテンツが身近な環境で育っています。YouTubeの学習チャンネルは、専門書や学習書よりもスムーズに知識を吸収できる方法といえるでしょう。
子どもたち向けのプログラミング学習チャンネルも充実しており、プログラミングが初めてのお子さんや、小学校低学年のお子さんでもわかるように解説されています。まずは「ゲーム作成 子ども プログラミング」のようなキーワードで検索してみましょう。
学習アプリ・ブラウザ
子どもたち向けのプログラミング学習方法では、学習アプリやブラウザも推奨されます。学習アプリでは、ゲームで遊びながらプログラミング知識を学べるように設計されています。まずは無料版を試した後に有料版に切り替えることも可能です。
ブラウザでは、おもに子どもたち向けのビジュアルプログラミング言語を実際に組み立てながら学びます。もちろん、最初から大人向けのプログラミング言語を学ぶこともできます。
ゲームの作り方を学べる習い事なら「プロクラ」
今回は、お子さんがゲームを作る方法や、ゲーム制作時のポイントなどをご紹介しました。ゲームを作る過程では、さまざまなイレギュラーが発生します。お子さんが途中で投げ出してしまわないように、質問環境を用意することも忘れないでくださいね。
「プロクラ」は、ゲームの世界でプログラミングを学べる習い事です。プログラミング知識はゲーム制作に欠かせないだけではなく、お子さんの将来の可能性を広げる要素にもなります。ぜひこの機会に、無料体験教室や資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。
関連記事